アンデッドアンラック 不揃いなユニオンの日常 みんなのレビュー

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投稿者：求道半　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

この小説版は、原作の愛読者になってから、読むべき作品である。
　収録された四篇の短編は、一篇を除き、原作の主人公が属する組織の本部が舞台である。例外の一篇は、中篇と言っても差し支えのない頁数の作品で、四篇中、一番、外伝らしいエピソードだ。
　四篇とも、原作で触れられた要素を敷衍した内容であり、本編とは無関係な話ではないものの、この小説版を読まなければ、原作の理解が妨げられる類の話ではない。
　四篇に共通するのは、想い、が描かれる点だ。
　相当な文字数を費やした内面描写では無いとは言え、明かされるべき登場人部の心情が、短い会話や何気ない行動によって、表されている。
　「転校生！」と題された中篇は、原作の愛好者であれば、必読すべき一篇である。
　否定者と行動を共にする組織の一員の話から一転して、受験を控えた高校生の会話から始まる「転校生！」の物語は、登場人物に心当たりがあっても、中々、原作との関連性の度合いが掴み切れずに、読者はオリジナルの青春小説を読んでいるかの様な気分になるであろう。
　ところが、本文を読み進めて、原作の根幹に関わる要素の断片が集約されれば、合点が行き、楽しみながら、読み終えられるに違いない。
　副題が示す通り、四篇の登場人物は、ユニオンの関係者が過半を占め、数が多い原作のキャラクターの一部しか、この小説版には姿を見せない。
　それでも、原作に準拠した否定者の戦い方や人間関係の構築の模様が、四篇の端々に綴られる。
　アンディは血を噴かせ、風子は間接的に物を壊す。
　服が破れたアンディの股間は、社会の窓から、丸見えだ。
　多少、感傷的な話題や、学生間の深刻なトラブルを題材にしてはいるものの、四篇とも、重苦しい読後感を生じさせない、肩肘を張らずに読める物語である。

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投稿者：ミッチー　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

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