電子書籍
知りたい事実がしっかり
2023/05/28 19:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙開発に関してかなり現実的な問題をわかりやすく取り上げていて面白かった。各国の宇宙開発事情や宇宙の環境問題、隕石衝突事故に関する部分は特に興味深く読めた
紙の本
宇宙デブリは怖い
2023/02/01 15:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
旧ソ連が「スプートニク」を打ち上げる前、当然のことながら宇宙には人工物が1つもなかった。それがいまや、1万個に迫る勢いで人工衛星が宇宙を飛び回っている、それが将来「宇宙ゴミ」「宇宙デブリ」として地球を襲うことになるかもしれないのだ
投稿元:
レビューを見る
日本の宇宙開発について現状と問題点を考察した本。 時々ニュースになる宇宙開発の話題だが、日本の現状は決して明るいものではない。 日本の宇宙開発は最先端と思っている一般人が多いけれど、現実は規模・予算・実績ともに中国やインドに大きく劣っている。 はやぶさの成功で一時期注目されたが、それはごく一部の成功事例であって、日本が今後、宇宙開発で何を目指すかが明確になっていない。日米同盟などの政治の意向に左右されたり、開発がベンチャーに丸投げされたり、多くの問題を抱えている。 著者は JAXA にいた経験があり、内情に詳しい。宇宙資源獲得競争、環境汚染、日本の宇宙開発の実力、宇宙デブリの問題、天体衝突への対応など、日本の課題を上げて考察する。
はやぶさが帰還した時に、メディアが「日本の技術、凄い」と自画自賛している間に、世界はどんどん先へ行ってしまった。当時からJAXAの担当者には危機感があったようだが、もう宇宙分野では、欧米ロ中インドには追い付けない。日本が独力でできそうなニッチな分野でやっていくしか無さそう。この本を読んで、宇宙に限らず日本の科学技術はどの分野も問題を抱えており、先行きが暗い感じを受けた。
投稿元:
レビューを見る
平易な言葉で書かれていて、非常に読みやすかった。宇宙開発に実際に携わった人として、開発を取り巻く環境や予算などに対してどのような懸念を持っているのか大変わかりやすく感じることができた。日本の宇宙開発に関する問題は山積で、かつ予算は米国/中国/インドなどに比べじり貧。日本が世界的に見て宇宙開発の先駆的な立ち位置に立つことは大変むつかしいのだなと感じた。技術大国日本はもう過去のもの。地に足のついた感覚を持たなければならないのかと素直に感じるとともに、非常に悔しくも思う。
投稿元:
レビューを見る
大体そうではないかと思っていたことが裏付けられた気がした。
宇宙デブリの問題には、毎日のゴミ処理から汚れた海の問題から続いているのと同じかそれ以上の危機感を感じた。
投稿元:
レビューを見る
著者の寺薗さんは、JAXAに勤た後、大学で宇宙探査のデータ処理を研究され、現在はムーンアンドプラネッツ代表社員等。
かつては「かぐや」や「はやぶさ」と言った月や惑星探査プロジェクトのメンバーでもあったそう。
基本的に宇宙開発をめぐる問題に対して、ご自身の思いを熱く述べている。
1.宇宙資源の扱い方
2.日本における宇宙ビジネスの対処方法
3.日本の宇宙開発における技術レベルと底上げ
4.宇宙開発と軍事技術
5.現在宇宙に関係するリスク
要約すると、近視眼的に考えるのではなく、他国との競争も考え、きちんと国レベルで開発に力を入れるべきだ と言うもの。
しかしアルテミス計画の背景って、結局政治的な側面があるのね。故某首相の考えそうなことだと感じた。
投稿元:
レビューを見る
どの業界でも、同じ構造が起きているんだなと。改めて。
ただ、宇宙産業は軍事と関わりがあるということもあり、思っていたより絶望色が強い。
普段学べない領域だったので面白かった。
投稿元:
レビューを見る
JAXA出身の寺沢淳也氏による宇宙開発の光と影を啓蒙しようとするエッセイ。宇宙条約は政府間で宇宙開発を非独占にしようとしたが、民間企業の資源開発を認める立法を米国、ルクセンブルク、日本も行っている。宇宙資源の存在量推定は正確な統計もなくコスト算定も行われていない、デブリの問題は実際よりもさらに深刻といった点が記されている。本書で指摘しようとした「不都合な真実」は日本の真実にすぎない。下町ロケットのように実態と乖離した開発実態・成果の礼賛、はやぶさのように探査着陸を予算で制限させたことによる衝突実験の美化は、たしかに日本が解決すべき問題だろう。国際的には宇宙観光も実用化されているなか、宇宙ビジネスとは、Web3のように一部の投資家と開発家だけでまわる経済圏として存在し続けるのではないか。
投稿元:
レビューを見る
文中にもあるが「宇宙に携わるお仕事って夢やロマンがあっていいですね」って、私含め皆言いがちだが、その時その時の政治(国内、国際)バランスによって、また仕事成果によって予算などもみくちゃになる過酷な現場なのだった。
本来、「いつか来るであろう地球脱出の必要」のために、国を超えて人類知恵を出し合って技術開発進めるべきだが、各国の私利私欲でままならない現状。宇宙ロケット=軍事ミサイルという力の誇示。人類が生んだ宇宙ゴミの後始末さえ解決できない。
私達が自分事として関心をより一層持たねばならん
。自分たちの身の安全のためにも。