紙の本
東京都立新宿高等学校での授業の内容
2023/09/30 11:08
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中南米はアメリカだけでなく、ヨーロッパ諸国にも翻弄されてきたので、いろんな一筋縄ではいかない思いはあります。それが、今の状態なんだろうし、これからどっちに進んで行くのかが、期待と不安の塊でしかありません。
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2022/12/04
今度は中南米。北アメリカ大陸と南アメリカ大陸に挟まれたその地域について、そもそもどのあたりを指し示しているのかも曖昧だったのでこの本を読んで改めて勉強になりました。
中南米という地域がアメリカからどのような扱いを受けてきたのか、世界の警察みたいなことをやっているけど実はアメリカも…みたいな歴史や経緯を知ることができ、また新たな視点を得ることができるように思います。
中南米の国々の多くは面積が小さく、アメリカの南に位置しているその特性から歴史的側面でも色々と翻弄されてきた過去があることを知りました。
そして普段なかなか目を向けることがない国々の詳しい事情も知ることができて、アメリカの動向や中南米の国々の動向、日本との意外なつながりなども勉強することができます。部分的にでもまた読み返しながら読み込んでいきたいと思います。
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中南米編面白かったです。全くと言っていいほど分からない地域だったので、それぞれの国の成り立ちや政治情勢、アメリカとの関わり(特にアメリカの身勝手な意向に振り回されてきた歴史)などを知ることができ、とても勉強になりました。第五章の、激しく対立していたブラジルとアルゼンチンが信頼を醸成できたことは、隣り合う国同士の戦争、紛争の解決への大きな光だと思いました。
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歴史は繰り返されるって事。
ただ、今と昔では、世論の感度も全く違うし、アメリカがやってたから、ロシアもいいでしょとは、絶対にならない。
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中南米の国々について現在の国のでき方を解説。もともとは先住民が暮らしていたが、大航海時代にあって、まずポルトガル、スペインがやってきて主に南米が植民地にされた。そしてその2国が衰退すると主にカリブ海、北米にオランダ、イギリス、フランスがやってきた。そして先住民は激減した。そしてアメリカの時代になると、副題にもあるように「アメリカの裏庭」となった。
この最後の「アメリカの裏庭」となった部分についてはあまり認識がなかったので目からウロコだった。社会主義、共産主義に対して脅威と感じるアメリカは、中南米が社会主義化しないよう、アメリカに都合のよいような国になるよう、背後からあやつっていた、というのだ。
テキサスはもとはメキシコの一部だったが、西部開拓時代、どんどんアメリカ人が移り住むとメキシコからの独立を求め武装蜂起し1836年「テキサス共和国」を宣言、そしてアメリカへの併合を求めた。・・これは現在のウクライナ侵攻と似ているのでは?と池上氏はいう。さらにキューバで1959年、カストロ政権となり国内のアメリカ企業を国有化するとアメリカはカストロ政権打倒を画作。CIAを使って何度もカストロ暗殺を試みた。さらにチリ。1970年に民主的な選挙で社会主義政権になるとCIAは1973年、チリに軍事クーデターを起こさせた、などなど。20世紀だから許されたのか、今回のウクライナ侵攻は、まさか冷戦後の21世紀にこれをやるか?という感情なのか・・
メモ
アルゼンチン:スペインの植民地。ブラジルのような大農園ではなく、牧畜が栄えた。ヨーロッパからの移民を受け入れ彼らが牧場を経営した。なので人種構成はスペイン、イタリアの白人系が多い。特にイタリアからの移民が多く、イタリアにルーツを持つ人は全人口4500万人のうち、2500万人といわれる。「母を訪ねて3000里」はイタリアのジェノバからアルゼンチンに出稼ぎに行った母をマルコが訪ねる話。
ブラジル:ポルトガルの植民地。サトウキビから砂糖を作る大農場が広がり労働力に黒人が連れてこられた。さらに1690年に金鉱が発見されるとここでも採掘には黒人奴隷が使われた。なので人種構成はポルトガル系、アフリカ系、ヨーロッパやアジアの移民、ムラート(白人と黒人の混血)、など多様な人種構成。
アメリカが社会主義阻止をやった割には、現在は左派政権が多い:メキシコ、キューバ、ニカラグア、ホンジュラス、コロンビア、ベネズエラ、ペルー、ブラジル、ボリビア、チリ、アルゼンチン、は左派政権。アメリカは移民阻止のため壁を作ったが、裏庭化してきたんだから南米からアメリカにやってきてもそのツケがまわってきたんじゃないか?という気もしてくる。
2022年3月に東京都立新宿高校での授業を元にした。
前書きの日付が2020年11月になっているのは校正ミス?
2022.12.7初版第1版 図書館
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今までまったく触れてこなかった中南米の歴史についてザックリ学べる本。
アメリカが中南米の国に対して今のロシアと同じかそれ以上のことをして国土を広げ、繁栄していったことなんてまったく知らなかった。
その他にも勝ち組負け組の語源や日系人の苦労などは特に面白かった。
あまり取り上げられる機会の少ない中南米だけど、様々な歴史(フランス革命や第二次世界大戦など)と密接に絡み合って現在の形になっていったのがよくわかりました。
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植民地から始まり、アメリカに翻弄される中南米。
多国籍化していて今後発展が期待されます。
ハワイの話も勉強になりました。
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いつものように新聞の延長」で読んだけど今回は特に新たな情報が多かった。
それだけ中南米の現状を知らなかったと言うことか。
それにしてもアメリカがあれだけえげつない仕打ちを中南米の国々に行っていたとは・・・。
まんま今のロシアと同じ。
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やっぱり新宿高校の生徒は賢いね~1欧米に従属させられた中南米の歴史(メキシコの領土の半分を奪った国とは)2」アメリカにたてつくキューバと非核化の動き(核戦争が寸前で回避されたキューバ危機)3アメリカは何をしてきたのか(アメリカが民主的な政権を倒した「チリの9・11事件」)4中国との関係を深める現在の中南米(中南米諸国への援助で台湾を揺さぶる中国)5アルゼンチンとブラジル,対立と和解(嫌い合う隣国とどうやって関係を改善したのか)6「勝ち組」「負け組」抗争があったブラジル(日系人同士の凄惨な殺し合いはなぜ起きたか)~多分,朝日新聞のオーソリティ招待で行った新宿高校での講義…そう・・4回?分をまとめたのかな? 前書きが2020年に書かれていて,講義は2022年の3月,出版が12月。前書きが二年前なのは何故?それにしても,日本政府の移民送り出し事業が事実上終了したのが1993年だった!とは知らなかったぁ~
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地政学的にも経済的にも世界の中心に位置せず、いまいち日本とのつながりが薄いために注目することがなかった中南米を知るきっかけになったが、やはり中南米という題材自体が地味なため、あまり興味を持って読み進められなかった。
中南米は、19世紀以前に欧州の一方的な侵略を受け、20世紀にはキューバやコロンビア等の多数の国がアメリカの自分勝手な都合で翻弄された歴史が客観的に記されている。
現在ロシアによるウクライナ侵攻が行われているが、時代背景は違えども20世紀という現代に、ウクライナ侵攻と同じことをアメリカが仕掛けてきたという中南米から見た歴史を理解できた。
池上彰さんの感情に流されず客観的に事実を見るジャーナリストとしての姿勢を改めて感じさせられた。
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このシリーズで一番勉強になりました。
世界史の授業でも、ニュースでも、ビジネスでも、中南米の近現代史を理解する機会は、他地域と比べて格段に乏しかったので、なるほど!と思うことばかり。
特に、欧州による植民地獲得競争の歴史の影響が、今でも地理的、政治的に色濃く残っている地域であることが、よく理解できました。
歴史は韻を踏む。ロシアの現在の行いが、20世紀的であることも、改めて確認できました。