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失踪から始まる物語にミステリー性を期待したが、結婚に踏み切れない男女の、傲慢で愚鈍な心情がうだうだと明かされていくだけだった。にもかかわらずこれだけ売れているのは、いままで自覚のなかった愚鈍な人が、この本によって自らの中にある「傲慢さ」に気づいたからだろう。世の中に対して意義のある本だが、わたしとしては期待外れだった。
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心配、という言葉で縛り、無言で不機嫌になって…
いい子は何のためだったのか、無意味だったのか
人の意見を頼りにする善良、自分のことを過信し値段を高く見積もる傲慢と気づく作品
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おそらく誰もが持っている 傲慢 なトコロ。
登場人物の中に感じる部分と思いながら読んではいるが、自分自身にもたくさん当てはまってしまう。
本当に人が隠しているだろう感情とか思いを登場人物に乗せて表現されていて、共感できる、してしまうところがあって、自分の過去やこれからの行動や発言について考えさせられた。
すごい作品で、ホントに一気に読んでしまいました。
ヨシノさんや早苗さんが出てきて、こんな所でもつながっているんだと。コレもスゴいです。
自分がどれ程の人間なのか。謙虚にいかないと。
あと、女同士は怖いとこあるんだろうな。
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結婚がうまく行くかはビジョンがあるかどうか
ピンと来ないは、自己評価と釣り合わないから
自分の傲慢さと甘えに気づけた
自立、が必要
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「善良さ」が、決断力や生きる力の裏返しで表現されているのが新しく、自分にはとても染みた。
周りにこのような人はいるし、何ならば、自分がそれにずっと悩まされてきたように思う。
子供を信頼しない井の中の蛙的な親や、生きるための嘘を上手くつける女性など、大別すれば善良とされるものの中に潜む気持ち悪さをありありと描いていて驚きました。
忘れられない作品になりそうです。
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20代も中盤に差し掛かった自分は将来のこと考えて焦ることも多いけれど、この小説を読んで自分らしく生きたいと思えた。
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主人公の真実ほど振り切れてはいないけど、こう言った「傲慢と善良」さ、持っている人は多くいるのではないでしょうか。
自分の評価は低いのに自己愛が高く傲慢、世間知らずである故空気や距離感が読めなかったりするのに、気は使う善良さ。今の時代を生きる人の側面でもあるかなと。正直小説だと笑えず身につまされる部分が多くありました。
辻村深月さんはツナグ、かがみの古城を読んでますが、本作はなかなかない観点、深い観点の本でより深く考えさせられました。
個人的にはこんなにうまくいくかなという気持ちと、こうあってほしいながんばれという気持ちの入り混じるラストです。
あと、作中に出てくる金居さん、いい人!
いい本に出会えました。
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ボリュームがあったが、
テンポが良くすぐ読み切れる。
結婚を控えたカップルの話を通して、
タイトルの「傲慢と善良」をうまく表現している。
自分自身も当てはまることが、
あるはずと思うし
色々と考える本でした。
またこの作者の本は読みたい。
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これを独身の頃に読んだら刺さりすぎて痛かっただろうなと思う。
まだ結婚の予定のなかった頃の心情をここまでリアルにオブラートなしに言われてしまうと逃げ場がない。
タイトルもずばりとど真ん中刺してくる。
ミステリー仕立てのストーリー、言葉の的確さ、もうお見事としか言いようがない。
ラストはもうどっちに転んでもいいかなと思いながら読んだけど、あえて言うならラストだけうまくまとめちゃった感があるかも。
かがみの孤城がティーンエイジャーあたりを読者層としてたならばこれはその後の20代後半くらいからを想定してるんだろうけど、その頃に読まなくて良かったかも。
その頃に読んでたら立ち直るのに時間かかりそう。
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人のふとした感情、表には決して出さないが根底で思っていることを中から見ているようで、すごく面白かった。
人のことを信じるのは、ある意味人生にも繋がるのだなと感じた。
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買ったまま、あらすじも評価も見ずに放置していた本。
時間が出来たので軽い気持ちで読み始めたら、30代婚活真っ最中の私にはしんどすぎた。でもだからこそ、すべてが気になってしまい一日で読了。
自分が「選ぶ」側だと思っていたのに、正しく良い子だと思っていたのに。婚活がうまくいかない理由を全部相手のせいにして。私は頑張っている、私は違う。
そんなことを繰り返して傲慢さに気付いた時にはもう手遅れで、でもじゃあどうすればよかったんだろうか。ビジョンはどう描けば成功に近付くのか。
真美と架の様々なところに共感しながらも「でも私は」と考えるのは、やっぱり傲慢だからだろう。そこを認めて受け入れ変わることができた時、次に進めるのかな。
辻村深月さんの小説ではわりと過去を抉られ号泣することも多かったが、今作ではまさにいま起きていることで、抉られながらも あぁそういう事なんだよな、と冷静になれた気がする。
結末はちょっと納得いかないものの、全体的にはすごく考えさせられる良い作品でした。
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辻村さんの人間観察眼の凄さを痛感する作品。
読み進めていくと、初めの出だしから二人の関係性の印象がどんどん変わっていきます。
傲慢と善良、自分や自分の身内にも当てはまる部分があり、読みながら省みさせられるようでした。
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とても身につまされる小説だった。恋愛やその他の生活、仕事において、自分が傲慢になっていないか考えさせられた。この相手は自分に見合う価値のある相手であると考える傲慢さと、その一方で誰かの決めた道を逆らうことなく進んでいく善良さ。どちらも必要ではあるが、過度に偏りすぎてはいけない。この小説では婚約者二人の物語ではあるが、友人や職場、家族との関係のなかでも通用する物語だと感じた。
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久々に辻村作品を読ませていただいた。またしても圧倒されてしまった。自分にも思い当たる節が有り胸の深い所まで刺さるべきものがあった。
スター・システムにもホッとする部分があり、ニヤニヤしてしまう
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将来、人の心が読めるアプリとか開発されたら絶対に辻村深月に監修をお願いしてはいけないなと思える怖さが詰まった本(笑)
どうしてここまで人の心理の本質をついた描写ができるのか、ただただすごい。
ミステリとしても展開が早くて面白かったし読みやすい。でもこの本の主題は多分そこではない。真美の失踪前と後では2人の見ている景色は全然違うものになっていて、読者もいつの間にか自己分析させられている。
色々刺さる言葉はたくさんあったけど、何気に一番最後の石母田さんの一言が1番ハッとさせられたかもしれない。個人的には美奈子目線でのサイドストーリーを読んでみたい。