紙の本
以前刊行された、別新書レーベルの同一タイトル作品とは、また違う読み味わいの内容でした。
2022/10/10 22:50
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通り、津田塾大学創始者で有名な、津田梅子さんの伝記です。
巻末に津田梅子さんの年譜が表示されており、文中の話をハイライトで振り返られたのが、個人的に良かったです。また、この年譜は大変読みやすいです。
今年2月に、別の新書レーベルで同一タイトルの作品が刊行されています。私はそちらも読みました。
読み比べてみて、当書とそちらの作品には別の読み味わいがありました。同一人物の伝記でも、作者によって文章は違ってくるのだ、同一タイトル作品であっても読み比べることに無駄はないのだ、ということに今回、気付けて良かったです。
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お札になるらしいので。
子供向けになってる感じがあんまりしない感じで読みやすい。やっぱしすごい人だなー。ということと、こーゆー環境に育つのも大変だなー。って感想。
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英語英文学科 北村先生 推薦!
津田塾生の必読書! 津田梅子の生涯をその歴史的背景のなかで理解するとともに、女性史研究の手法を学ぶ機会にもなります。
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津田梅子の数奇な人生を丁寧な解説と共に学ぶことができました。本書では梅子の偉業だけでなく、人との出会いの大切さ、ジェンダーバイアスという人工の障壁の乗り越え方など、現代に生きる私たちにも通ずる人生のヒント提示してくれます。
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ひとりの女性が、その周囲の仲間からの力添えを得て、自分の使命として成し遂げたいことを、小さいことからスタートさせて、今現在の日本の女性の人としての生きやすさを生んでくれたことがよくわかった。
今では大学に進学すること、働くこと、結婚しないことに対する違和感は少ないが、先人がいたからこその恩恵に感謝するとともに、現在の日本のジェンダーギャップ率は高いとのことで、更なる改革が望まれる。
わたしも、そのギャップの渦中にいる。
後に生きる人のために、家庭の中からでも出来ることは行動していきたい。
本書の中の、137ページ、ノブレス・オブリージュ 多くを得た者は多くを他者に返さなくてはならない の精神は素晴らしい考え方だ。
また、梅子がヘレン・ケラーとサリバン先生や、ナイチンゲールに面会していた下りに興味をもった。
行動力があるからこその出会いと、その後の支援に至る箇所も学びとして深かった。
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津田梅子の生涯と功績が時代背景も絡めてわかりやすく書かれていて過不足がない。
梅子が留学し、理想としたアメリカでも、当時は女性参政権はなく、大学も男性と同じように学べたわけではないが、それでも日本と比べれば天地の差があったのである。大金をかけて留学させ、三人(梅子、捨松、繁子)とも、意欲も能力も高かったのに、帰国しても仕事がないというのは、いかに苦しかっただろうと思う。男性の帰国者はやりがいのある仕事と高い地位が約束されていたのに。
繁子と捨松は結婚したが、そこには諦めもあったに違いない。梅子は生涯独身だったので仕事を堂々とやれたというのはあると思う。昭和の終わりの時代ですら、結婚した女性が働いていいのは、家事育児をきちんとやって、夫に「迷惑」をかけないならば、という条件がついていた。つまり、家事育児が女の一番大切な仕事であり、仕事で手が回らず夫に家事育児をさせるようでは妻失格という世間の感覚だった。明治はもちろんそれ以上だっただろう。
梅子は新しい紙幣の顔になるが、立身出世した男性よりダントツで身辺潔白だったし(婚外子も妾も当たり前だった男性と比べれば)、「津田塾大学を作っただけでしょ」と言う人は、当時女性が働き、女子に教育(嫁入り教育ではなく、本当の学問)を受けさせることがいかに困難であったかを知るべきだと思う。
ま、しかし、あまりに人間としてもケチのつけようのない素晴らしい人物なので、面白味には欠ける。これは、私個人の「どこかぶっ壊れた人が好き」という特殊な嗜好によるもの。普通にオススメできるいい伝記だと思う。
大庭みな子の方は小説だから梅子の違った面も描かれているのかなと気になっている。