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主人公の真実ほど振り切れてはいないけど、こう言った「傲慢と善良」さ、持っている人は多くいるのではないでしょうか。
自分の評価は低いのに自己愛が高く傲慢、世間知らずである故空気や距離感が読めなかったりするのに、気は使う善良さ。今の時代を生きる人の側面でもあるかなと。正直小説だと笑えず身につまされる部分が多くありました。
辻村深月さんはツナグ、かがみの古城を読んでますが、本作はなかなかない観点、深い観点の本でより深く考えさせられました。
個人的にはこんなにうまくいくかなという気持ちと、こうあってほしいながんばれという気持ちの入り混じるラストです。
あと、作中に出てくる金居さん、いい人!
いい本に出会えました。
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ボリュームがあったが、
テンポが良くすぐ読み切れる。
結婚を控えたカップルの話を通して、
タイトルの「傲慢と善良」をうまく表現している。
自分自身も当てはまることが、
あるはずと思うし
色々と考える本でした。
またこの作者の本は読みたい。
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これを独身の頃に読んだら刺さりすぎて痛かっただろうなと思う。
まだ結婚の予定のなかった頃の心情をここまでリアルにオブラートなしに言われてしまうと逃げ場がない。
タイトルもずばりとど真ん中刺してくる。
ミステリー仕立てのストーリー、言葉の的確さ、もうお見事としか言いようがない。
ラストはもうどっちに転んでもいいかなと思いながら読んだけど、あえて言うならラストだけうまくまとめちゃった感があるかも。
かがみの孤城がティーンエイジャーあたりを読者層としてたならばこれはその後の20代後半くらいからを想定してるんだろうけど、その頃に読まなくて良かったかも。
その頃に読んでたら立ち直るのに時間かかりそう。
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人のふとした感情、表には決して出さないが根底で思っていることを中から見ているようで、すごく面白かった。
人のことを信じるのは、ある意味人生にも繋がるのだなと感じた。
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買ったまま、あらすじも評価も見ずに放置していた本。
時間が出来たので軽い気持ちで読み始めたら、30代婚活真っ最中の私にはしんどすぎた。でもだからこそ、すべてが気になってしまい一日で読了。
自分が「選ぶ」側だと思っていたのに、正しく良い子だと思っていたのに。婚活がうまくいかない理由を全部相手のせいにして。私は頑張っている、私は違う。
そんなことを繰り返して傲慢さに気付いた時にはもう手遅れで、でもじゃあどうすればよかったんだろうか。ビジョンはどう描けば成功に近付くのか。
真美と架の様々なところに共感しながらも「でも私は」と考えるのは、やっぱり傲慢だからだろう。そこを認めて受け入れ変わることができた時、次に進めるのかな。
辻村深月さんの小説ではわりと過去を抉られ号泣することも多かったが、今作ではまさにいま起きていることで、抉られながらも あぁそういう事なんだよな、と冷静になれた気がする。
結末はちょっと納得いかないものの、全体的にはすごく考えさせられる良い作品でした。
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辻村さんの人間観察眼の凄さを痛感する作品。
読み進めていくと、初めの出だしから二人の関係性の印象がどんどん変わっていきます。
傲慢と善良、自分や自分の身内にも当てはまる部分があり、読みながら省みさせられるようでした。
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とても身につまされる小説だった。恋愛やその他の生活、仕事において、自分が傲慢になっていないか考えさせられた。この相手は自分に見合う価値のある相手であると考える傲慢さと、その一方で誰かの決めた道を逆らうことなく進んでいく善良さ。どちらも必要ではあるが、過度に偏りすぎてはいけない。この小説では婚約者二人の物語ではあるが、友人や職場、家族との関係のなかでも通用する物語だと感じた。
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久々に辻村作品を読ませていただいた。またしても圧倒されてしまった。自分にも思い当たる節が有り胸の深い所まで刺さるべきものがあった。
スター・システムにもホッとする部分があり、ニヤニヤしてしまう
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将来、人の心が読めるアプリとか開発されたら絶対に辻村深月に監修をお願いしてはいけないなと思える怖さが詰まった本(笑)
どうしてここまで人の心理の本質をついた描写ができるのか、ただただすごい。
ミステリとしても展開が早くて面白かったし読みやすい。でもこの本の主題は多分そこではない。真美の失踪前と後では2人の見ている景色は全然違うものになっていて、読者もいつの間にか自己分析させられている。
色々刺さる言葉はたくさんあったけど、何気に一番最後の石母田さんの一言が1番ハッとさせられたかもしれない。個人的には美奈子目線でのサイドストーリーを読んでみたい。
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ヨシノさんにまた会えましたね!写真館に辿り着くとは全くのサプライズ!!
架がそれでも真実ちゃんを選ぶ理由はどこに?
そう思ってしまう私も傲慢
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婚約者が突然いなくなった。
しかも、ストーカーが…という事件があったばかり。
そんな二人のすれ違いだけに収まらない、もっともっと人の心の奥深くに眠る「傲慢と善良」。
恋愛の痛みだけでなく、親や友達、出会ってきた全ての人や出来事の中に思うことがたくさんある。
誰もの中にある、そんな「傲慢と善良」。
読み応え満点。
2022.11.20
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初め、ドキドキしながら読んでいって大きな事件が起きるんじゃないかと想像していたら、おおっ、そうなるか!と、予想もしなかった展開。
真実がところどころで感じる感情に、そんな気持ちになったことあるある!と、感じる場面が何度もあった。
価値観や性格は、育った環境が1番大きく影響するのかな。社会や、自分の周りにいる人と人間関係を築きながら自分がどんな位置にいるのか、人はどうなんだろうかと、家庭環境の外に目を向ける。
違うところ、似ているところ。
だんだんそうやって、わかっていく。
すぐには解決できないテーマでありながら、内容は誰でも一度は感じたことがあるような身近に感じるものだった。
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すり鉢で皮膚が真っ赤になるまで、擦られて、その後で塩まで塗りたくられるような、ひりひりとした痛みを、受ける。
作品が圧倒的であるだけでなく、朝井リョウさんの解説も群を抜いている。
さすがだ。解説だけで、まるでひとつのエッセイを読み終えたようだ。
色々と突きつけられた。
わたしがこの歳まで独身で、それをなんやかんやと理由をつけてはいるけれど、結局そんなの、人間力がないからなのだ。
こうして朝井リョウさんが解説で使ったのと同じく「人間力」という言葉を使うと、ぐっさぐっさと自分に刺さってくる。辻村さんはと言うと、その言葉を、非常に丁寧に描写するのだから、さらに突き刺さる。
とにかく、人物描写とそれに対する表現が巧い。
P137「その人が無意識に自分はいくら、何点とつけた点数に見合う相手が来なければ、人は、“ピンとこない”と言います。―私の価値はこんなに低くない。もっと高い相手でなければ、私の値段とは釣り合わない」
わたしもマッチングアプリを使っていろいろな男性と会っていた時期があるけれど、まさにこの「ピンとこない」の連続。
その感覚こそ、「自分自身につけている点数」だという。
そして、この相手を選別する感覚は「傲慢」であって、しかし「傲慢」にも関わらず、相手を思い、「善良」に振る舞うことができる。
解説ではこの「傲慢と善良」という、相反するかのようでいて共存可能な感情について、P499「現代をうっすらと覆う病理のようなものを見事に言い当てていると感じた」と述べられており、その現代の病理の背景について「不正解を避け続ける減点法の人生」と表現している。
確かにこれも、選択の一つだと言えるかもしれない。不正解ではない方を選んでいるのだから。
そして結局、そんな傲慢で善良な人たちはP255「在庫処分のセールワゴン」に売り出されるのかもしれない。
多様性、自由な生き方、自分の選択、自分の意思。
そんなことが大切にされる現代社会で、筆者も、解説者も問うている。
P499「この世の中に、『自分の意思』がある人間が果たしてどれだけるだろう。真実を責めることができる人間が、一体どれほどいるというのだろうか」
何かを選択すること。
そもそも、それは本当に自分で選んだものなのだろうか。
P282「そこに自分の意思や希望がないのに、好みやプライドと―小さな世界の自己愛があるから、自由になれない。いつまでも苦しい」
P324「自己評価は低いくせに、自己愛が半端ない」
読者の中に「真実は自分だ」と思った人はどのくらいいるのだろう。
個人的には、真実そのものに共感はしないけれど、真実のような人間性を自分も持ち得ている、ということだ。
自分が心の中で飼い慣らした「傲慢さ」を今一度振り返って、我が振りを直す。
人が人を選ぶ。
なんという傲慢な。
そんなことを思いながら、しかし現代社会は「自分の意思」で「自分の人生を選択する時代」なわけであって、「自己評価」と「自己愛」という非常に曖昧で似て非なるものをどうやって上手に身につけていくのか、そして自分���身についているものの正体に気づいた時にはもう手遅れなんじゃないの、と思って絶望する。
山本文緒さんの『自転しながら公転する』と重なる部分がいくつかあって、やはり婚活というのは現代社会の何かを映し出す鏡なのだなと、そんなことを思った次第。
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本を読んでて、苦しくて読めなくなる感覚を久しぶりに感じた。
SNSや小さい世界で自分や恋人の価値を評価してしまったり、他人を評価したり。
最近周りが結婚してきて「なんでその人がいいと思えたんだろう」と感じることが増えた。
(その人過去に浮気してたのに、、私はそんな人選ばないな)と下に見ることもある。
真実の痛々しさや女友達の毒々しさに共感したり、目を背けてしまったり、本当に苦しい本だった。
また結婚して読んだら違うんだろうか。
「自己評価は低いのに、自己愛は強い」
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帯に書いてある通り、刺さった。誰のどんな言葉が刺さったのか、誰の気持ちがわかってしまったのかは言いたくない、、。一見矛盾している傲慢さ(自己愛)と善良さ(謙虚)が共存しているという見方が鋭くて痺れた。