紙の本
メルヘン殺しシリーズ最終作
2023/02/01 13:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴょん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作を振り返って、登場人物をメモしながら読んでみた。
頭の中が整理されながら読めるので
前からそうすれば良かったなあ。と思った最終作。
相変わらず、井森くんは不憫ポジでおかしかった。。
現実世界とアバタールの世界の行ったり来たり
読者側も混乱するが、それもまた面白かったり
ずっと続いてほしかったシリーズ。
あとがきを読んで思ったのが
私、ピーターパンのお話ちゃんと知らないってこと。
ちゃんと履修し直そうと思いました。
紙の本
ホントは怖い童話集
2023/05/07 23:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
小林先生の、ハチャメチャでうざったいたらありゃしないこのシリーズが、もう読めないなんてなんて寂しいんだろう。
本作も、途中で何度破ったろかいと思ったことか。
変な謎解きはやめて、サスペンスに特化すりゃいいのに。
今回は井森のバカさ加減が薄まって、少し残念でした。
ただ毎回、童話の主人公は本当はすっげー残酷なんだなって思い知らされる。
ピーターパンは本来、血に飢えた殺人魔なんだよね。よく分かりました。
投稿元:
レビューを見る
まず小林先生のご冥福をお祈りいたします。
不思議の国を探し続けて、三千里、相変わらず蜥蜴のビルは彷徨っていた。今回、彼が紛れ込んだのはネヴァーランド。
そこでは殺人鬼さながら、ピーター・パンが海賊や仲間である迷子、赤膚族・陽性を気ままに殺していた。
殺伐としたその島へ約束を果たすべく戻ってきたウェンディ。
無邪気な殺意を誰にも向けるピーター・パン。その殺意はティンカ・ベルにも向けられて……。
シリーズの最後まで読みたかったです。それはかなわない夢となってしまいましたが、この作品も楽しく読ませていただきました。
投稿元:
レビューを見る
このシリーズの世界観が好きで、文庫化をずっと楽しみにしていました。途中から違和感はあったのに、気付けなかったことが悔しい。もう一度最初から読みたくなる一冊です。
小林泰三先生が逝去されたので、惜しくもシリーズ最終巻です。巻末に書かれているティンカー・ベル殺しの後の構想を読んだだけでわくわくしたし、心底最後まで読みたかったと思わされました。
ここまでのめり込める作品を生み出していただいて、ありがとうございました。
投稿元:
レビューを見る
アーヴァタールが殺されたら本体が死のループから抜け出せるって思ったけど、アーヴァタールが本体と別人格認識だったら死の選択肢すら持たないし、そもそも死のループに入った時には本体が冷静に判断できる状況じゃないし、どっちみち死亡エンドになるからどうやっても報われない。
投稿元:
レビューを見る
全体的に残虐性が高くていつも通り!って感じ
富久がフックではないのは引っかけで分かりやすかったし双子が2組いるのはわかったけど、誰が双子かまでは考えが至らなくて結局犯人あてできなくて悔しい…
ピーターが2人いるなんてわかるか!ずるい!って思ったけどよく読むと一人称僕と俺でわかるようになってるんやなあ…
混乱して何回か読み直した
結局アリス殺しの伏線(?)のレッドキングとかこの夢のリンクについての詳細は分からないまま作者が亡くなってしまって本当に悲しい…
井森くん、平穏な日常が戻るといいね…
とても面白かった!!!!
投稿元:
レビューを見る
アリス殺しからのシリーズ最終巻。
もう続きがないのがわかってて読むのは残念だけれど相変わらずビルが愛おしくて面白い。またアリスから読みたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
言葉遊びの相手が、ビル以外にもう一人増えて、今回はビルが多少まともに思えてしまいました(笑)。
今までのお話も、殺人のハードルが低かったですが、これを読んでしまうと、まだまだだったんだなと思ってしまいます。殺人事件の容疑者を探しているはずなのに、事情徴収がてら殺していくっていう、矛盾を突き進む感が凄いです。息をするように殺しまくるピーターパンが、どこまでも怖い。参考文献の本が読んでみたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
アリス殺しから読み始め4作目。
この本を読もうとした時に、小林
泰三さんが亡くなったことを知る。
まだまだ、次のシリーズを読みた
かったのに…
ティンカーベル殺しは、世界観も
わかりやすく、読みやすい作品
だった。
アバタールの無限ループは、恐い!
投稿元:
レビューを見る
いわゆる「メルヘン殺し」シリーズ第4弾。アリス、クララ、ドロシィときて、ティンカーベル殺し。相変わらず、地球とアーヴァタールが存在する世界が存在する。アーヴァタールが死亡すれば、地球上で、アーヴァタールに対応する存在が死亡し、地球上で死亡しても、「夢」になってしまって、アーヴァタールが死亡するわけではない。共通する登場人物は、地球上では井森建という大学院生であり、そのアーヴァタールは不思議の国の喋る蜥蜴「ビル」。基本的な設定はそのままで、色々な世界で犯罪が起こる。
プロットも共通しており、アーヴァタールとそのアーヴァタールに対応する人物のズレが生かされる。
今回は、ピーターパンの世界であり、井森はいわゆる「雪山の山荘」に近い設定で、雪山での旅館において、同窓会に参加している。ピーターパンに対応する人物は、日田半太郎という人物。そのほかの同窓会の参加者や旅館の従業員の中にも、ピーターパンの世界にアーヴァタールが存在する人間がいる。ピーターパンは殺人鬼で、気軽に殺人を行う。その度に、同窓会の参加者や、旅館の従業員が死んでいく。
このシリーズでは、地球上のAという登場人物のアーヴァタールがBと見せかけて、実はCでしたということが、お約束的に存在する。今回は、富久という同窓会に参加している教師が、「フック船長」だと見せかけて、実は「ウェンディ」だったという点がポイントとなっている。富久≠フック船長は見え見えで、富久=ウェンディも想定内なので、この点はあまり意外性にはなっていない。
これまでのシリーズではあまりなかったことだが、今回のティンカーベル殺しでは、富久は、地球上で死ぬと、夢となり、時間が遡るということを利用している。
大きな特徴は叙述トリックが使われていること。双子が1組しか存在せず、双子にはアリバイがあると見せかけて、実は双子は2組存在し、そのうちの1人が犯人。ティンカーベールを殺害する場面は普通に描かれており、ティンカーベルを殺害したのは「ピーター」と呼ばれる。ピーターパンが犯人だと、登場人物も誤解しており、読者も誤解するように描かれている。ピーターが犯人であることを、最後にどう明かすのか。倒叙モノのように見せかけ、実は、「ピーター」という人物はもう一人存在し、真犯人がピーター・ダーリングという二組の双子のうち、一人の人物だった。これが意外性といえば意外性なのだが、ピーターパンが犯人ではなさそうということが、伏線…というよりあからさまに描かれており、意外性はそこまでではない。上手い、という印象
謎解きをするのは、地球上では樽井友子であり、ピーターパンの世界ではウェンディ。樽井友子=ウェンディと思わせるような記載ぶりだが、ウェンディが自分が人魚から聞いたことを推理に組み込んでいるのに、樽井友子はその点を組み込んでいないこと、ピーターパンが二と四の区別がつかないということを話していることから、樽井友子がウェンディではなく、マブ女王であると分かる。
最後に明かされる双子がウェンディを殺害しようと思った動機。これもポイントとなる。ピーターパンが犯人であれば、ピーターパンは���味もなく殺人をするので、動機は問題にならない。しかし、双子は異なる。双子はなぜウェンディを殺害したかったのか。動機は地球上で、富久が教師として生徒に性的な悪戯をしていたこと。これにより将来が台無しになったとして、富久を殺害するために、ウェンディを殺害しようとしたというもの。これもアーヴァタールと地球上の登場人物の存在の関係を踏まえて動機
このように、この作品全体は、アーヴァタールと地球上の人物の関係を、登場人物が認識している。それを利用したり、アーヴァタール殺しの動機になってりたりする。これはシリーズものとして、これまでのシリーズを読んでいることを前提としたものであり、この作品から読む人のことをあまり考えていない。
富久は、雪の中で熊に襲われて死亡し、死ぬ前に眠り、目覚めるという課程を経たため、よみがえってもそのまま死ぬというループに取り込まれる。これは、ウェンディが見ている悪夢となる。
メルヘン殺しシリーズの第4弾として、さすがにこの作品から読む人を想定せず、これまでシリーズを読んできた人に向けた作品となっている。これまでシリーズを読んできた人を想定して描かれているため、アーヴァタールの特性を登場人物までが利用し、殺人の動機になったり、その特性を利用して追い詰められた状況を脱しようとしている。こういったう要素は進み過ぎると複雑化しすぎ、マニアックになり過ぎてしまう。著者の小林泰三が亡くなってしまったことから、シリーズはこれで終わってしまい、寂しい部分もあるが、この辺りで終わって、マニアックになり過ぎなかったのは、よかったのかもしれない…とも思う。
デキとしては、叙述トリックのうまさ、アーヴァタールの使い方のいずれも円熟味があり、上手いと感じる。しかし、純粋な驚きは薄い。上手い小説であると感じる。面白くもあるが、突き抜けたものはない。ギリギリの★4で。
投稿元:
レビューを見る
予想してた数倍ダークなネヴァーランドで驚き!ピーターパンあんなに容赦ないことってある?!ってくらい容赦ない!笑 他のキャラしかり。…ということで会話やトリックよりも残虐さが抜きん出た一冊。その点に至ってはシリーズ1かも。そこに追い打ちをかけるループ…あれは地獄すぎてゾッとした。メルヘン殺しシリーズ思いっきり堪能したけど、これで終わりと思うとかなり寂しい…完結されないのが残念でならない
☆3.8
投稿元:
レビューを見る
井森の結末の構想も考えられていたようで、最後まで読み届けることが出来ず非常に残念。
シリーズ通して有名な児童作品の世界とリンクしたちょっとグロめのミステリー。
登場人物の繋がりを考えながら事件を解決していく過程はとても面白かった。
投稿元:
レビューを見る
「アリス殺し」に登場した「蜥蜴のビル」たる井森健は、小学校時代の同窓会に参加する傍ら今度はネヴァーランドの世界に迷い込んでしまった。
ネヴァーランド越しに現実世界に起きる殺人事件にどんどん巻き込まれていく井森は、真相を掴むことが出来るのか。
「ピーター・パン」をあまり深く知らないながら、ティンカー・ベルやウィンディ、フック船長は流石に聞き馴染みがあったので、現実世界とのリンクを意識しつつ読み進められたかな、と。
ディズニーの世界観のピーター・パンを思い描いてた為に、最初から驚く展開と犯人は彼しかあり得ないのでは?という思い込みでビルと一緒に騙されました。
まだまだ色々な童話作品に構想を膨らませておられたと後書きにあり、大変残念です。
「アリス殺し」をはじめ楽しく拝読させていただき、ありがとうございました。
投稿元:
レビューを見る
このシリーズではアリス殺しに次いで良かったかも。
比較的タネはわかりやすかったと思うが、現実世界とネバーランドの対応を推測しながら読むのは楽しかった。
でも、さすがに死人出すぎ。
投稿元:
レビューを見る
メルヘンシリーズハマって全部読み続けて、3作目で「そろそろこの設定で続けるのもネタ切れかなぁ?」って思ってたけど、今回は犯人が分かった上で進む、このシリーズでは新しい手法で面白かった!
ラストの方は個人的にはメルヘンシリーズ史上一番イヤなグロさで読後は若干病む。けどこの感じがクセになってきっとまた次作も買っちゃう