投稿元:
レビューを見る
二人の女性を殺害した男とその弁護を引き受ける事となった女弁護士の物語。
[誰を殺そうと自由]と言う供述と、送検される際満面の笑みでピースサインをした事で世間の注目を集める事件となる。
キャラが想像しやすく面白かった!
壮大な勘違いのような、そうせざるおえなかった思い込み、生きがいのような。
新作楽しみにしてます。
投稿元:
レビューを見る
読みやすい。構成がうまい。
これは誰の物語だったのだろう。
楠生は人間にもなってなかったのではないだろうか?楠生はクズ男にもなれないほど人間じゃなかったような気がする。
彼を作り上げた周りの人間のクズを集めて彼は彼になったのだろう。でもほんもののクズではない。ハリボテのクズ男だった。
だから、悲しくも切なくもない物語だった。
ただ団地の汚い一室の暗い部屋に一人で閉じ込められていた小さな男の子の影だけが、哀しく頭の隅に残ります。
投稿元:
レビューを見る
殺人事件の容疑者 小野宮楠生は、逮捕後に「誰を殺そうと俺の自由だろ」とコメント、送検される時は満面の笑みでピースサインをし、世間から「クズ男」と呼ばれた。
楠生は何故殺したのか、本当に殺したのか、その背景に何があるのか。
その切ない真実が、この作品の核なのだと思うが…
楠生に金を貢いでいた沢山の女たちや、弁護人となった宮原貴子、またその他にも登場する女性たちが、誰も彼も苦しみながら生きていて、でも、何故かどの女性も感じが悪い(ように描かれている?)。
そのように思ってしまったからか、楠生だけが純度の高い結晶で、周りの全ての人は濁っている(ように描かれている?)と感じました。
投稿元:
レビューを見る
一貫性のないつぎはぎのような性格。
笑顔でピースサインをする彼は、一体何を思っているのかー。
気になって読み進める。
人間は複雑。簡単に、わかるものではない。
弁護士の貴子自身、家族の関係に思うところがあるのに、家族神話に、はしりがち、冷静で7年間妹に会っていないという発言から、関係性が薄いと判断したり、それほど悲しんでいないと勝手に思っていたり。楠生を救う会の女性たちに対しても…。
楠生にしても、音信不通の関係性であっても、楠生を救う会の女性たちも、人付き合いが悪い人間であっても、見えている部分だけが彼らのすべてではないということ。
貴子は、何度も見えない部分に手を伸ばそうとするけれど…。
拘置所にいる楠生に助けを求める真美の行動、それに答える楠生。
楠生にとって、彼女はどんな存在だったのか、何故そこまで…?で一気読み。
投稿元:
レビューを見る
それぞれの悲しい親子や家族関係を抱える不幸な人たちばかり出てくる。だんだん答えが見えてくるけど、それぞれの胸に抱えたまま。
投稿元:
レビューを見る
ミステリー小説を読んでいると、動機にいまいち納得しきれないことが時々ある。
今回この『屑の結晶』は、途中までずーっともやもやしていたのが最後の最後で、ああそうだったのか…!と腑に落ちた。以前読んだ『あの日、君は何をした』でもまさにそんな体験をした。
それでスッキリしたかというとそんなことはなく。少し…いや、かなり切ない。というか辛い。納得したけど複雑な気持ちになった。
イヤミスともまた違うのかな。
次回作が待ち遠しい。
投稿元:
レビューを見る
Amazonの紹介より
女性二人を殺したとして逮捕された小野宮楠生。逮捕後「誰を殺そうと俺の自由だろ」と開き直る供述をし、身柄送検時には報道陣にピースサインをして大騒動となった。この「小野宮楠生を救う会」から依頼され弁護を
引き受けることになった宮原貴子は、小野宮と接しているうちに独特の違和感を覚える。違和感の根源は何か、そして、小野宮は女性二人を殺した真犯人なのか――。
こういったストーリーを読んでいると、
絶対何か裏がある。
もしかして犯人ではない!?別にいる?
と予想してしまうのですが、やはり様々な事情が絡まっていました。
読了後、犯人に対する印象がだいぶ変わりました。最初は余裕のある「顔」を見せていて、良い印象がなかったのですが、段々と真相がわかるにつれて、犯人が抱えている心の闇に納得感があったと共にやるせない気持ちにもなりました。
被害者側の視点も登場するので、結果的に全体的な真相がわかるのは、読み手側だけです。事件の裏側に潜む読み手にしかわからない本当の真相に複雑な気持ちでいっぱいになりました。
それにしても、登場人物達の裏の顔といいましょうか、憎悪や妬みなどといった心理描写がとてもよく表現されているなと思いました。
理解に苦しむところもありましたが、如実にそれぞれの人物から滲み出てくる感情が表現されていて、読み手としても心を動かされました。
まぁ「屑」が多かったです。
まさきさんの作品は、あっと驚く展開と伏線回収が凄いイメージなのですが、この作品でも健在でした。
バラバラだと思っていた要素が、次第に一つの線となって繋がれていく過程は面白いと同時にちょっとした爽快感もありました。
犯人の笑顔に隠された真相。なかなかハードな真相でしたが、なぜこのようなことが起きてしまったのか?背景にあるのは、歪んだ愛情かなと思いました。
どうすれば良い方向に導けるのか?
色んな意味で考えさせられたなと思いました。
投稿元:
レビューを見る
主人公の弁護士さんと一緒にモヤモヤしながら読み進めました。徐々に真実がわかる感じが面白かったです。
しかし、、、家庭環境が及ぼす影響って大きいなと考えさせられた。明らかに不幸な生い立ちの楠生だが、先に殺人を犯したのは、一見幸せそうに生きていた真美。真美の親も、実はいわゆる毒親。
最悪な結末だけれど、少しでも希望が見えて欲しいと強く願うラストでした。
投稿元:
レビューを見る
既に捕らえられ、犯行も認めている犯人。なのに違和感と何故?が次々と出てきて何が真実なのかの糸口が掴めない。迷路の中を迷い込んでいる気分でした。
結局、ほとんどが誰もかれもクズだらけだったように思わないでもない。その中で確かに純粋なものはあったけれど、角度によって見え方が変わり影が出来てしまったような、光は閉ざされてしまったのだと思い込んでしまったようなやるせなさ。
そこから絡みもつれ、修復出来ない着地になってしまった真実は、どうにもこうにも複雑な感情が残る。
表立った男女の恋愛の裏側に、それぞれの親の歪さ、そんな親を持つ子たる者達の心情、読んでいてリアルに痛く重い。
いくつもの謎が繋がっていき、最後まで残っていたピースが埋められた時、言葉にならないものが残る。真相を知っても、彼は変わらず事を起こしたのかな…そんな詮無い事を思ってしまう。
投稿元:
レビューを見る
帯の最後に流れる涙が止まらない!に惹かれて購入してみました。
結果泣きはしなかったし、さほど感動もしなかった。
クズ男の行為は非道に思えても、純粋な思い、愛がそこにあったからこそ、どこか尊い行いにも見える。屑と片付けるには違う感じ。見返りを求めない一方的な愛だからこそよりピュアで美しいのかもしれないけど、相思相愛な展開を希望していたのでこの評価。
投稿元:
レビューを見る
切ない物語
やっぱりまさきとしかさん、
裏切りません!
メインのキャスト全てが
漏れなくみんな主人公!!
って感じが良かった
なんかそれぞれの思考や行動が真っ当で
少しのボタンのかけ違いでこんなに悲しくなるんだ…
みたいな
映画とか映像化しても面白そう
伏線回収的な面白さは
あの日君は…
だけど、感情が揺さぶられるのは
私はこっちだったなぁ
なのでどっちも好き
まさきとしかさん好き!!
投稿元:
レビューを見る
やっぱり「まさきとしか作品」
序章で抱いた印象から一転。最後は切ない?悲しい?虚しい?感じが残る。
自分の「存在する」価値はなにか
自分の「生きる」価値はなにか
それぞれ登場人物が「自分の価値」についての問題を抱えて生きてる。
投稿元:
レビューを見る
楠男にとっては最初も最後も彼女への感謝の気持ちを持ったままだったというのは少し感情を揺さぶられた。
話の終盤は楠男取った行動の意味を考えさせる話だった。
投稿元:
レビューを見る
同作者の「あの日、君は何をした」「彼女が最後に見たものは」が面白かったので気になり手にしてみた
前述二作品と同じように心を動かすのが上手い作者だなと感じた
真犯人は何となくわかったが、ぶっちゃけこの作品は犯人どうこうより、そこまでに至るまでの経緯、動機に注目してもらいたい
個人的には七章からが面白いと感じた
楠生の不遇な境遇と純真さがあった上での誰も救われないストーリーには心に残る作品であった
投稿元:
レビューを見る
メインになる登場人物みんなうまく掘り下げられているから語り出すと長くなってしまいそう。
貴子の弟が過去に自殺したという設定がより一層物語を切なくさせているように感じだ。
登場人物みんな、とても多面的で奥が深い。
普段テレビや新聞で報道されて適当に聞き流している事件にもこんなふうにさまざまな事情が絡み合っているのかもと思わされた。
楠生にとって真美は全てだったけど真美にとってはそうじゃなかったのが切ない。
でも楠生は見返りなど求めていなかったからそれで良かったのに、あまりにもやりきれない結末。
楠生も貴子も死ぬまでに少しでも笑える出来事があったらいいのにと願わずにいられなかった。