紙の本
人間の思い込みの多さに気付かされる1冊です。
2023/03/04 22:56
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会心理学の専門家の著者が、人間という生き物は自然と思い込みをたくさんしているものだ、ということを、学術的に示した1冊です。
様々な事例、データを用いて、いかにも学術的な裏付けを提示して著している点が、さすがは専門家、教授と思いました。
ですが、当書を読めば人の心理を操れる、という特効薬的な内容では断じてありません。あくまで客観的に見ているのみです。
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◆webちくま(2023年1月10日): 「私たち」と「あの人たち」を分断する心理 https://www.webchikuma.jp/articles/-/2993
◆書評:古田徹也「社会心理学にいざなう最良の授業」(webちくま2023年2月3日) https://www.webchikuma.jp/articles/-/3022
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クセは自分で気づかないからクセなので、心のクセというのもほとんどの人が自覚していないから色々な問題が起こるんでしょうね。
面白かったです。
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日本とアメリカだと信仰心が違うのはなんか肌感覚に近いのですっと入った。やっぱり日本はいずらいよねえ。
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無意識のうちに陥りやすい思考の傾向について書かれた新書。
自分にとって楽で都合の良い物事の捉え方しているかもと気づいた。
第6章にある不安への対策や不確実性に対する心構えは、特にためになった。
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「私たちの心は型にはまりやすい。しかも、その傾向に利点と欠点が存在する。不安や衝突を減らすため、心の特徴を学ぼう。
「不運は日頃の行いのせい」「天は二物を与えず」など、人間には「ついこう考えてしまう」クセがある。時には、そのクセが困った事態を引き起こすことも。その背景がわかれば、もっと心から自由になれるはず。」
目次
第1章 人は、「結果」に対する理由がほしい
第2章 人は、秩序ある社会への強い想いを抱く―公正世界理論とは
第3章 人は、因果応報ストーリーを好む
第4章 人は、世界をカテゴリー化して理解したい―ステレオタイプ・偏見・差別
第5章 人は、そもそも予測できない将来はのぞまない―現状肯定の心理
第6章 「私」として考え、行動するために
著者等紹介
村山綾[ムラヤマアヤ]
1979年生まれ。州立モンタナ大学心理学部卒業後、大阪大学大学院人間科学研究科博士前・後期課程修了。博士(人間科学)。日本学術振興会特別研究員を経て、近畿大学国際学部准教授。専門は社会心理学。集団や社会で生じるコミュニケーションの齟齬について研究する
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根本的帰属の誤り、権威への服従、公正世界理論、ステレオタイプ、偏見、現状維持バイアスとか、よくある話を高校生向けにした良書。
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「みんな頑張ってるからあなたも頑張れ?みんなって誰?私は頑張ってないの?」
「どうして変えた方がいいことを、あまり変えたがらない人たちがいるんだろう?」
「私が変なのかな?私の考えとあの子の考え、気持ちはなんで違うの?」
「私がもし女だったら、どうして地元から出ない方がいいの?」
読まれている方の中にはこれらが偏見の塊に見えるかもしれないし、考えすぎという意見もあるかもしれない。
暴論だが、このように人によっては小さな頃から抱えてきた「?」な心や社会の問題は、立場によりくるくる様相が変化する。でも、人の心はそれに耐えられるんだろうか。
本書では社会心理学の立場から私たちの個人の心に起こることから社会的結びつきまでスケールを伸ばし各々のレイヤーについて、著者が柔らかく噛み砕いて説明してくれている。
3回ほどトライしてようやく最後に漕ぎ着けた。
柔らかく、といっても真意を噛み砕くまで時間がかかるし、正直何度も読み込みたい。
何故ならば、私たちが日常で流してしまっている価値観に照準を当てて、私たちの中にいつのまにか居座っていた「こういうものだ」「〇〇は▲である」といったある意味簡易化された、しかしそれゆえに本来多層的なはずだったのに偏った認識のベールを剥がしてくれるからである。
かといって、この本は価値観の正しさの擁護や自己啓発を目的としているわけではない。
これが、本書の一つ特徴的だな、と思う点だが、
あくまで科学的に論理的に、心や社会の傾向を分析して、私たちが明日、未来に向けて、自分自身を助けるために、どんなTipsが有効になりそうかを考えているところである。
たまに、メンタルに不安がある場合、まず自身の感じたままを大切にするように言われる。実際私もそれは必要だと思う。しかし、未来に向かう時、自身に起きた出来事を再解釈する際に最大の味方かつ壁になるのも自身の感じ方である。そのとき、もし自分が1から10を知ろうとしている癖だったり、苦しめている価値観を認識できたなら、次の解釈に向けてさらに取り組めるようになるのかもしれない。
ホットなトピックとしては、コロナ禍における社会心理について取り上げているところも興味深い。
不確実な未来、VUCA時代と、就職活動の企業説明でも、ニュースでも、私たちが感知しきれていない広い世界から光より早く課題が投げかけられ、最小単位たる個である私たちがなんとか落とし込んだり解決に挑戦するなり右往左往する時代である。もののスピードもはやくなる一方で、心を守るための私たちのトレーニングは、追いついていない気がする。
就活ならば、たくさんの会社に応募できるが落とされることも増えるし、SNS上で良くも悪くも他人が見えるが故に己を責めることもある。しかし「みんな通る道」と過小評価されてないやしないか。みんなは通らないし、通った人は皆苦しみを知る。マッチングだ、巡り合わせだなんて嘯いても、振られたり落とされたらやっぱり悲しくなってしまう。
就活を例に出したが、このような心にヒビが入りそうなことが、早くなる時間の���でゲリラ豪雨のごとく降りそぞくこともあるわけで、、
そんな時に、雨宿りの場所だったりを示して、次に繋げていくための一歩をそっと寄り添ってくれる本だと思う。
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社会心理学のイントロダクションとしてぴったりの1冊です。平易で読みやすいですし、誰しもが経験したことがあるようなことから、社会心理学を通じて思考の傾向を解説してくれます。
ここから山岸先生の本などにいくのもありだと思います。
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社会心理学を多くの研究から紹介した本書。誰しも判断には様々な癖があることがかいてあった。ただちょっと読みにくかったな。
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"ステレオタイプや偏見、現状維持、バイアスや権威への服従など社会問題となっている
人間の思考や態度を科学的に分析した良書。"
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自分も知らず知らずのうちに公正な世界の因果ルールに慣れ親しみ物理的に無関係な事実が原因と結果の関係してる ところにすごくハッとした。
自分自身普段の行いが悪いから悪いことが起きる、良いことをしたから良いことになる、と考えすぎていたような気がした。
1番タメになったのは外的要因で起きたことなのにその人自身に問題があると思いがちである。
人がそのことに目の当たりににすると助けてあげれず、もどかしくなる。
その不安を取り除きたくなるので、脳がその人に問題があるように考えて不安を取り除くようにする。これはすごく怖いと感じた。
今まさに地震で、そこに住んでるいるのが悪いと考えられないような批判が出ているのは、この「心のクセ」が引き起こしているように感じた。
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社会心理学のいくつかの用語を読み物感覚で知ることができる。子どもたちにとって親しみやすい文体ではないが、高校受験程度なので読むことはできる。
「不公正世界信念」は社会心理学の他の本で見たことのない用語だった。