ティシャツのコード
2023/01/12 21:26
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう事件の始まりがあるんだ、と、思いました。コードねえ……。それと、主人公のジャクソンが、ちょっと変わっていて……日本の小説で、こういう主人公の登場するミステリーは、あまり無かったような気がします。
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ハーフ(今はダブルというらしい)の中でもおそらく珍しいブラックミックスの話。
ただでさえ物珍しくいじられるのにブラックミックスはテンプレ通りにしか見てもらえない。
マイノリティから何気なく言われたことにすら「押し付けられる」ことの辛さを感じました。
結局ガワしか印象に残っていないのは読んでいる私もだなと読み終わって思いました。
結局ココア色をした目のキレイな「ひとり」しか覚えてない。
その中に4人はいない。
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最近、大テーマとして差別や偏見を扱う作品が多い。関心がそうだから。
なぜ関心が多いのかと考えると、みんな思うことや感じることが違うから。
そう意味でおもしろい小説だった。
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ブラックミックスという言葉を初めて知った。
僕の古い考えというか、今までハーフという言葉を使っていたけど、今は差別用語に当てはまるので、使ってはいけないという風潮が生まれた。でも、
何が差別で差別じゃないか混沌していて、一番は受けとった当事者じゃないと分からない問題だと感じたし、マイノリティーが生きづらい世の中を産むのが良くないと思う。今作では、4人のブラックミックスの人たちが、ロンティーに刻まれたQRコードからリベンジポルノ動画が流出して、自分たちに似た男性だったので、自分たちと間違ってしまうおそれがあるので、誰が流したのか?何のために流したのか?犯人探し、復讐していく話なのだが、読み終わって感じたのが、人の先入観の恐ろしさです。
全部イコールにしてしまうことです。本作では、黒人=ゲイたどか、勝手にそういった考えを持つことです。中々マイノリティには優しくなれない世の中だとあらためて感じたし、心の生きづらさを上手く描いた作品だったと感じました。第59回文藝賞受賞作。
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ブラックミックスでゲイの青年ジャクソンが、仕掛けられた罠によって自らの性行為動画をネットに流出されてしまう。似たような状況に陥った4人の男たちが、その容姿を逆手に取って復讐するという物語。
日本において黒人混血という存在が好奇や差別の対象にならないはずはなく、作者自身の体験も反映されているのではないかと想像する。大藪春彦ばりの復讐譚になってもおかしくないところ、実にスマートに処理されていて好感をもった。
ただ、文章が未整理と思える箇所がいくつかあり、少し読みにくく感じた(←偉そうだが)。
第59回文藝賞受賞作。
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黒人とのミックス、ゲイというだけで日本では生きにくそうだ。リベンジポルノの様な映像が流れ、ジャクソンは犯人探しをする。知り合った3人で組んでの入れ替わり作戦による反撃、ストーリーも奇抜で面白いがマイノリティーの揺れ動く心理描写がすごい。ラストには驚いたが黒塗りの日本人は何だったの。
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ジャクソンひとり
著作者:安堂ホセ
発行者:河出書房新社
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
facecollabo home Booklog
https://facecollabo.jimdofree.com/
「ジャクソンひとり」で第59回文藝賞を受賞しデビュー。
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個人的にLGBTに関係する話は少し苦手。
芥川賞候補作だったから読んだけど、過激なシーンもありやっぱり苦手だった。
内容について、誰目線で語られているかとても分かりにくい。
でも、それは意図した書き方でありそう。
何にしても誰がどうとか、こうだからこういう人であろうなど、先入観がある。
そう言った内容を考えさせられるような書き方だった。
それを差し引いても読みにくく好みではなかった。
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黒人と日本人のハーフでゲイのジャクソン。正直なところ作品の良さが分からなかった。読書中は体調が悪かったことも影響してなのか、物語が頭の中に入ってこなかった。日本でのマイノリティの中のマイノリティであるジャクソンの目線から、その世界の孤独なさまを表現しているのだろうか。切り口は良いのだけど、もう少し読みやすければ心に残る作品になったに違いない。
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着眼点はとても面白い。
純文でブラックミックスが主人公など聞いたこともなかった。その上日本人が黒人を判別できないという人種的思想の特徴、日本に蔓延る潜在的な人種意識。そういったものを小説として描いていることは面白かった。
ただ、描写不足がなんとも気になる。キャラクターの書き替えや行動、シーンの見せ方があまりしっくりこずそこまで作品に没入できなかった。痒いところに届かない。まぁビューティフルからビューティフルへを読んだ直後に読んでしまったからかもしれないが。
しかし、視点の面白さはやはり間違いない。次作を楽しみにしている。
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ブラックミックスに対する差別と偏見と先入観とミステリの渦の中にぶっ込まれました
登場人物たちはそれぞれがブラックミックスとはいえ個人、特徴を整理しながら読み進めるのですが…入れ替わり作戦が進んでいくうちに、誰が喋ってるのか、誰のエピソードなのかわからなくなる!
入れ替わり作戦における復讐対象と同じような混乱を文章を通して自分も体験できます。
単に読みにくい文章というわけではなく、作者が意図して分かりづらくしているのでしょう
読み終わって、「こっちの世界を勝手に理解できるとか思ってんじゃねーよ」って誰かから言われたような気がしました。
小説に対して、自分は読み手で、冷静で、第三者で、その世界から隔絶された存在だから当然文章を丁寧に読めば内容を理解出来るはずだと思い上がってたんじゃないか?
じゃあマイノリティに対しては?自分はよく見る差別的な人間とは違う、冷静な第三者の目を持った人間だって思い上がってたんじゃないか?
何だかレビューを見ると評価低めですね。確かに最後バタバタして急に置いてきぼりにされちゃいましたが……
私は読後感が良いとか悪いとかそういう問題じゃない、言語化できない感覚になる小説が好きなので、星5で大満足です
またこの作者さんの新刊が出たら買いたいな
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ジャクソンから始まり、話が進む中で一人ずつ増えていくブラックミックスの登場人物。
ジャクソン、イブキ、エックス、ジェリン、アダム、、、
私も、小説の中の日本人同様に、彼らをこの小説の表紙に描かれたイラストのイメージ(坊主に近い短髪で、痩せていて、唇はぽってりしていて)でしか、脳内でイメージ出来ていないという事実に読みながら気づく。読み進めていくと、みんな全然違うのに。
その事情を利用して、彼らが企てる復讐劇は、絶対に解決しないという諦めも内包していて、「気分は甘苦く濁った」のだった。
ロクサーヌ・ゲイの「バッド・フェミニスト」を読んだとき、作者の両親はハイチからアメリカの移民であり、つまりゲイは褐色の肌であるということを読みながら知り、脳内では何故か勝手に白人女性が思い描かれていたので、自分の決めつけにうんざりとしたのをこれを読んで思い出した。
アフリカンアメリカン、ブラックミックス、黒人、褐色の。。
なんて呼べばいい?白人は白人と呼ばれていやじゃないのかな。日本人は?黄色人種って呼ばれたら何となく居心地悪いのかな?
様々な決めつけや前提、個人ではなく種としての。
そういえばこの前見たTVでジャック・アタリ氏が、未来の食糧難に対し特に「日本人」に向けて、
「牛肉を食べないで、虫や雑草を食べるといい」なんて言ってて、「種」として見られるってこんな気分なのかなと想像した。気候変動とかの話が入るからまたちょっと違うんだけども。
こんなふうに、読みながら周りの風景やこれまでの考え方が違って見えてくる小説でありながら、ミステリ要素エンタメ要素もあり会話中心のカラッとした読み心地なのに、引き込まれる瞬間、映像でグッと見せる瞬間が随所にあって、面白い。
面白い小説である事をキッチリクリアした上での、前述のような読者への問題提起(それは受け取り方次第だけど)をサラッとのせる感じがすごくて、格好いい。
「差別」という大き過ぎる問題を、こんなふうに書いた本はなかなかないんじゃないかな。
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芥川賞候補作
アフリカのどこかと日本人のハーフで、昔モデルをやっていてゲイらしいマッサージ師、ジャクソン。
彼がたまたま着ていたTシャツに印刷されたQRコードがリンクされていた映像とは....
その映像をキーにたまたま出会うほぼ外見の同じ(とみなされる?)3人+1人の若者たちの生態。
ほぼ同じような経歴を持つ作者が描写するその生態は、かなり生々しい。
その生々しさは伝わってくるんだが、体言止めのような小説の終わりは、生々しい継続に続く。
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途中は面白かったけど、最後よくわからなくなってきて「え? どういうこと?」って思ってるまま終わった。
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初めて読むテイストの作品だった。
偏見や差別を扱っていながら、さらりと読めてしまうので戸惑う。
自分に似た別の男の動画をきっかけに4人のブラックミックスが集結する。
彼らの考えた復讐劇は痛快で鮮やか。
だけどそこに至るまでの経緯を知ると、何故だか後ろめたい気持ちになる。