紙の本
ひきこまれて読みました。
2023/12/25 16:36
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こわいもの見たさと知的好奇心の両方から、ぐいぐいとひきこまれて、食い入るように読みました。人間とは何なんだろうかと考えこみました。
紙の本
ハイジの屋根裏部屋はあこがれだったが・・・
2023/01/09 21:01
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投稿者:ツクヨミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
三階建ての団地野の二階に住んでいるので・・・上の部屋や下の部屋の物音に、引っ越してきた当時は過敏になっていました。あと、隣の喧嘩の声(笑)。
その前に住んでいたところは、屋根部分だけ繋がった長屋で(壁は相手ました)、かなり話し声が聞こえていて、だから我が家はひそひそ声で話してました。
そっかー、屋根裏ってスペースがあるんですね。ちなみにその、以前住んでいたところでは、屋根裏から蜂が侵入してきて、すげー困って、天井の隙間前部に詰め物をしていました。それでも蜂は風呂場の換気口から入ってきて・・・。
自分もそう遠くないうちに、幻の同居人と暮らすことになるかもしれない。相方死んで一人になったら、置いたものの位置が変わっていてもおかしくない。てか、自分がおかしいかも。
ハイジの屋根裏部屋は星が見えて素敵でしたが…そこに誰かが住み着くのも、自分がそこの住人になってしまうのも、怖いと思いました。
座敷牢…悲しくて痛いです。
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読書会課題本。今頃読了していますが。
「妄想はステレオタイプ」や、「同居人がいるほどエスカレートする」というのを知れたのが新しかったです。孤独に蝕まれるのが大いにあるんだろうけれど、誰かと一緒にいて孤独を感じる方が人は病むんだなと改めて感じました。
私宅監置の座敷牢も落ち込みます。てっきり目につかないところに座敷牢あるんだろうと思ってたら、家族が毎日過ごす部屋にあったりする。呉秀三さんはドキュメンタリーあるみたい…。
春日先生、子どもの頃に憧れていた仕事は遊園地で切符売る仕事だった、というあとがきにこちらまでしんみりしました。どんより曇った平日がいい、とまで。
読書会で、「家には縁の下や地下室などの地下もあるのに、屋根裏や天井裏など狂気は上なのはなぜか」みたいな話になったときに「屋根裏は私的な空間だから」という意見が出たのが印象深いです。
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精神科医の著者が語る「屋根裏」と「都市伝説」についての本。
読む前に「臨床体験から得た、『屋根裏に人がいるんですよ』と語る患者の話を詳細に語っている本なのかな」と思っていたのですが、全然違っていました。
予想は大外れで、実際は「屋根裏マニア/天井裏マニア」を自称する著者が、屋根裏と天井裏にまつわる話(都市伝説を含む)について、蒐集した情報を提示しながら思ったことを語る……というものでした。
私のように、臨床体験で得た患者さんの話が沢山語られると思っている方には、「この本は違うかもしれない」と伝えたいです。
エッセイ本、趣味本……なんというか、そういうテイストの一冊でした(面白かったけど)。
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屋根裏に誰かいるんですよ。: 都市伝説の精神病理。春日 武彦先生の著書。屋根裏に誰かいるという妄想にとらわれている人に屋根裏に誰もいませんと反論したところで屋根裏に誰かいるんですよと言われてしまうだけ。屋根裏に誰かいるという妄想にとらわれている人を頭ごなしに否定しても何も始まらない。屋根裏に誰かいるという妄想にとらわれている人の気持ちに寄り添ってお話を聞いてあげることが屋根裏に誰かいるという妄想にとらわれている人を助けることにもつながるから。精神科医で医学博士の春日 武彦先生だからこその良書。
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江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』の話をちりばめながら、「屋根裏に誰かがいる」という妄想に取り憑かれる人に対しての、精神科医である春日先生の考察など。
「幻の同居人」という表現から、痴呆や妄想に取り憑かれた人の頭の中がよく想像できた。読後、天井裏が気になって仕方がありませんが、強いてそこを開けようとは思わないな。でもその存在を意識するようになったのは確か。それと、実家にも足を運んで両親で暮らす家に、外からの空気を積極的に入れ循環させようと思った。
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2022-10-15
ううーん。症例とかは非常に興味深いのだけど、何だか「結論ありき」に感じてしまって、モヤモヤする。創作物の1部を取り出した主張も好きじゃない。いかにも「お医者さま」っぽい。(偏見)
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人が本来安らぎ寛げる場である筈の「家」は、同時に外部から中の状況がほとんどの場合窺い知れぬが故、往々にして妄想や狂気を醸成、濃縮する孵卵器となる、ということか。
見慣れた近所の家々も……いや、考えるのは止めておこう。
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日常に隠れている不穏と屋根裏の不気味さを上手く絡めて精神機能にもたらす影響を考察している。屋根裏に関する事件が数多く引用されており、面白かった。人と生活環境を見る時、頭の隅に入れておきたい内容。孤独と不安がささいな偶然、記憶違いで妄想の種を育てる。
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「屋根裏に誰かが住み着いている、そしてそのヒトが時々部屋に侵入して悪さをしていくんです…。」
そんなことを訴える精神分裂症の患者は意外と多いという(驚いたことに、分裂症でも痴呆でもない老婦人にも同様の訴えをするヒトが多いという)。なぜ患者の妄想上の侵入者は共通して屋根裏にいるのか?筆者は本著の中で、屋根裏妄想の謎を解くヒントとして、実際に屋根裏妄想を抱えていた患者の例や本当に起きた屋根裏侵入事件などの事例を沢山紹介している。
以前、部屋のWifiの調子が悪くなり管理会社に連絡したところ「お風呂場の天井の一角を押し上げて通信機の元電源をオフにし再起動してみてください」と言われた。その通りに天井の板を押し上げると、そこには意外なほど広い空間が広がっていた。まずは不気味というよりも秘密基地のようなワクワク感を覚えたのだが、賃貸マンションなのだからその隣の部屋でも同じ構造になっているはずで、つまりはここから容易によその部屋に侵入できてしまうのではないかとゾッとしたことを覚えている(本著では本当に同じ手口で起こった殺人事件も紹介されている)。天井裏とは不思議な空間だ。家の最深部にあるはずで正規の入り口でありはしないのに、なんとなく暗黙の了解で外と繋がっているというか。精神分裂症の患者の妄想を受け入れる場所といえば、家の中でも屋根裏部屋しかないのかもしれない。
孤独に生きるヒトは妄想をこじらせて病的な状態に陥りやすく、屋根裏に侵入者がいるという妄想はその孤独を癒やすための自己防衛本能なのではないかという考察が面白かった。
また、家の中こそそのヒトの内面が現れるという話も興味深い(ゴミ屋敷とかも)。家の中で表現されるその人の狂気が、更に狂気を濃縮させ妄想をエスカレートさせるのだという。
逆の発想だが、最近流行りのミニマリストたちはミニマルな環境に身を置くことによりよりシンプルな考え方に染まっていくものなのだろうか。ミニマル主義がミニマルな部屋の中で濃縮されエスカレートして、これも無駄、あれも無駄、趣味なんていらない、最終的には生きていることも無駄…みたいな思考に陥らないものなのだろうか。なんて、散らかった部屋で考えてしまった。
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乱歩の「屋根裏の散歩者」を再読する機会があり、これを読もうと思っていたが、なかなか時間が取れず、またまた医者に行った待ち合いで読んだ。
非常に興味深い話だった。何処か異常でなければ、ここに書かれるような訴えをすることはないのではあるとしても、沢山建ち並ぶ家々のどこかで、人知れず妄想に悩まされて生きている人々が、屋根裏の誰かを憎みながらも時に親しみすらいだいたりしながら生きているという事実。
つい最近、他の本の感想を書いた折に、様々な家の中で実は起きているかもしれぬ興味深い事象を空想することがあると書いたけれども、そんな空想が行き着いた一種の到達点が、屋根裏に誰かがいるのです、という心理なのかもしれない、と思う。孤独や不安が、不意に見えない存在を立ち上げてしまうのだろう。
家の中に誰かが潜んでいる、という空想は、する分にはなかなかエキサイティングなものだけれども、信じ込むところに至ったら恐怖しかないが、不思議なことに見えない誰かが罪滅ぼしをするために、わりとどうでもいい親切をして行ったと話したり、もてなそうと思ったり、ということには驚くけれども、実在ではない誰かは、ひどい実害を及ぼさないし、作り出した友達のような部分も持ち合わせるのだろう。
一方で、幻の同居人だけでなく、実際に、家の中の誰かだけが知る、実態のある隠れて暮らす人の話も出てくる。認知症の方の話もある。
人間の心の中の不思議を面白く読んだ。
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題名に惹かれて購入した。統合失調症や痴呆になると、稀に幻の同居人が現れることがあるらしい。不安を口にしつつもなんだか馴れ合っているのは意外でした。屋根裏を題材にした小説なども紹介していたが、精神科医として経験した実例の内容が興味深かった。
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いつの頃からか読むようになった春日先生の本。最近は読み終わると、これでもう読まないかも、と思うんだけど、やっぱりまた読んでしまうんだよなあ。
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極めて閉鎖的でパーソナル空間である家はその人の精神世界の投影と言っても凡そ間違いではあるまい。
故に狂気は家から始まる事が多いという見解に得心がいった。筆者の解く狂気のプロセスと人々に共通する不気味・不審のイメージは確かに私の脳内にもあるものでもあって、条件さえ揃って仕舞えばいつ狂気の種が発芽してしまってもおかしくない。
読後今まで第三者目線で鑑賞していた狂気が急に身近なものに感じさせられた。
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会社の人からのおすすめで。思ったよりエッセイのような感じ。
精神に疾患のある人がよく言う屋根裏に誰かいるんですよ。をテーマに語られている。
実際にあった事件や昔の話まで(知的障害の兄弟を屋根裏に隠して過ごしている話など)興味深い話もあった。