投稿元:
レビューを見る
とにかく読みやすい。
章立ても項目立ても細かく、一区切りの文章量がすごい少ないので、楽々読める。
それでいて小川先生の流れるような語りで繋がれているので、すんなり頭に入ってくる。
文中のキーワードは太字になっているので、飛ばし読みにも対応。
そんな気楽な体裁ながら、一冊に入っている哲学者の数たるや! すごい情報量。単なるお気楽な読み物に留まっていない。
哲学というと古臭い考古学みたいなイメージかもしれないけど、これにはパンデミック以降の最新の哲学も載っているし、人間にとってとても有用な学問だということを感じられた。
立ち読みでパラパラめくるだけでも良さがわかると思うので、ぜひ多くの人に手に取っていただきたい。
さらには、学校でももっと哲学やった方がいいと思うなぁ。「道徳」はちょっと古臭い…いや、これは蛇足ですな(^^;)
投稿元:
レビューを見る
とてもわかりやすく、哲学って難しそうだけど何についての学問なの?という(わたしのような)人の入口になる本だと思われる。
図書館で借りて読んだけど、手元に置いておきたくて買うことにした。
投稿元:
レビューを見る
まだ冒頭とAIの箇所しか読めていないので、自分用のメモとして。
・哲学とは何か。疑って視点を変えて再構築する、そしてその考えを言葉にすること。端的で納得感があった。特に言語化は哲学の非常に重要な側面かと思う。名前のないもの、言葉にされていないものは存在していないことと同じ。概念には自由や正義など様々あるが、その言葉がなければそれが実現することもなかったと思う。
・AIと人間。AIは情報処理能力に加え、創造的分野においても人間を凌駕する存在になり得ると思う。では人間の価値は?AIと異なる点は心の存在だという。一元論的な考え方では、心も物理的な存在であり、そうである限り行き着く先は科学力による心の再現。対して二元論的立場から人間の心は非物理的な特別な存在であると主張するマルクスガブリエル(要検討)。もっと勉強しないとよく分からんけど、個人的には、後者について人間の都合のいい願望が混じっているような印象を受けた。AI専門家の見地から冷静に未来を予測する本も合わせて読みたい。
投稿元:
レビューを見る
自分のなかで、ここ数年、人生の分岐点となるような困難があり、考えを深めたいと読書に耽る今日この頃。
ニーチェの言葉を纏めた本を読んでから、言葉の数々に救われて、哲学面白いやんけ!となった。
もっと哲学について知りたいと、読みやすそうな哲学の入門書を探して、図書館で見つけた本。
現代の問題とする様々なテーマに沿って、哲学者たちの言葉を借りながら哲学する。
複雑で難しいと思っていた問題もするする紐解いていく。お、面白い!
哲学は、世界を新しい言葉で捉え直す営み。
自分なりの思考の結果を言葉にしていいんだ。
哲学初心者でもとても分かりやすく、自分なりの考えを深めたくなる1冊。
このなかに出てきて、気になった哲学者たちの本も借りて読んでみよう。
投稿元:
レビューを見る
身の回りの哲学 小川仁志
疑って、視点を変えて、再構築する。自分の考えを言葉にする。
日常生活を哲学する
遊び とは、人間の本来の姿を取り戻すための日常
顔とは、最も目立つ人生の「顔」
趣味とは、人生とゆう道を豊かに歩むための別ルート
お金とは、不安の裏返し。不安をなくせば、お金はいらなくなる。
社会を哲学する
正義とは、議論によって生成しつづけるバランス
政治とは、自由に生きるうえで不可欠な摩擦
戦争とは、国家の本能であるがゆえに、しばりつけなければならない。
LGBTQ+とは、人が芸術作品として生き方を主張すること
ポスト資本主義とは、戦争と助け合いのバランスの中で時代が求めるベストな経済体制
テクノロジーを哲学する
AIとは、知能の高さにかかわらず、永遠に人間とは異なる存在
インターネットとは、わたしたちが生み出したもう1つの希望の世界
SNSとは、現代社会が飼いならすべき諸刃の剣
宇宙とは、人間が思いをはせるために、すべてをしられてしまってはいけない場所
バイオテクノロジーとは、人間の尊厳を守るためにのみ許される必要悪
災害を哲学する
パンでミックスとは、人類と自然の中で起こる歴史の急激な更新
震災とは、私たちの文明と精神を試すもの
気候変動とは、品位ある生活の命運を握るもの
原子力発電所の事故とは、テクノロジーを生み出した人間の覚悟が問われる出来事
事故とは、自分の苦悩する力が試される機会
人生を哲学する
真の幸福とは、生きがいをみつけることであり、何ものにもかき乱されることがない状態
仕事とは、個人と社会を健全な形で育むための営み
家族とは、親密な関係性のもとに共存する他者
死とは、日々かんえることしかできない宿命
宗教とは、人類の共存を願う想い
抽象的概念を哲学する
自由とは、どこまでも制約をすり抜けていこうとする存在
愛とは、人生における情熱
悪とは、常に考えていないと足を踏み入れてしまう曖昧な闇
時間とは、計れるものではなく計り知れないもの
世界とは、人間が可能性を発揮するための前提
投稿元:
レビューを見る
遊びや趣味やお金を、哲学者がどのように考えていたのかを、平易な言葉で説明されていて、面白かった。哲学を身近に感じられて、入門書としてピッタリ
投稿元:
レビューを見る
身の回りの概念(AIとか)に対して、こんな哲学の考え方があるよ、という一問一答に近い紹介・教養の本。
紹介にとどまるので自分の考えを深めるというよりは、勉強として知識を広げたい人向けに感じました。
投稿元:
レビューを見る
日常で見聞きする言葉や事柄が哲学のテーマになっていましたが、何でも哲学的に考えられることに驚きました。まさに「哲学、おそるべし」という感じでした。
疑って、視点を変えて、再構成する。そして、その結果を言葉で表現する。これが、哲学の仕方だということが分かりました。
【学んだこと】
●ソクラテスの問答法・・・問いを投げかけることで、相手の口から真理を導き出すための対話法。(疑うための方法)
●ヘーゲルの弁証法・・・問題を切り捨てるのではなく、むしろ取り込むことで事柄を発展させようとする論理。(再構成するための方法)
●あらゆる哲学概念が、疑う、視点を変える、再構成するのいずれかに分類することが可能である。
●哲学をする際、できるだけ多くの哲学概念を知っていると、その分、より効果的に考えることができる。これはスポーツやゲームでルールや技をたくさん知っているほうが有利だったり、楽しめるのと同じである。哲学概念と言うとなんだか大げさに聞こえるが、それは思考のための技やツールにすぎない。
●人間が戦うのは本能であり、国家は戦争をするものであるからこそ、法によってその行為を縛り、平和を実現すべきである。(イマヌエル・カント)
●政治とは利害関係の調整である。人間は、それぞれ異なる存在なので、やりたいことも違うし、必要なものも違う。問題は、それでも他者と一緒にやっていかなければならないこと。言い換えると、限られた資源をみんなが納得いくように分け与えていかないといけないということ。
●利害関係の調整の際に理想とされたのが、中庸という徳。誰もが行きすぎないようにほどほどを心がけるということ。我を通すとぶつかるから、互いに譲り合う気持ちが求められる。それがアリストテレスの言うフィリア、つまり友愛の精神である。