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「数字は嘘をつかない」と、マスコミで垂れ流されるなんらかの調査結果を見てすぐ思考停止に陥ってしまう人はこれを読むべき。調査するのは人間だから、結果に至る過程でいくらでも嘘はつける。そのしくみと見破り方の本。
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著者の谷岡一郎さんは「ギャンブル博士」としても有名な社会学者さんで、ご専門は実は犯罪だったりする。日本でカジノを、なんて話になると必ずと言っていいほど登場する偉い人(?)です。
統計は昔少しかじったことがあって、計算は苦手だけど考え方は大好き。調査結果ナナメに見るのも大好き(笑)。
この本、朝日、読売、毎日なんかのいろいろな調査を引き合いに出してはめった切りにしている。社会調査とかアンケートの類は、100%正解と言える答えなんか絶対出せないし、誰がどういうスタンスからどう解釈するか、ってほうが全面にでちゃうモンだと思うんだけど、それをいちいちあげつらっては指摘している、それのオンパレードって感じの本です。やれサンプル数が足りないだの、条件統制が足りないだの、はっきり言ってイヤミだね(笑)。
だから、読んでるあいだあちこちで「うわー、性格わるっ」って思うんだけど、それがまた痛快だったりもして、統計や社会調査の初心者でも楽しめる本じゃないかな。
専門家の立場から見たら、バックグラウンドが公開されていない調査なんてなんたること! と腹が立つものらしい。言われてみれば、普段目にするリサーチの結果ってのは、調査法やサンプル数が公開されてないことが多い。でも、それが当たり前になっているから、そのことについて腹たてたことってなかった。「どういう条件で出した結果なんだろ」って不信に思うことはあっても、知ることはできないのが当然なんだと思ってた。こちらが情報リテラシーってやつを発揮して、「そういうこともまぁあるかもね」とか「経験的にまぁ納得」って感じで、適当な受け止め方をしなきゃならんのだと(だったらその調査結果自体の意義ってなんなのよ、というのはあるけど)。
ある種の心理学的な調査や社会調査の類って、そもそもが「科学する」っつーのがすごく大変だモンね。科学的にするための条件統制にかなりの手間がかかるという意味で。たとえば物理や化学の世界では、戦争中だろうとインフレで大変だろうと、離婚したばかりの人が実験したって物理的に条件が同じだったら必ず同じ結果が出るじゃない。社会調査とかは、「隠れた条件」「コントロールしきれない条件」が多すぎて、ばちんと一定の結果を出すことが難しい。その辺が逆に「あそび」がありすぎってことになって、結論をいかようにもつけられる、ということなのだと思う。素直に「このこととあのことに因果関係が認められませんでした」って書けない事情があるらしく(つまりが名誉欲っつーかそゆこと)、社会調査がいったん始まったら、結果をいじくり倒して、結論もあれこれ書き連ねて、とにもかくにも社会に警鐘を鳴らさねばならんらしい。「因果関係がない」ってわかったこと自体がひとつの成果だと思うのにね。
巻末のほうに「リサーチ・リテラシーテスト」が乗っていたのでやってみたのだけど、ヲレだめだめでしたわ。なんだ、あたしったら意外と素直じゃん。ぽっ。
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新聞とかの調査を丸呑みにしないようになりました。
以前、読売新聞で、インターネットを使わないって人の割合が高くて、よく見たら異常に高齢者の割合が高くて、「これからも紙の新聞は必要」という結論になってたのを見て納得。
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「世論調査・社会調査が示す“%”にいまいち現実感がわかない、
実態とズレが生じるのはなぜだろうか」
「騙されない人間になるためにはどんな教育が必要なのだろうか」
最近、疑問・問題関心として抱いていてモヤモヤしていたところに、
たまたま本屋で新書の棚を眺めていたらこの本が目に留まったので読みました。
感想:平成12年初版。もっと早くこの本の所在を知って読んでおきたかった!
特に卒論前に・・・_| ̄|○
社会調査方法論・統計学入門としても素晴らしい本だと思います。
難解なカタカナ語は具体例を用いて、わかりやすく端的に解説していて、
1000〜3000円以上もする難解な統計学の本を買うより絶対お得。
卒論で調査データを使って論を展開しようと考えている人は、
1回読んでおくといいかも。
調査データを使うならちゃんと勉強するべきですね。。。ハイ。
あーぁ。もっと大学時代本読んでおけばよかった(ーー;)
表紙にはとても優しそうな著者の顔写真が載っているんですが、
それとは裏腹に序章から「世の中に蔓延している「社会調査」の過半数は“ゴミ”である」と、断言してスタートしていきます。
実際に社会調査の過半数がゴミであるということを、5大紙(朝日・読売・毎日・産経・日経)と有名雑誌(文芸春秋)など具体的な名前を挙げ、
様々な記事と社会調査データから、どこがどうゴミなのか(社会調査として不十分なのか)を明らかにしていきます。
次から次へと滅多切りです。ホントに。
文句があるなら文章にして送ってこいとまで著書の中で述べてますから。
多くの社会調査が「実態を把握」が目的ではなく(もちろん目的の1つだけれども)、大学研究者・教授の思惑が隠れていたり、政府・官公庁も予算の獲得といった政策的サポートのために調査データを使用していたりと、
「社会調査」にはこのような社会の闇のドロドロとした部分もはらんでいることが多いことまで明らかにしています。
いかに世の中に出回っている社会調査の多くがこのように操作的であることに気づかされます。
しかし、それでもなお世の中でこの手の社会調査が世の中でまかり通ってしまうのはなぜか。
世の中の一般論として捉えられ広がってしまうのはなぜか。
「数字の力」、これを1つに著者はあげていました。
「数字」で根拠づけられると、たしかに反論のしようがなくなったりしますもんね。
たとえば新聞に大きく「学力低下4割が懸念!!」と見出しに出ていたら(著者は印象操作と記述)、
誰もが「あー、学力低下だ!たいへんだな!今の教育のままでいいのか?」
って思ってしまいますよねぇ。
しかし、全体のどの程度の4割なのか、誰に聞いた調査なのか、
聞いた数のうち有効な回答数はいくつなのか、
質問内容はどのような内容なのか、誘導的になっていないか、
などということをいちいちチェックしますか?
たとえしたくても掲載されていないことが多く、
掲載されていたとしても、よーく考えてみ���と実は・・・ということが。
メディアの意図的・政治的な思惑が調査の方法から見え隠れしているということも挙げていました。
こんな感じで一つ一つの記事・社会調査を滅多切りにしちゃうんです。
この間読んだ『「ニート」って言うな!』では、「ニート支援産業」という言葉が出てきました。
みほがコメントで「社会に存在するものすべてが本になるのね」と書いてましたが、
最近出版されている本には、たとえばニート問題でも、必ずといっていいほど、
何かしらの調査データが引用されていたり、または著者が独自に行ったりしているものが見受けられます。
しかし、その多くは著者の立場を補強・弁護のために使っているものがほとんどのような気がしてきました。
本を出すってたしかに世の中にメッセージを発するという手段ですけど、
本を売る、っていうことは結局のところ「金」ですからね。
売れると思うから出版するんですもんね。
いや、ちがうね!って反論は出てくるでしょうが。。。
で。筆者は最後に「リサーチ・リテラシー」の必要性を訴えています。
情報機器やシステムの発達で情報収集が容易になった現代は、
あふれるデータの中から真に必要なものをかぎ分ける能力を身につける必要があると言います。
「情報リテラシー」とどう違うの?って話しですが(笑)。
前者が情報取捨選択能力としたら後者は情報収集力かな。
でも両方含んで情報リテラシーというし・・・。うーん。
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新聞などなどに登場する数字の危うさを追及する本は多数あるけれど、その中で一番面白い。
これを読んだ前と後とでは、テレビの見方、新聞の読み方が180度変わると言っても言い過ぎでは無いと思う。
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作者の超攻撃的姿勢が光ります。
いい加減な知識に基づいて、あるいはそれを承知の上で行われている「社会調査」がいかに多いか、また、その見破り方についても判りやすく説明がなされています。
社会学や心理学など専門的に学んでいる人、あるいはそれらに縁の無い人にとっても、読んでおいて損はないかと。
「ゴミがゴミを生む」、蓋し名言と言うべきですね。
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必読。これぞまさしく統計調査の基本をしっかり押さえた本だと思います。現代社会における統計がいかに適当か、それを見極められないことがどれだけ損失かについて語っています。
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世にはびこるゴミデータをバッサリ切るとともに、ちゃんと説明をしているので理由もはっきり。ストンと落ちてきます。たくさんの方に読んでいただきたい!!
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日本のマスコミがレベルが低いのか、マスコミは世界共通でレベルが低いのか気になる。少なくとも日本のマスコミはBBCよりは相当レベルが低いことは確か。もう少し、アカデミックな知識を得る必要があると思います。
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「社会調査:世論調査」という名のゴミ:嘘が氾濫している。それが腐臭を発し、社会や民衆を惑わし続けている。Garbage In,Garbage Out:(ゴミは塵)は、学者、政府官庁、マスミ、など限がない。特に影響力の大きな官庁や中立を標榜するマスコミの責任は重大。
「世論調査」として各新聞社などの実施する電話調査なども、課題が多い。RDDなどと調査の名称はカッコが良いが・調査の「正確さ」が他の方法よりも劣り、目標サンプルへの到達率や回答率、も高いとは言えない。
携帯電話中心の独身世帯や若年有権者へはアプローチさえ不能であり、固定電話への予告なしの調査依頼では、迷惑電話防止で応答すらしてくれないのが、実体だろう。地域バランスを考慮してコンピュータでランダムサンプリングの無作為3段抽出でも・・「正確な民意」を世論として調査するのは困難だ。
有権者という母集団がこのRDD緊急調査では掬いきれていない。
■Q:総理後継者は次の3人の中で誰がいちばんよいですか?などという3択式の設問で回答させ、もともと、国民の選挙得票率が過半数に満たない自民党なのに、NA(ノーアンサー:無回答)を設定しない質問に強制的に答させる。
選択枝、総理適任者なし・・を排除しておいて、●●が一番「国民:全員??の」調査結果となる。
この無神経さと、不誠実さ。本当に情けない。未だに大日本帝国大本営発表・・と大差ないのではないですか。
戦後60年の今も民主主義なし、不正確・非科学的・独断偏見・お上の権力金権に追随・独立人権意識なし=自我自己責任未確立の未開社会です。
この未開社会にあのギョロ眼やサングラスのギャラ時給300万円?TVキャスターや司会者が寄生するのでしょう?
リサーチ・リテラシー(調査の基本知識能力)を統計学の知識をベースに高校教育から教育すべきで、調査の設計、実施、分析までの様々なバイアスも基礎知識として常識化すべきでしょう。
調査データの相互利用、DB化:情報公開など調査の審査機関があることが世界の先進国での常識ですよ。
MRに関わった経験のある小生には、筆者の気持ちが良くわかります。それでも、最近の朝日新聞に「RDD方式とは?」の記事や本社世論調査、質問と回答、調査方法についてなど、の公開開示情報が掲載されるようになり、少しは進歩してきたのかな?などと思っていますが・・
最近やはり朝日よお前もか?などと従来の信頼も薄れます。やはり、戦前のようにペンよりも金・購読部数が大切・剣が怖い・・なのでしょうか?★この国はマジメに?何処か異常な?ヒドイ情況になりつつあるのような気がしませんか?
国民はコームインと勝ち組・・マスコミに舐められています。
TVに「したり顔」でよく出てくるあの年収数億円のジャーナリストを装う・偽者達に要注意です。
アホTVをOFFしてインターネットと電話・アナログ会話を優先しましょう!
全ての択一式アンケート調査・でのNAなし設問は全てヤラセ!です。
6000台のTV視聴率機器で自動集計する視聴率データなど、5038万世帯(2005年)の母集団を代表する筈がありません。抽出方法にもラン���ム性や統計上の科学的根拠も曖昧で恣意的デタラメ調査のシンボルです。
何故学者やマスコミは沈黙しているのでしょうか。世論や視聴率を操作し、誘導するいかがわしい意図が背後にあります・皆さん注意しましょう。
SNSなども、個人情報保護が反故になりかねない企みに要注意でしょう。
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調査は母集団をどうするか、設問をどうとるかによって結果が変わってしまう。
日常目にする調査結果も結果以前のバイアスが原因で、真実と異なる方向へミスリードされることがあるということを知ることができる一冊
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妙に母集団が少ないとか誰に聞いたらこんな結果になったんだろうとか、うさんくさい世論調査のたぐいは数々ありますね。その嘘を看破する本。確かブルーバックス『統計でウソをつく本』というのがあったが、あれと合わせて読むとよいかも。
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世にはびこるほとんどの「社会調査」はゴミであるという刺激的な主張。調査する側の都合の良い、もっともらしい結果を提示させるためのテクニックが満載。調査される我々がそれを見抜く技術を身につけるべきだと痛感させられる。ポイントは結果ではなく設問自体にあるというのは目からウロコの気分。
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どんな統計であっても、問題意識を持って取り組まなければ本質が見えてこない。ただ、今までこの結果は変じゃないか?って思っていた統計の作り方がわかった。
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社会学を志す人が最低限理解していなければならないことを、ごく簡単に、しかし分りやすく書いている。新聞を中心とした実例が数多く取り上げられ、その調査のどこがまずいのかを具体的に示してくれる。新聞の世論調査に疑問を感じる人はこれを読んで頭を整理しよう。