紙の本
変人、だけど才能と行動力はスーパーな女子中・高校生の物語
2024/05/26 19:48
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投稿者:よっち - この投稿者のレビュー一覧を見る
学力抜群、陸上部、群れない、際立つ行動力、かつ変人。
そんな女子中学生(後半で高校入学)いますか?
普通の優秀なだけの主人公だと面白くないけど、他人がどう言おうと、どう思おうと気にしない、思い立ったら即行動、この変人振りが主人公の魅力です。
作品自体は本屋大賞にしてはちょっと物足りない印象ですが、読んでて楽しくなります。
ささっと読めます。
それにしても、成瀬のようなしゃべり方する女子高生をどこかで見た(読んだ)気がします。
思い出しました。
「数学ガール」シリーズ(結城浩著)に出てくる天才女子高生”ミルカさん”です。
電子書籍
成瀬みたいな友だち欲しい
2024/05/22 16:38
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう子が周りにいたら楽しい中学生ライフを満喫できそうです。夏休みに閉店するデパート通いにしても突飛な考えだし。何よりも200才ねぇ。M-1に挑んで、いくら実験のためとはいえ坊主頭に……。
電子書籍
なるせ
2024/05/18 16:08
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投稿者:だけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
正直面白くなかった。
主人公の向こう見ずさは涼宮ハルヒっぽいなって感じ。
エピソードもいまいちまとまりがないし、これが本屋大賞……?って正直疑問をいだくレベル。
紙の本
成瀬は本屋大賞を取りにいく
2024/05/13 14:16
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投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
珍しく母が気になっていたので、母の日も見据えて買ってみた。本屋大賞受賞=書店員が今一番売りたい・売れると思う本という点に着目し、今の読者の関心を寄せる要素とは何かを考えるにも丁度良かった。
舞台は現代日本。コロナで誰もがやりたいことを我慢している(大きな時事ネタ)。我が道を行く少女が主人公で、傍から見れば行動力のある変人だが、不思議と人を惹く魅力がある。ちょっぴりミステリアスな思考回路と言っても良い。ミステリアスなので主に第三者視点から、読者の共感を得られる視点から彼女の行動を追う構図である。
大変制約があるシチュエーションながら、少女の行動力が今を精一杯生きる=自分の未来をもっと楽しくすることに繋がっていく。瑞々しくもあり生々しくもある青春描写は、きっと多くの若者が夢見て、ついぞ得られなかった思い出の文章化だろう。少女の行動が起こしたちょっとした偶然が、ラストになって少女自身の助けになる構図――一つまみの魔法とでも言おうか、これも良い。それを平易な言葉選びで作り上げている。
個人的には絵的に映える場面描写や、物語構造の強さを小説に求めているので、そこからは外れている。本のレビューで本の外の世界の事情を絡めるのは僭越だったかもしれないが、本屋大賞という大きなトピックについて考えを巡らせる機会を与えてくれたことが、私にとって本書一番の価値だと思う。
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あー、西武大津店のもとで育って成瀬と滋賀への思いを共有したかった…と、ちょっとだけ思ってしまった。
でも、何を隠そう、私も中学の文化祭で漫才を披露した黒歴史がある!
突然そんなことをしちゃうのが青春、
しょーもないことを試したくなっちゃうのが青春!
なににもつながらなくても、チャレンジすることが楽しいのだ!
成瀬が公言通り200歳まで生きるとしたら、青春時代って多分50歳くらいまで。(五行思想によると)
100歳でもまだ朱夏、人生真っ盛り。
そう思ったら元気が出てくる!
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主人公の成瀬あかりが変人で、突拍子もないこと考えて、でも大真面目だし、天然で、悩みはするが、常に冷静。しかし胸に秘める熱量はすごい。とにかく応援したくなるキャラクター。笑って読んでいたんだけど、最後のほう、なんか泣けてきてしまった。お前、一生懸命生きてんだな。話は中学生から高校生までの話で終わってるけど、成瀬は200歳まで生きるつもりらしいから、これはまだ序章に過ぎない。俺は成瀬を応援する。激推しだ。成瀬!天下を取れ!
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小説新潮の「女による女のためのR-18文学賞」受賞作を読んで以来早く書籍にならないかなと思っていましたがようやく出版されました。
書き下ろし作もたくさん収録されていて、成瀬と彼女を取り巻く人々を心から応援したくなる作品ですごくおすすめです。青春ってキラキラしていないのが当たり前なで、成瀬たちの青春も決してキラキラはしていないのに、でも楽しそうで、楽しんだ者が送った青春が最高なんだと思いました。
続きも読みたいし、成瀬が天下を取るところを是非とも見たいですねー。その時は自分も滋賀県に初上陸します。
WOWOWでドラマ化なんてされたら嬉しいな。
あと、ちょっとだけ成瀬が白河三兎の作品の田嶋春(タージ)を思い起こさせました。
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成瀬の個性の強さにやられました!読み終える頃には、すっかりファンになってしまう。彼女が挑戦する数々の突飛な行動にたびたび驚かされるが、「たくさん種をまいて、ひとつでも花が咲けばいい。花が咲かなかったとしても、挑戦した経験はすべて肥やしになる。」という言葉が、彼女の生き様を表現していて、感銘を受けた。
そして、それをそばで見守る島崎さんも素敵。二人の仲がこれからも続いていってほしい。
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・2月14日に読みはじめ、15日に読み終えました。
・NetGalleyで読んだ。
・おもしろかった~! 久しぶりに""純""って感じの青春小説読んだ気がする。まぶしい。なんだかめちゃくちゃ人生を感じた。
・客観的に見たら大きな事件だったり深刻な出来事は起こっていないのだけど、成瀬や島崎たちの感情や思考がみずみずしくて、中高生時代の心の鮮やかさとか見えてる/生きてる範囲の狭さを自分の記憶のように思い起こしてしまう。当時の自分はそんなことなかったよ、と言うんだろうけど、なんでも楽しく感じてた頃の空気がすごく濃い!
・中高生が主人公の話がほとんどで、内容も「地元デパートの閉店を見届ける」「M-1グランプリに出てみる」「高校デビューに思い悩む」といった話の中で、唯一40代の大人が主人公になっている「階段は走らない」が異質な話になっていないのがすごいなと思った。内容も小学校の頃に転校したっきり行方知れずだった同級生と30年ぶりに再会する、というかなりドラマチックな話なんだけど、いい意味ても悪い意味でも浮いていないし、それは他短編がなんでもないように見える出来事でも若さゆえのひとつひとつの出来事への感受性だったり情緒がすごく豊かに書かれてるからだし、敬太とマサルが旧友に再会したことによって若い頃と同じ気持ちになれたこともあるかもなあと思う。
・成瀬という人。前半で成瀬の突飛さ異質さをたっぷり描写して、後半の「レッツゴーミシガン」「ときめき江州温度」で彼女もひとりの少女だと地に足をつけさせたのが良かったな。この二作品が特に好きかも。
・他校の男の子から淡い恋心を抱かれたり、親友が東京に引っ越すと聞いて普段どおりでいられなくなったりする成瀬はかわいらしかった。今まで島崎の都合を考えずに自分勝手に振り回していたかもしれない、言ったことを最後までやり遂げずに不誠実だったかもしれない、と思い込みで悩むところなんかただの高校生だった。
・良いなあ成瀬。どう思われるか見られるかも気にせずに耳上のツインテールで登校してた高校3年生のころ思い出した。
・あと話の随所に地元あるあるが詰め込まれていて、すごく内輪ネタな話題もあるんだけど、全然するっと読める。丁寧に書かれてるから意味がわからんな~ってなることもないし、成瀬たちが生きている滋賀県大津市の空気が色濃く感じられて良かった。行ってみたいな。ミシガン乗りたい。
・小説読んでて、あーおもしろかったなすごくよかったなと思うことはたくさんあるんだけど、元気をもらえたなーって感じることはほとんどない。でもこの作品からはだいぶ元気をもらえた気がした。外に出たとき、私は私の生まれた街を大事にしたいと思ったし、具体的なことは思いつかなかったけど、いろんなことやってみたいなと思った。なんだか嬉しい気持ち。いい本でした!
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第20回「女による女のためのR-18文学賞」で、史上初のトリプル受賞(大賞・読者賞・友近賞)を果たした「ありがとう西武大津店」を起点とする連作長篇。不可思議な言動をする女子・成瀬あかりと、彼女の言動に振り回される(?)島崎みゆきの2人を中心に書かれている。
成瀬は頭が良すぎるがために、その発想が凡人には理解されないように思えた。ぼくがガキの頃にも、勉強はできるのに異常な言動をするやつが1人や2人はいたような気がする。別段、ウケを狙っているわけではなく、いたってまじめなのだが、結果的に変人扱いされてしまうという……。
しかし成瀬は、他人の評価や態度など気にすることもなく、我が道を突き進む。いいなあ、このキャラ。
この文学賞からは好きな作家が多く輩出されているので注目しているのだが、また1人、追いかけたい作家が誕生した。
刊行日 2023/03/17、NetGalleyにて読了。
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なんだろ。淡々と進むんだけど面白かった。
成瀬のキャラが絶妙で。なんかあんまり考えずに読み進められたな。成瀬のこうと決めたらとりあえずやってみる、進んでみる。大事な精神だなと。年取ると新しいことにチャレンジするって色々と言い訳作ってやらないことを正当化しちゃうから、見習いたい。自分も高校生くらいまではチャレンジしてたもんな。
まぁ成し遂げる前に次に進んじゃうのは、あれだけど、、、そういう好奇心も大事か。
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『成瀬の一挙手一投足が尊い』
主人公・成瀬あかりの中2から高3までを描いた疾走感あふれる青春小説。子気味良いテンポで淡々と進んでいく。それでいてウケを狙っているわけではないのにクスッと笑える。このシュールさこそ本作の魅力。たまらない。
まず成瀬あかりという人物を紹介しておこう。滋賀県大津市出身の中学2年生(のちに高校3年生まで成長)。成績優秀。物怖じしない。マイペース。中学では陸上部、高校ではかるたに傾倒。200歳まで生きることが目標(?)。M-1グランプリを目指す(??)。急に坊主頭にする(???)。クラスではちょっと浮いた存在で、悪意を込めると変わった子。だが、言葉を文字通り受け取る素直な子でもある。この尖ったキャラクターが、なぜか愛おしくてたまらないのだ。
本作は6話で構成される。1~5話までは成瀬の幼馴染・島崎みゆきをはじめ、成瀬を取り巻くキャラクターの視点から描かれる。ここで読者は成瀬という突拍子もない人物を目の当たりにする。そして満を持して最終話で初めて成瀬視点の物語が綴られるのだが、最後の最後で成瀬の人間味が垣間見られてグッとくる。なんてハートフルな作品なんだ。
1話目の「ありがとう西部大津店」は新潮社の新人文学賞・女による女のためのR-18文学賞で史上初の三冠を達成。つまり本作は著者・宮島未奈さんのデビュー作である。宮島さんは大津市在住。なお西部大津店は2020年8月に本当に閉店しており、そこから着想を得たという。著者の思い出がたっぷり詰まった作品であり、行ったことのない大津市のことも好きになってしまう。
意味がないと思われる行動に意味を持った時、人は手のひらを180度返す。本作ではそんな感動を味わえる。バカらしいことを大真面目に全力で振り切っているから面白いのだ。琵琶湖のようにキラキラした、パワーたっぷりの青春応援ストーリー。成瀬はきっと200歳まで生きるので、この物語はまだ序章にすぎない。成瀬の一挙手一投足が尊い。たぶん明日も明後日も成瀬のことを考えてしまうだろう。
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青春ものや、日常系の連作短編集はあまり好きではないのに、主人公が最高すぎて楽しく読めた。
主人公が良いキャラなのと、学生時代の自分の居場所を必死に確保する周りの登場人物たちの心の葛藤も描かれていて、そこも面白かった。
続編が出たらぜひ読みたい。
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はじめは成瀬のことをおもしろく読んでいたが、最後には成瀬のことが大好きになった!
滋賀県民にお馴染みのスポットがこれでもかと出てきてドキドキする。(そんな体験今までなかった)
県外の高校生が、観光船ミシガンについて「これ、デートで乗るやつじゃん」と言うシーンは、県民として戸惑ったよ。笑
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R-18文学賞受賞って物語のジャンルにとらわれず本当に面白かった作品に送られるんだなと改めて認識した。性にまつわる物語から、今作のような突き抜けた勢いのある青春小説までもが目にとまるなんて、素敵な賞だ。
成績は抜群で何でもできてしまうが人として変わっている成瀬を主役に、全力で取り組む彼女とまわりの人々が織りなすそこまで大きくない日々がとても愛おしい。単に突っ走るだけでなく、成瀬も成長する。恋、友情、そして地域によって成瀬自身が深まっていく様に読む手が止められなかった。
成瀬をもっと見ていたいと思う読者はきっとかなりいる。