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"粋で賢いお年寄りが大好きで、文庫化されるとすぐ入手しています。
しかし主人公がここまでのピンチに陥ったのはシリーズを通して初めてかもしれません。杉田比呂美さんの可愛いイラストに騙されました。
日常を少し外れただけの場所で垣間見た、暗く残酷な世界に背筋が寒くなりました。"
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紅雲町で和食器とコーヒー豆の小蔵屋を営むお草さん。
一度手放した筈の帯留めをまた手元に戻せることになったと、アンティークショップの海図から連絡が来て、お草さんは京都に向かう用事のついでに東京駅へと向かう。
海図の周辺で、怪しげな犯罪に関わる危ない男の息子であるユージンとの記憶。
土産の食べ物を渡す程度の関係だったが、少年だったユージンが、お草さんの幼くして亡くなった良一と重なった。
大人になったそのユージンが殺されたという話、自分が死んだらと頼まれていたこと、彼の店から二千万を運び、京都に向かう新幹線で出会ったキョウカとジュン。
室橋に追われる2人、キョウカは何者かに刺され、お草さんは残された少年のジュンを、京都に送り届けることになる。
紅雲町でニュースの情報からお草さんが何かに巻き込まれていると感じた、従業員の久美と恋人の一ノ瀬、常連の寺田。
贔屓している取引先に助けてもらいながらも、知らない土地で、自分の勇気づけるお草さん。
紅雲町に帰ろうと思うだけで、力が湧いてくるお草さんと、彼女を守ってくれる味方たちの存在。
ネタバレ。
新幹線の中で身の危険を感じたキョウカは事件を装って自らを刺す。
室橋の取引に使われている二千万を横取りして偽造パスポートを作り、ユージンは自分が死んだように見せかけ先に大阪に渡り、
ジュンが離さなかったキョウカのバッグに仕込まれたGPSを頼りに、迎えにくる。
室橋の異母兄弟たちは、偽造パスポートで自由の身を求めて海外へ。
良かったわ。
悲しい記憶もつらい記憶も、自分を勇気づけてくれる。
一人じゃない。
お草さんシリーズはどれも面白いけど、
おそらくシリーズ初の紅雲町を飛び出してのドキドキする話、面白かった。
この面白さを味わうには最初の方の話から読まないとならないなあ。
シリーズ史上一番だと思った。
そしてまだ最新刊がある楽しみまである。
これだから読書はやめられない。
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久しぶりに紅雲町シリーズを読みました。
サスペンスです。
裏社会で起こった出来事に首を突っ込んだ感じ?
高齢者の草さんにはかなり無理な設定かもしれません。
話が飛ぶし、読んでて振り回されている気がしました。
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前作までと毛色が違い、少し戸惑った。
シリーズ最終回なのかと思う程。
前作『月夜の羊』の終わり方にモヤモヤが残り、ひょっとしてこの作品にその後が描かれるのかと期待したのだが、それは見当違いだった。
その前作にも感じたが、お草さんのキャラがズレてきてるように感じる。今回は急に若返る感じというか。でも前作よりはいい。
裏社会からの脱却を図るユージンの計画に振り回され、一冊かけて逃亡劇が繰り広げられるのだが、少し無理がある設定がチラホラ。脳内で都合の良いように勝手に理由をつけて納得したフリをしているが。
それでもやはり今回もモヤモヤは残る。
モヤモヤの一つがジュンの携帯から勝手に掛けた電話。あれは結局何に繋がっているのだろう。(誰に、ではなく)
ジュンから何かしらの情報を得る為の布石、それだけだとしたら、その場面までの緊迫した状況からはちょっと考えられない軽率な行動に思え、思慮深いはずのお草さんがそうするかなぁ?と疑問。その迂闊な電話の為に更に窮地に立たされて…という展開になるならば、物語として納得するのだが。
取りあえず、もう一冊、このシリーズを読んでみようと思う。前作から続くモヤモヤも回収されるのを期待して。
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シリーズ10作目。一度手放した帯留が戻ってきたと連絡を受けたお草さんは、東京のアンティークショップへ向かう。そこで、旧知のバーの店主が殺された話を聞いて…
このシリーズだいたい不穏な感じだけど、今回はシリーズ1番かも。不穏というか、明らかに怖い。子供を連れて、最凶の男から逃げるお草さんにハラハラさせられた。まさか、お草さんがこんなことに巻き込まれるなんて予想外だった…