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相変わらず「そいつ、世に出して大丈夫かよ……」みたいな怪奇が面前に飛び込んでくる、そんな8巻である。
今回のバイトは4種、
・工場作業員
・ベビーシッター
・雪まつりスタッフ
・特殊清掃員
といったバイトを経験している。
工場作業員では他の裏バイターとも交流し、他のエピソードにも絡んでくる展開が見られている。
その辺は前巻からの反省を踏まえた「基本に立ち返る」姿勢から来たものであるようだ。
どれも違った角度のおぞましさであり、良い意味で気持ち悪い思いをさせて頂いた。
裏バイトには毎度毎度、期待した通り(あるいはそれ以上に)気持ち悪くしてもらえて、大変喜ばしい。
気持ち悪い、後味の悪い思いをしたくて読んで、その通りの読後感を得られるのだから、本当に得難い作品だろう。
それで大丈夫かよ、また天使さん時間巻き戻すんじゃね感が凄い「工場作業員」。
相変わらず食い詰めたオッサンにやたら厳しい作者の姿勢が窺われる「ベビーシッター」。
社会全般にオープンにこんなこと起こって大丈夫なの?と思わざるを得ない「雪まつりスタッフ」。
後味の悪さが酷く、意味不明のまま終わる、実に裏バイトらしい「特殊清掃員」。
全編、楽しませていただいた。
インパクト的にはやや薄いかもだが、じわじわと気持ち悪く、良い読書時間を味わわせていただけた。
今回も星五つで評価したい。
……いや、りんごちゃんを抱きかかえるハマちゃんのシーンを忘れていた。申し訳ない。
あのシーンは絵があの通りおぞましいのに、どこか痛切に響く哀感と救いの色があった。
あのシーンを合わせて、星六つで評価したい巻である。