紙の本
50代も通勤電車でプチ学習
2022/10/31 11:19
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投稿者:防衛医大の近所 - この投稿者のレビュー一覧を見る
某経済新聞の朝刊に広告が出ていたので、購入。教え上手な人が本を書くと、難しい内容もうまーく説明していた。小中学生のお子さんなどは、この人のお話で科学が好きになりそうな気がした。
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今から30年程前に全ての哺乳類の体重と平均寿命には、一定の法則があるという本を読んだことがあります、確か人類は40歳程度だったと記憶しています。現代の人類の平均寿命がそれよりも長いのは、他の動物・植物からエネルギーをもらっているからとの解説があったのが記憶に残っています。
そんな記憶を呼び起こしてくれたのが、隣駅の本屋さんで見つけたこの本のタイトルでした。人類の平均寿命を過ぎたら、世間の常識に合わせて無理するのではなく、自分で決めたルールに従って楽しく生きようという趣旨の本です。読んでいて元気付けられました。
子育てがひと段落した今だからこそ書いてある内容が自分に入ってくる感じを受けました。良い時期にこの本に出会えて嬉しく思います。
以下は気になったポイントです。
・生物学的には自然寿命を超えた40歳以降はいわば「おまけ」のようだと分かります「おまけ」があることに感謝するのなら、自らの規範に基づいて自分自身の人生を生きることが、言い換えれば、社会の束縛や拘束から少しでも自由になって自分の欲望を解放しながら面白く生きることが40代以降の人間に求められる生き方だと思う(p13)40歳以上生きられるのは、医療の発達、食生活の改良、野生生活との決別のおかげである(p15)
・生物も放っておかれれば、エントロピーが増大して無秩序な状態になるところだが「できるけどやらない」という禁止ルールによってエントロピーをいわば逆向きに回して、制限を加えることによって秩序を保っている(p19)
・自動運転の車にも、ロボットにも逆立ちしたってできないのは「自分で自分を作り出す」ということ、この能力は生物だけが持つ特性である。人間の皮膚は1ヶ月で新しい細胞と変わる、骨は10年間で新しい細胞に置き換わる、同様のことが体内のあらゆる場所で起きている、つまり10年前と今とは違うもので構成されているが、自分という個体は自分であり続け、自己同一性を保ち続けている(p21)
・かけがえのない自分を追求したいと思うのなら、社会の規範とは別の自分自身の行動や生活のための規範、つまり、他人からの押し付けでもなく、できあいの見本のような人生観などでもない、自分自身の規範を作ることである(p32)重要なのは、たまに規範を逸脱すること(p33)
・細胞分裂の回数の限界と、それに伴う寿命も決まり、これを「ヘイフリック限界」と言い、これは種によってほぼ一定である。人間の場合は50回ほどなのでせいぜい100歳を超す程度である(p40)
・好きでもないのに無理して青背の魚を食べる必要はない、危険なのは体にいいからと、同じ食品を毎日食べ続けること、色々な食品を日替わりで満遍なく摂取する方が健康被害を避けられる(p47)
・無駄を廃してなるべく効率よくすることは、そのやり方が環境にあっている時は強いけれど、一度変換が起きるとガタガタになってしまう(p72)
・カンブリアの大爆発(5.4-4.9億年前)により生物が一斉に出現した、三葉虫類や脊椎動物が生まれた、オルドビス紀��は魚類、シルル紀には水中から植物、昆虫が陸に上がってきた、デボン期には両生類、石炭紀にはシダ類が生い茂り、堆積して石炭ができた、爬虫類が生まれた、三畳紀に哺乳類が生まれた(p111)
・人は二回死ぬ、一回目は心臓が鼓動を止めて脳の神経細胞を止めた時、二回目はその人を覚えている人が一人もいなくなった時(p114)
・人類の特徴は「直立二足歩行」である、これがあったから、大きな脳・言葉を話す能力が獲得できた(p117)脳が大きくなったのは肉食のおかげ(p118)さらにノンコーディングDNA が消滅したことで、脳の細胞分裂に抑制が利かなくなりチンパンジーの3倍もの大容量の脳を持つようになったのだろう(p120)
・ネアンデルタール人が絶滅したのは、欧州という寒冷地にいたこととともに、言語能力が未発達のためうまく狩りができず食料不足によって滅亡した(p126)
・気候変動などによる大量絶滅は、先カンブリア時代末期、オルドビス紀、デボン紀、ペルム紀(石炭紀のあと:95%消滅)、三畳紀、白亜紀の末期の6回である(p128)
・江戸時代の四大飢饉は、寛永・享保・天明・天保であり、いずれも寒冷化の時期に起きて、冷害と凶作で多くの人が餓死した(p129)1993年の平成の米騒動を引き起こした冷夏は、その2年前の1991年のフィリピン、ピナツボ火山の噴火が原因であった(p131)
・21世紀に入ってからは地球の気温は平均で0.07度ほど下がっていることが示されている、シロクマはこの10年間で増えている、温暖化の現象と言われるのは、大都市部のヒートアイランド現象(ローカルウォーミング)である、同じ東京でも三宅島、八丈島は100年間平均気温は変わっていない(p133)
・自分で規範を作る場合の3つのポイント、1)日常生活を律する規範、2)人生の目的や目標を定める規範、3)他人との関係をどう構築するかという規範(p213)
・癌で死ぬかどうかは、早期発見かどうかではなく、その悪制度によって決まる(p220)
2022年11月15日読了
2022年11月23日作成
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健康診断を受けなくてよい。百二十歳まで生きる人間は増えないていない。ガンの完治率は上がっていないが、死亡者数はかわらない。
ガツンとくる内容ですね。
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偏った考えも、自由に生きている著者を体現していて微笑ましく読めました
年齢は関係無いといえども、こういう年配の方が会社や身近に居たらいいなあ
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まだ途中までしか読んでないけど、生物学の専門家が書いているだけに、面白くて説得的で、痛快。40歳になる前に読めて良かったと思う。
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自分の規範を作る
基本は我慢し、時に我慢を解放してエクスタシーを得ることが大事である
社会の規範を疑う
利他主義、努力という2大ペテン語は要注意
がん検診は受けない
40歳位の人生はオマケである
新しい事には興味を持ち若々しくする
他人との距離感を持つ
日本のように人口減少は自然作用である
短いスパンで小さな目標を作り日々こなして達成感を得る生き方をする
何かをして行くことが心の安定に繋がる
極度の健康志向は逆効果である
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今年で35歳になります。40歳に向けて、心がけておいた方がいいことが理解できました。やりたいことをやりなさい。仕事は食えれば十分。
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自分でしっかり考えて判断することの大切さを改めて学びました。まて、色々な生物の生態を知ると人間を相対的に見ることができるように思いました。
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なかなかにファンキーなオヤジである。「健康診断なんて受けるな」「40過ぎたら不倫せよ」「地球温暖化なんて放っておけ」「固有名詞が出てこないのは豊かな人生の証」…。一見無茶な言説に見えるが、(「自然選択の影©︎メダワー」に入る)40代からは生物としての「おまけ」なのだから好きに生きるべし、という著者の主張に説得力を与えているのは著者の生物学者としての豊かな自然科学の知識だ。しかしこんなに自由に生きている人の家族構成というのはどのようになっているのだろう、と下衆な勘繰りも入れてみたくなってしまう。
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生物学ネタか人生訓か?どっちも楽しめた私は満足
明石家さんま出演のテレビ番組『ホンマでっか!?TV』でおなじみの生物学者、池田清彦先生の著作です。
ゲノム解析した結果、人間のDNAに刻まれた本来の自然な寿命は38歳なのだそう。だから人間それを過ぎたらあとは余りものの人生なんだし、他人や社会に押し付けられたルールではなく自分で規範を設けて(時には規範を破る快感も味わいながら)好きに生きていこうというメッセージがこめられています。
人生訓と生物学トピックを、やや力技でからめているような、ただ単にたがい違いに繋ぎ合わせただけにも思える構成ですが、中年の生き方と生物学どちらにも興味がある私は楽しめました。
地球でいちばん初めの生命である単細胞生物についての話から、遺伝子・ゲノム、はては人間固有の変態的セックス、社会運動、現在の日本の政治経済まで、著者のやりたい放題・言いたい放題のごった煮状態です。
提言の中には突飛な主張も多く見られるけど、凝り固まった日本人の頭には突飛なぐらいの意見のほうが良い刺激になるかも!というのは読者として良心的すぎですかね?でも読んでいて、けして嫌な思いはなく、楽しかったです。
日本を多様性のカケラもない国だと一刀両断する著者の姿勢は気持ちの良いものでしたし、規範なくしては人は生きられないが、その規範は自分でつくることができるというメッセージは、この生きづらい今の日本社会で生きる私たちには大事は考えだと思います。
にしても読む人を選びそうな本で、純粋に生物学的な読み物を期待する人には、著者の説教が煙たいだろうし、中年以降のライフスタイルを模索している人には生物学ネタは時間のムダかもしれない。そして何しろカバー帯には開襟シャツにサングラスをかけたニッコニコのクセ強なおじいさん(失礼)の写真がデカデカと!いや、私みたいな物好きは思わず手に取りましたけども笑
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38歳という一つの区切りは、チ○コの寿命のことを言ってるのかと思ったが、そうでもなかった。
75歳のジジイが不倫とは人の道ではないと説いておきながら、それを稀に経験することから得られるエクスタシーはかなりのモノと言ってるけど、読んでて、ただただ不快だったな。笑
なんてジジイだ!