じんわり切なくなった一冊
2023/03/05 11:01
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投稿者:えりん、 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は主人公に共感して、それがだんだんとイライラに変わっていき、最期にそのイライラの正体に気がつく。自分でもびっくりするくらい、その気持ちの変化についていけなかった。
婚活がメインテーマだが、ライフイベントの度に『結果これは誰の選択なのか』を永遠に問われる小説だと思う。
あと、架の女友達にはひたすらムカついた。こんな奴いないだろ。
分厚さが意味するもの
2024/09/24 15:29
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投稿者:マツモトキヨシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
約500ページの分厚い文庫の重さが
そのまま物語の重さとリンクして
面白いんだけど読み進めるのがつらかった。
二人の未来はこれからの生き方にかかっている。
あの母親とあの友人たちがチラチラしているようでは
とてもじゃないけど安心できないわ。
新天地で二人でやり直せ!と思ってしまう。
自分の傲慢さを知る
2024/09/08 21:52
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投稿者:なこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の傲慢さに対峙させられる1冊です。この小説に書かれた文章や登場人物のセリフを読み、自分もそうだ、自分の中にも同じ感情があると、嫌でも思い知らされます。
前半はミステリー風で、ページを捲る手が止まりません。種明かし後の後半は、スピード感が落ちます。私がヒロインを嫌いで、最後まで好きになれず、読み進みにくかったのもありますが…。傲慢と善良の対象人物が前半と後半で変わるという展開は、予想できませんでした。
結婚を目指す二人のあゆみを追っていこう。
2024/05/08 16:05
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投稿者:キュアリズム - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰かと接しているとき、
その人の言動について評価しがちだけれども、
実は自分自身のことも評価しているのではないだろうか。
主人公二人の食い違いから見えてくるのは
この二人の育ってきた、生きてきた環境の違い。
友人や家族など、取り巻きの自分に対する評価も
自分の中には潜んでいる。
この二人の行動の行く末は
読者一人一人に味わっていただきたい。
ところで、筆者の文体の特徴についてひとこと。
歴史的現在を多様する方ですね。
初めて読みましたが、
普段ここまで歴史的現在を多様する作家を読まないので
ちょっと抵抗がありました。
映画化も決定しているので
どんな映画になるか楽しみです。
原作は読んでしまっているけど
映画も見てみたいです。
あり得ない展開に驚く・・・
2024/03/26 21:57
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投稿者:再び本の虜に - この投稿者のレビュー一覧を見る
たった今読み終えました。本当に意外過ぎる展開。初めはこんなふうに人探しをすることってあるのかしらと疑問すら感じました。半ばまで来て真美さん側からの話に変わり、またまた驚きの連続で。女友達の意地悪な態度や辛らつな言葉にビックリして。次には真美さんの逃避行が明かされていく。私が読んだことのないストーリーです。ラストは本当にあり得ない(笑)と思いました。タイトルの「傲慢」と「善良」が要所要所に出てきて、あぁそういう意味なんだと。人間の深層心理がテーマなんですね。
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解説の朝井リョウさんの「私たちの身に起きていることを極限まで解像度を高めて描写」したヘビーな作品という表現がぴったりの,重量感のある良作.
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登場人物たちの言葉がいちいち自分のことを言われているようでモヤモヤが止まりません。
いっそのこと、最後までこの沈んだ気持ちを味わっていたいとまで感じてしまいました。
辻村作品の結末としてはこれで良かったと思います。
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ある日、婚約者の真実が突然失踪し、架は真実を探し始めるが、、。
冒頭はサスペンスか何かかと思ったがすぐにこの小説の底力を見せつけられる。結婚相談所の小野里さんとの対話あたりから辻村深月さんによる抜群の解像度での心理描写に打ちのめされるが、これが抜群に面白い。そうなのだ、この気持ちの言語化ができるのは本当にすごい。その後も真実の周辺、架の周辺の登場人物たちの語る内容や、架の感じ方に引き込まれる。
ラストを含めた第二部も良かったが、断然第一部の解像度の高い描写が好きだ。
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正直なところ、感想が書きにくい。
"傲慢"な架と"善良"な真実…という構図が次第に綻びを見せ、次第に真実の人物像が明らかになっていく。
これがまた読んでいるこちらが恥ずかしくなるほど"傲慢"。
私も23歳から25歳までの2年間、お付き合いをしていた人と同棲をしていた。結婚という言葉も出ていた。けれどなかなか実行されず、『この歳でまた一から関係を築くのは嫌だなぁ』とぼんやりとした焦りを感じていたことを思い出した。
だから、現状を打破したかった真実の気持ちは理解できないわけでもないけれど、行きすぎた行動に引いてしまった。
そのシラケたままの状態が解消されることもなく、不完全燃焼。どうやら私には刺さらなかったみたい。
ありとあらゆる言葉に説教されている気分になってしまったのも、刺さらなかった要因かもしれない。
でも過去の違う物語と繋がるところはさすが辻村深月さん!とテンションが上がりました。辻村深月さんは本当に読者へのサービス精神に溢れているなぁ。
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胸が締め付けられてそのまま窒息死するかと思った。
とんでもなくタイムリーな話すぎて、婚活中の私としてはヒイイってなった。
特に、自分を高く見積もっているってことと、
70%の女ってとこ。
婚活でもあるんだよな、なんでこの人のこと好きになれないんだろうって。結婚するにはいいけど、その前の恋愛がきついって断念しちゃうの。
いやもうやめろよまじで…。
架の女友達が本当に胸糞悪くてしんどかった。でもいるよねああいうやつ。
最後真実が強くなってよかった。
つらかったけど、ぎゅんぎゅん読み進めて、あっという間に読破できた。
辻村深月のえげつない心理描写が大好きです。
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友人から薦められて今日読了。
まーーーーーーー登場人物が愚か!
どこまで作者の意図で表現されているのか分からないけど、愚かで共感できる余地がないのでト書きで共感を求められても「いやそうはならんだろ」と白けた気持ちになってしまった。真美の環境が作り上げたグロテスクな幼さはもちろん、比較的読者側に立ったキャラクターであるはずの架ですら年齢にそぐわぬ俯瞰能力のなさ、自分の人生に対する解像度の低さは恐ろしかった。せめて年齢設定10歳下だろうと思いたいけれど、この年齢だからこそ成り立つグロテスクさなんだろうな…とも思う。きつい。
それはそれとして、話自体は前半部分までは面白かった。
後半部分は何だか前半でこべりついた嫌なイメージを「被災地」という力技で払拭してエンディングに向けて読者に感情移入させようとしてるのかと思ってしまい、なんだか国民感情を利用されているようで嫌だった。(憶測に過ぎないけど)
結局答えが提示されるまで問題を先延ばしにする真美に、都合よく現れる手を引いてくれる同性とコンプレックスを払拭するが如く勝手に好意を寄せてくれる異性の存在は御伽話すぎるし、真美が特別能動的になったかと言えばここでも周りが動いてくれる部分が多くて本質的に何か変わったようには感じなかった。というか、ここで人に影響されてボランティアに逃げ込むまではまだしも、紫のダウンジャケットのシーンは顔を顰めざるを得なかった。この期に及んで他人の選択した道の上を歩くお前は一体何なんだ?!
あの過程を経て爽やかなハッピーエンドに辿り着いたこの物語は、ラブストーリーというより一種のホラーに近い感覚がある。
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婚約者が失踪したことにより、架(かける)は真実(まみ)の過去を辿っていく。婚活、そしてそもそも結婚とは? 運命の相手ってどうやって決まる? ピンとくる、とは何か。
次々と読み手に突き刺さる「傲慢」と「善良」。一人の人間が、見方によって傲慢とも善良ともとれる。誰がどうやって判断するの?
また、「親だから子の面倒をみる」の裏にある、無意識のエゴが恐ろしい。
読みながら自己を省みるも、その自分自身が信用できず、苦しい。でも、読む手は止まらない。ただ、ラストは少し優しい。
以上をまとめると、大・傑・作です!
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ある日突然婚約者の真実が架の前から姿を消す…
一体どこに行ってしまったのか、真実の過去を辿りながら架は懸命に真実を探していくが…
第一部は架目線、第二部は真実目線で語られており、二部からは一気読みでした。
タイトルである“傲慢と善良”とは、人の弱いところであり、強さでもあるのかなと思いました。
また、正直この物語に出てくる登場人物全員(ほぼ全員)に苛立ちを感じながら読んでおりました。
が、実際自分はどうなのか・・・その苛立ちは自分にも向けられるような気がしました。
「自己評価は低い一方で、自己愛は強い」この言葉がとても重く心臓に突き刺さるような衝撃と、ハッとさせられる内容で、ある意味では読むのがしんどかったです。
最後に向けて二人がどうなっていくのか、終盤からは緊張しながら読み終えました。
読了後は登場人物に対して感じていた苛立ちが、その部分も含めて愛しく感じました。
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紆余曲折あったけど、真美と架が結ばれてよかった、、、。今後、自分の中にある「傲慢」さを自覚して生きていけそうだ…そして、この作品の文脈の「善良」にならないように自分で選びとっていこう。
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婚活で出会った婚約者の「真実」が
突然姿を消した
姿を消す前に
「ストーカーが自宅にいる」と
「架」に助けを求めてきた
架は真実の過去を調べる
恋愛ミステリー
婚活で結婚相手を選ぶ
「選ぶ」自体に傲慢さが出てくる
恋愛相手は本能で
結婚相手は本能だけでは選べない
人生を選ぶ大きな決断
自分の価値観、人生、相手
たくさんの判断材料から選ぶ
真実は好きになれないけれど
私自身真実と少し似ていて読んでいて苦しかった
感想を書くのが難しい作品
たくさんの受け取りかたと感じ方がありそう