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お試し増量版。
お話は主にヒロインの一人称で語られるのだが、ヒーローの一人称のパートも含まれていた。というか、先にヒロインの一人称のパートを、続いて同じ場面をヒーローの一人称で記述というふうに。この形式、私は退屈で読むのが鬱陶しい。
ヒロインの一人称部分は、当然だがヒロインからみた状況とヒロインの思考が叙述される。そのヒロインの思考が何とも幼い。読む側の私としてはヒロインに魅力を感じない。
ストーリーの要である"性経験がない小説家(ヒロイン)がRシーンを書けないので身をもって体験しようとする"という行動そのものが疑問だ。経済小説とか政治小説、警察小説、法曹小説、医学小説、スポーツ小説など、作家さんが元あるいは現役の業界人である場合もあるが、そうでない作者さんの方が圧倒的に多く、皆さん資料をあたったり話を聞いたり調査して書いてるはずだ。本作主人公は体験しようと奮闘するが、では、殺人犯が主人公なら人殺しをしてみるのか?という話だ。本作は根本から変、というかヒロインの思考がプロ作家として変だ。
もっともこの題材のTL小説はすでに何作か読んでいるから、一種のテンプレなのは知っている。本作がテンプレのまま話が進行しているところに面白みを感じる余地がないのだ。
作者さんは他に著作はあるのかしらと大手ネット書店で見てみたら、けっこうある。その中の1冊に対するコメントに「高校の同級生が遊びで書いた小説みたい」という表現があった。上手いこと言うなぁ。
というわけで、今後本作続きを読む可能性は低い。