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スマホの普及で紙の媒体の売れ行きが減少している中での、ウクライナ侵攻で経費の値上がり、と言う企業存亡の危機に立ち上がった男達。
全く別業種、異業種に挑んだノンフィクション。
プロジェクトXを彷彿させた。
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異文化探索と思って読む。そうだよね、自分がやりやすいとこにいついちゃいけません。でもおっさんの夢はいずこにありや。ウマ娘で少しは盛り返したのかな。ニンニクマシマシはラーメンだけじゃなかったのね。
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食べ物の本かと思ったけど、ビジネス書だったかも。だけど?面白くてためになった。「絶対は絶対にない」って、良い言葉だな。
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テレビや各種雑誌でも取り上げられたプトジェクトの担当者と責任者にインタビューしたものですが、これは東スポだからこそうまくいったんじゃないかと思うと同時に、新聞業界の厳しさがよくわかるものでした。
衰退業界として業態転換をどうするかを考える上で、東スポのような本業を超えるという考えがないと厳しいのは新聞だけでなく、他の業種も当てはまるかなと感じました。
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本書127ページからは「東スポ伝説」ともうたわれた数々の一面見出しの名作(迷作?)が並んでいる。私に一番うけたのは「デーブ・スペクター日本人」(1992年7月9日付)。たぶん見出しの下には、新聞を折ったときに見えなくなる位置に、ちっちゃなフォントで「?」と付いていたのだろうか。
残念ながら、今の時代は通勤電車のなかで東スポをはじめとした夕刊紙を広げて読んでいるという光景をほとんど見なくなった。私が思うに、こういう夕刊紙の何が良かったかというと、見出しに書かれた文字を、新聞を買った人だけでなく周りの人も見ることができたこと。つまり見出しのワクワクが周りに伝播して、見出しをチラ見して面白そうだと思った周囲の人は、電車を降りてキオスクに直行して東スポを買うというのもよくあっただろう。ここが今のスマホとは決定的に違う。スマホは見ている人が楽しいだけ。楽しさを周囲にも伝えるという機能が欠けている。
一方で東スポサイドはといえば、電車で新聞を読む姿を見なくなったのと軌を一にして、現在の経営状況および将来のビジョンはかなり危機的らしい。危機回避のためメインバンクへ大型融資を打診したところ、条件として経営コンサルのサポート受諾を付され、そのコンサルから再建策の一つとして、まずは社員の大幅削減を言い渡されたらしいのだ。
結果的に80人近くの社員が去ることとなったが、社員の士気低下や、残った社員への業務負担の増大化を見過ごせなかった一人の男(=キーマン)が東スポにいた。当時取締役兼編集局長で現社長の平鍋幸治氏だ。「東スポをこのまま終わらせたくない」という思いから試行錯誤していたところ、旧知の食品会社役員との食事会での何気ない会話のなかの「餃子を売り出したいけれど、東スポと結びつけられないかな」という一言に即座に食い付き、紆余曲折を経て実現させるまでの、一連のノンフィクションが本書である。
もちろん単に「餃子」を売り出すというだけでは東スポにする意味がない。「東スポ餃子」というネーミングをはじめ、売りとなるその味付け(ニンニクを普通の3倍に。しかも国産のものだけで)や、打ち上げ花火のような派手な宣伝手法などオリジナルな点も多いのだが、平鍋氏は成功への一番重要なポイントとして「スピード感」をあげる。ここは同じサラリーマンとして自分の身に照らして反省することが多かった。
そしてここからは私の独断的意見。東スポ餃子が奇跡を起こした一番の要因は、冒頭に書いたような、東スポが本来持っていた、ワクワク感を周囲に伝える力がいまだ健在だったことにあるのではないか。
それを立証するかのような記述が154ページにある。食品会社サイドではパッケージデザインをどうするか悩んでいた。実は食品業界では、東スポのカンパニーカラーのような青色は、食欲を減退させる色として忌避される。でもあえて東スポカラーの青をメインにすると、それによって商品は私をはじめ多くの客の目を引きつけた。いくら他に負けない食材で勝負していても、あの東スポブルーという決定打がなければ、ここまで広がらなかったかもしれない。やはりあの青色を含め、東スポブランドに多くの人は“何か面白いものがあるのでは?”と期待をふくらませるのだ。
紙媒体から食品へと姿を変えても東スポスピリッツが健在ならば、競馬もプロレスも詳しくないけれどアホネタとエロネタは大好きな私のように日常では非愛読者であっても、東スポに付いて行きますよ。