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投稿者:Goo - この投稿者のレビュー一覧を見る
「牛の首」という話がどれだけ恐ろしいのか想像がかきたてられる
世にも奇妙な15話
2022/11/26 14:45
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
心霊、妖怪、SFホラー、ファンタジーなど様々な物語が楽しめる短編集。特に「飢えた宇宙」「夢からの脱走」は身の毛もよだつ傑作。ただ表題作の「牛の首」はプロローグ的なショートストーリーなので最初に持ってくるべきだと思う
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“恐ろしくてとても口には出来ない”伝説の怪談「牛の首」他、恐怖と幻想の色濃い15編を収録。
「SFならあらゆる表現が可能」と考えていた著者とあってか、宇宙が舞台の「十一人」「飢えた宇宙」は勿論のこと、収録作の殆んどがSF色が強い。他作家の作品、特に昨今なら現象だけを描写して説明を加えないような不条理な展開でも何かしらの説明なり解釈を加える(但しそれらもトンデモ系なのだが)のもこの作家の味というところか。ちょくちょく艶系な描写が混じってくるのは、収録作が執筆された昭和40年代頃、この手のSF系小説(&発表媒体)の主な読者層が成人男性だったが故の読者サービス、なのかな。
◆印象に残った作品
・朝目覚めた時に自分が死んでいたことを知った初老男の困惑「安置所の碁打ち」はある意味、知らぬ間にゾンビとなってしまった者の悲哀を描いたとも言えるか。
・宇宙船内で乗組員が1人ずつ消えて行く、SFホラーではお馴染みのモチーフ「飢えた宇宙」は、あのモンスターを登場させて“合理的謎解き”にしてしまう力技(悲惨なオチもそこに繋がる)が何とも良い。
・朝、門柱の上に乗った猫の生首というショッキングな描写で始まる「猫の首」。徐々に露わになるディストピアの姿。ちなみに表題作とは何の繋がりもない。
・「牛の首」恐ろしくてとても内容を記すことが出来ない。
・隣室の冴えない青年と同棲し始めたという和風美女「ハイネックの女」。こちらは日本のあの妖怪を昭和の都会に引っ張り出した。
・真冬の寒村の空き地に現れた“窓”に映る熱帯の砂浜と海と真夏の空……「空飛ぶ窓」は不条理で恐ろしいながらもどこか物悲しい。時空に影響を及ぼすほどの個人の強い思い(憧れや怨み)というのも小松作品で度々用いられる。
・道に迷い車も故障した男は廃村のある空き家で暖を取ろうとする「葎生(むぐらふ)の宿」は、“迷い家”テーマかあるいは「浅茅が宿」系のしんみりした話と思いきや、クライマックス前の展開は唖然として爆笑しそうになる……結末まで読めば確かにしんみりするのだが。
・自宅の地下室に穴が開いたと語る同僚。しかも穴は成長し増殖していた(「生きている穴」)。四次元空間に繋がっているような謎の穴。その出現理由を語り手の言葉で一応の解釈は語られているものの、その真相は不明なまま。建物のみならず人や空間にも穴が開いていく様はグロテスクながらなにかシュール。「霧が晴れた時」「夜が明けたら」の系統に連なる作品。
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本屋で見つけた大好きな小松左京のホラー短編第二弾
今作も読みやすい…読みやすい…
表題作のブラックジョーク感が本当にツボで大好きすぎる
そのほか「ハイネックの女」の題も含めて完璧さ
猫の首、黒いクレカ、空飛ぶ窓、夢からの脱走等々好きな話が沢山。
SFめいた謎ホラー、大好物。
この「恐怖小説集シリーズ」もっと増やして欲しい
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恐怖小説と銘打ちながら、結構SF寄りというか、ほぼSFです。共に行間から世界観を立ち昇らせ、読者の想像力を100%喚起することに心血を注ぐ、SFとホラーという両ジャンルの親和性の高さを見せつける短編集です。
1960〜70年代に発表された古い作品ばかりですが、今読んでも本質的に古びていないのがさすが。
どの作品も、不条理極まりない展開をしつつ、最後にちゃんと理屈をつけているのが、SFテイストを感じさせる1番の要因だと思います。まぁ、その理屈自体がとんでもない作品も多いんですけど(笑)この振れ幅の広さこそ、まさにSF。
鴨のお気に入りは、「怨霊の国」「飢えた宇宙」「葎生の宿」。「怨霊の国」は、ホラー風味を前面に出しつつも、物語の骨格に「ゴルディアスの結び目」と同様の問題意識が貫かれています。「飢えた宇宙」は、宇宙×SF×吸血鬼というぶっ飛んだ三題噺ながら、最終的には「あー、なるほど・・・」と納得してしまうこの力技よヽ( ´ー`)ノ「葎生の宿」は、とてもリリカルでセンチメンタルな結末なのですが、そこに至るまでの展開が破壊力あり過ぎて、最後の詩情がどこかに吹っ飛んでしまう、という(笑)いろんな意味で、SF者にこそ読んでほしい作品集ですし、ジャンル関係なく「面白い本が読みたい!」という読書子にも、ぜひオススメです!
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小松左京さんのホラー短編小説集。収録作の発表年は1964(昭和39)年から1974(昭和49)年。
全体的にレベルが高く、作者の力量はやはり確かなものと思われる。さすが小松さんだけあって、SF的な物語も幾らかあるが、そうでないホラー小説もある。もっとも、じめじめと湿ったような、暗い日本的幽霊話とは何となく雰囲気が異なっており、先日読んだ遠藤周作さんの怪奇小説集とは明らかに感触が違う。もうちょっとクールさがあり、物語に対する作者の距離感が維持されて、そこに個性があるのかもしれない。
出来が良いので楽しい作品集だった。
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小松左京のホラー短編集。表題作の「牛の首」は名作というが僕には疑問だった。「安置所の碁打ち」は生きているということと死ぬということを考えさせられる。「十一人」「飢えた宇宙」は宇宙を舞台にしたSF色の強い読み物。「猫の首」「黒いクレジットカード」「空飛ぶ窓」「ハイネックの女」はそれぞれ毛色の違う現代ホラーに風刺を差し込んだようなストーリーで良かった。空間の捉え方がSF的で小松左京らしいと思う。
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小松左京文学忌 1931.1.28〜2011.7.26
沈没忌 良い文学忌名だあ。
日本沈没!復活の日‼︎ 名作多いです。
「日本以外全部沈没」は、筒井康隆氏です。大丈夫なのこれ?と心配してましたが、小松左京氏の許可は取っていたそうです。日本以外が沈没して、日本がぎゅうぎゅうになっていく話ですよ。
厳選恐怖小説集。短編16編。都市伝説「牛の首」を活字で読みたくて、今回はこの作品集を。
ほんと、この話を知ってしまうと生命の危機が。誰も知らないほどの恐ろしさです。誰も知らない実体のない恐怖ですね。
他は、文豪ホラーというより、世にも奇妙な物語風昭和的な怪談。
「安置所の碁打ち」
心臓が止まって、死んだのに身体が動く男。家族も医者も本人も困る。親戚は怒る。居場所がなくなって、病院の安置所で碁を打ち続ける。
これは、ホラー仕立てだけど、読みようによっては、仕事だけして、家庭を顧みなかった頃の父親の家庭内存在感みたいな感じにも。
そんなに怖くない恐怖小説集。
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「現実だと思ったものが、いつのまにか悪夢にすりかわる。悪夢がいつのまにか、かけがえのない現実になっちまう……二十の青年にとって、老残の七十代は悪夢だ。七十の老人にとっちゃ、二十代の自分は一片の悪夢にすぎないだろうさ」
2022/11/13読了
引用は『夢からの脱走』から。平時と戦時との2つの並行世界の狭間に落ちてしまった主人公だが、本当の現実はどちらだったのだろうか? 『霧が晴れた時』内の『召集令状』とも共通するが、戦後の平和は、ひょっとしたら幻なのかもしれないという、作者の恐れが透けて見えた気がした。
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めちゃめちゃおもしろい!!
レベルの高い短編集やで(*゚∀゚*)!!
好きだわ〜♡
小松左京さんはSF作家らしい。
なるほど、ホラー以外の短編も収録されている訳だ。
どこかで聞いた事ある展開の話も、結末が予測できない。
すごい。
ショートショートが特に良い。
天才だ߹ㅁ߹)♡
【ツウ・ペア】
夜帰宅すると、いつの間に畳の上で眠ってしまっていた。
目が覚めると、手やシャツが血だらけに。
洗い流しても傷口は見当たらず、手の甲に身に覚えのないみみず腫れが——。
タイトル秀逸。
幽霊モノのホラーと侮れない。
この現象の意味とは?
面白い(≧∀≦)!!
【安置所の碁打ち】
眼が覚めると、いやな気分で、何をしてもふわふわと地に足がつかない状態だった。
朝食を食べても味がはっきりしない。
妻は、顔色の悪い主人を見て医師を呼ぶ。
診察をした結果——。
テンポよく話が進み、主人公の身に起きた事がさほど重要でないかの様な展開が好き。
現実逃避のようにパチンパチンと囲碁を打ちながら平穏に生活していくシュールな空気感が、続きを読みたいような、ここで終わらせたいような感覚にさせる。
【十一人】
三重太陽が浮かぶとある星にいる調査隊員10名を置いて飛び立つ宇宙船。
ここから5年間、残された10名は地球との連絡を途絶え暮らす。
正体不明の生物がいた報告を受けた調査員達だが——。
どこかで聞いたことのあるタイトルと設定。
掌編でキャラも良く、スッキリまとまり、面白い。
【怨霊の国】
神経科の田村の元に、天野きみ子という美しい女性が受診してくる。
彼女にアミタール・インタビュー(自白剤を用いて話を聞く)をすると、恐ろしい事実を知る事となる。
ポルターガイスト現象は如何にして起こるのか。
あちら側の世界とこちら側の世界の話。
霊界と言ってしまうと安っぽく聞こえるが、この話では太古から言い伝えられてきた神や精霊の存在の話から、外国で起こる説明不可能な事象を例に上げ、不気味な描写で描かれている。
精霊かぁ…。
特定の人には日常的に視えているのかな。
【飢えた宇宙《そら》】
宇宙船の乗組員達が1人ずつ姿を消し、残されたのは僕とマリアの2人だった。
食料のない中、2人は地球へ帰り着く事もアルファ・ケンタウリへ到着する事もできない。
絶望の中、2人は他の乗組員の捜索を続ける。
これは…(^▽^;)
斬新すぎて、絶句した笑笑
飢えた宇宙のタイトルが深いぜ⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
個人的には好き。
ラスト素晴らしい(〃´-`〃)♡
【白い部屋】
目を覚ますと、まっ四角な天井の高い部屋に寝ていた。
彼女は、ここがどこだかわからない。
隣には男が寝ている。
懐かしいが、何も思い出せない。
これは…この解釈は、私の想像通りで合っているだろうか…(^▽^;)
意味深な描写に戸惑うわ。
【猫の首】
朝、妻が朝刊を取りに外へ出ると、門柱の上に、猫の生首が乗っていた…。
これはネコ好きにはキツい話。
でも、意外な展開でおもしろかった!!
これは予想外(°д° )!!
【黒いクレジット・カード】
ある朝、安アパートを出た所で偶然カードを拾う。
よく見ると『SLMクレジット・ピューロー』と書かれた黒いクレジット・カードだった。
まだ日本ではアメリカほどカードが浸透していない頃の話。
そのカードには署名がされていなかった—。
世にも奇妙な物語風のあるあるな話——。かと思いきや…(-∀-`; )
これまた予想外の結末笑笑
信用《クレジット》。
これまた深いわ♡
【空飛ぶ窓】
雪の降る地方に住む小学3年生の娘の帰宅が遅いと心配していた母。
娘は帰ってくると「下校途中の原っぱに窓が浮いていた」という。
次の日娘は、父親に椰子の実を渡す。
娘は、窓の向こう側から取ってきたと言った——。
おもしろい!!
すごい想像力…♡⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
【牛の首】
やばい…
こんな怖い話、聞いた事ない……:(´ºωº`):
【ハイネックの女】
妻と別れたばかりの片岡は、隣に住む吉田に同棲を始めたばかりという美しい女を紹介される。
冴えない吉田にこんな美しい彼女ができるなんてと嫉妬する。
ハイネックばかり着ているその女には何か秘密があるに違いないと訝しむ。
隣人は何してるか分からないから怖い…。
よく考えると……違う意味でもホラーになる話。
【夢からの脱走】
うなされて目覚めると、妻と子のいる家だった。
子供が急に発熱し、救急車を呼ぼうとする。
次に意識が戻ると、戦争の真っ只中だった——。
3つの世界を行き来する主人公の話。
これ、めちゃめちゃおもしろい!
現状に抗う主人公の精神世界では何が起こっているのか、誰も知り得ないよね。
【沼】
故郷の山の深い森の途中に、沼がある。
幼少期の古い記憶が蘇る。
祖母が死んで帰郷した信三は、幼時の記憶を辿りながら実家へと向かっていた。
これ怖い…衝撃(༎ຶ⌑༎ຶ)!!
小松左京さん…短くインパクトある短編にハマりそうだぁ߹ㅁ߹)♡
【葎生《むぐらふ》の宿】
山中を抜けようと道に迷った男。
車が故障し、車中で朝を待つ事に。
寒くてたまらず、近くの茅葺の民家で暖をとる事に。
誰も住んでいないと思ったその家は——。
不気味な話。
三津田信三の家シリーズの怪異を物理的にパワーアップさせた感じ…(-_-;)
こわいわ。
【生きている穴】
友人の小島の様子がおかしい。
問いただすと「見たほうが早い」と言われ、彼の家へ行く事に。
階段を降りて下の階へ行くと、そこには『穴』が開いていた——。
これもまた…もの��ごくいい!!⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
大好きだわ、この話!
小島も、含みすぎやろって突っ込みたくなるような返しがたまらない(*´艸`)♡
面白すぎたので『霧が晴れた時』も購入しました!
収録の『くだんのはは』が読みたい!!
楽しみヽ(´▽`)ノ
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なんてこった…こ、こんな…怖い話は聞いた事が
……ないッッ!!!(°∀°)ヒィィィィ
本作のタイトルにもなっている
表題作『牛の首』の話がヤバい!!
小松左京先生…恐るべしッッ!!ヒィィィΣ(๑꒪⃙⃚᷄ꑣ꒪⃚⃙᷅๑۶)۶
ホラーな内容なのだが、SF作家というだけあって
ホラーSFを織り交ぜている短編集になっていました。
怖いと言うより奇妙な話感が強かったかなと…
しかし内容はかなり面白い!
すごいの一言!⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
では内容に軽く触れていこうと思う。
『ツウ・ペア』
中々理不尽な因果…(; ・`д・´)ゴクリンコ
『安置所の碁打ち』
自分!朝起きたら死んでました!どうしよう!
とりあえず碁打つか…꜀( ˙꒳˙ ꜀)ウム
『十一人』
ある惑星で置いてけぼりをくらった。人々
しかしそこは正体不明ノ危険ノ兆候アリ……。
とりあえず!かんペエ〜( ^-^)/U☆U\(^-^ ) カンパイ
『怨霊の国』
ある世界とある世界の純愛ラブストーリー( ´͈ ᵕ `͈ )♡
『飢えた宇宙』
その宇宙船から次々と人が消えていく…
そこにはある陰謀が!!ヒィィィΣ(๑꒪⃙⃚᷄ꑣ꒪⃚⃙᷅๑۶)۶
『白い部屋』
ある精神疾患患者の記録꜀( ˙꒳˙ ꜀)ウム
『猫の首』
怖い…怖い…トムとジェリー(; ・`д・´)ゴクリンコ
『黒いクレジット・カード』
限度額無制限!!ヒャホー!!(ノ≧ロ)ノ$カネモチ!
『空飛ぶ窓』
どーーこーーでーーもーーマーード!!
((̵̵́ ̆͒͟˚̩̭ ̆͒)̵̵̀)⸝o̗
『牛の首』
…こ、こんな、こ、怖い話…聞いた事ない…(°∀°)ヒィィィィ
『ハイネックの女』
まじか…UFO研究家の韮崎さんと同じ事言ってる
あながち、あの説は正しいのかもしれない。
( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン
『 夢からの脱走』
これは現実?夢?どっちなんだい!!
これはちょっと怖いな……( ・᷄-・᷅ )
『沼』
イヤミスッッ!!(¯―¯٥)
『葎生の宿』
三津田信三先生の迷家を超強化した感じ
ウケたwww。゚(゚ノ∀`゚)゚。アヒャヒャ
『生きている穴』
穴が…生きていた…壮大だ…⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
まぁ〜なんとも奇妙な〜話のオンパレード
SF作家ならではのホラー小説でした
引き続き前作『霧が晴れた時』を読む事にした
僕でした……読んで無かったんかい!!
(๑ ᵒ̴̶̷᷄ټ ᵒ̴̶̷᷄)ヘヘッ
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小松左京は私の世代だともう古典としてお馴染みすぎというか、読んだことがないのに聞いたことがあるとか、発想の斬新さとかとかは最早ないんだけど、尚更まともに読む機会がなくなってしまうので読んで良かった。でも夢からの脱出はやばかった。同時存在しているのかよ。
あと牛の首はネットミームみたいなものなのね。鮫島事件とかもあったなあ。
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ホラー短編集。かの有名な「牛の首」が収録されているのですが、それ以外にも名作盛りだくさんです。じわじわホラーあり激しいホラーありSFホラーあり。とことん楽しめました。
お気に入りは「猫の首」。これ、猫好きからすると酷い話……と思いきや、実はとんでもなく猫愛に溢れまくった作品だったのです。ホラーとしては激しいのだけれど、うるっと来てしまいました。こんな時代が現実になりませんように。
「葎生の宿」は、山で迷った主人公が遭遇した怪異を描いた、じわじわとしたホラー……と思いきや、山から追ってくるものの描写で目が点になりました。ちょっと待て、まさかそんなのってあり? しかもけた外れにシュールな展開ながら、ラストだけしんみりと落としてくるの。とんでもなさすぎる作品でした。
いちばん恐ろしいと思えたのは「夢からの脱走」。戦場にいる自分と平和な生活を送っている自分のどちらが現実なのか。しかしどちらが現実でも恐ろしいのだという救いようのない物語が、さらに救いようのないことに……本当にこれは嫌だ。
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SFホラー。表紙が好み。
今読めば王道感があるが、60年前に書かれたもので、王道を作り上げていった側なんだなあとしみじみすごさを感じてしまった。
次は有名な「くだんのはは」も手に取りたい。
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恐怖小説集とあるけど、SF感が強めな気がする。
ホラー色が強くはじまったのに途中からSF色が強くなる話が多くて、私はそういう展開はあまりハマらなかった。
一番怖いなぁと思ったのは「生きている穴」。
宇宙のような底がなく暗くてだだっ広い場所というのを想像すると私は怖くなるタイプなので、読んでて一番ゾワゾワした。
「牛の首」は有名な話だけど、改めて読めてよかった。
掌編なのであっという間に読める。
一番私好みだったのは「沼」。
読後とにかく嫌な気持ちになる。