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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
失われた大陸に関する資料をよく調べています。情報量は本当に凄いです。しかし、読んでおもしろいか?は別の問題。様々な著作からの引用を散らばしたような感じでした。アトランティス、ムー、レムリアに関する新たな見解を読みたかった。
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日本近代のムー・アトランティス大陸受容史は貴重で、新興国日本の自尊心やヨーロッパ列強に対する焦りが日本独自の解釈を引き出した事か知れた。
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「アトランティス」「ムー」に胸ときめかせた思春期に思いをはせながら、なぜあんなにも「失われた大陸」に魅了されていたのか、その理由がわかるかもしれないと思い、手に取りました。結果、予想を上回る面白さで、大満足でした。
私自身は、今やムーもアトランティスも(レムリアも)実在はしていなかった、と考えてはいるのですが、明治時代から日本ではかなりのいい年をした大人が、大真面目にアトランティスやムーの実在を論じ、時には戦前の軍国主義・国粋主義にまで影響を与えていたことを知って、驚きました。近代日本においてアトランティス・ムーがどのように取り扱われてきたか、現代ではどうなのか、私たちにとって〈失われた大陸〉とはどんな意味があるのか、そんな問いかけも含めて情報量満載の、資料としても、もう一度「アトランティス・ムー」について考えてみるきっかけを作ってくれる本だと思います。
それにしても、日本人くらいムー(アトランティス)が好きな民族もほかにないんじゃないか、と思ってしまいました。忘れたころにブームが再燃する〈アトランティス〉〈ムー〉そして〈超古代文明〉。古代に宇宙人がやってきてもたらした文明だとか、厨二ゴコロを刺激しまくる「失われた大陸」たち。ロマンティックな幻想なのか、危険な偽史なのか。見る人、語る人によって千変万化する幻の大陸。あとがきに「魔法の鏡」と著者が表現するように、見たいものが見えてしまうのかもしれません。
沈んでは浮上する「失われた大陸」は、これからも私たちの前に浮上しては新しい何かをもたらしてくれるんでしょう。かつてその実在を信じていた人はもちろん、信じていなかった人、知らなかった人にもおすすめしたい本です。後半になるほど著者の熱量が上がってくるのが伝わってきます。欲を言えば、巻末に索引が欲しかったです。