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上巻で記述が極端に少なかったアイスランド。下巻では少々記述が増え、タラ戦争でイギリス相手に漁業資源を死守する姿が印象的だった。
第二次世界大戦。蚊帳の外にいるわけにはいかず、かつ、支援も少ない中、ナチスやソ連に翻弄された北欧。戦後は原子力潜水艦が出てきた事で、ノルウェーが米露の対立に巻き込まれている。これは文句が言いたくなるのもよく分かる。そのノルウェー。ここまで地味な存在だったが、戦後は石油で急激に成長。勢い余って、関連企業だらけになってしまい、一時危うくもなるが、目立つ存在へと。
また、昨今のウクライナ情勢の影響も大きく、これまでロシア(ソ連)と近いがゆえ色々あったフィンランドが動き出し、スウェーデンも動く。かつては積極的にドンパチしていたデンマークもEU内の揉め事には加わらなくて良いという特権をぶん投げてまで「俺達の出番だ!」と言い始める。北欧均衡という言葉にある通り、一カ国の姿勢が変わるとあらぬ所にまで変化が生ずる。
同じく、山川各国史以降の加筆として、難民問題や女性の社会進出も記述されている。