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人的資本経営の本だが、開示全般にすり替わるなど、たまに拡散していくのが面白くもあり、落ち着かない気分にもなる。
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古くて新しい課題と言える。
人材はストックなのかフローなのか。
答えは見えないが、このテーマについて企業等においても本気と見せかけがあることは朧げなく見えてきた。これは、おそらく本書のメインテーマではないのだろうけれど。そういう意味で(これも本書で述べられていることは見る角度が違うとは思うが)、HRとESG、SDGs等との共通点も見えた。
著者が伝えたいと思ったこととは違うことを受け取ってしまって申し訳ないが。
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人的資本経営の本質を過去から現在までの変遷を紐解きつつ、今なぜ求められているかを表面的でなく真正面から向き合い解説された一冊。インタビューや対談のパートもリアリティがあり参考になった。
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「人的資本経営」は人事関連の仕事をやっている人であれば興味を持たれている方が多いはずの概念である。
ちょっと間違っている記述も多いかも知れないけれども、自分の頭の整理のために、日本での議論の経過みたいなことを下記してみたい。
■2014年に発表された「伊藤レポート」というものがあり、そこでは、日本の企業の収益性の低さが問題とされ、少なくともROE8%を目指すべきであるし、その数値目標達成のための方策を含め、企業と投資家の間で対話がなされるべきであるという主張がなされた
■この提言は、2014年の金融庁による「スチュワードシップ・コード」や、2015年の証券取引所による「コーポレート・ガバナンス・コード」に強く関連づけられていく
■その後、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」や「人的資本経営の実現に向けた検討会」での議論を経て、「人材版伊藤レポート」「人材版伊藤レポート2.0」が2020年と2022年に発表される
■この動きを受け、2022年8月に内閣官房より、人的資本に関しての「開示が望ましい19の項目とそれを評価する4つの投資視点」が公表され、企業に人的資本情報の「見える化」が促された。更に、2023年3月期決算以降、人的資本に関しての一部情報を有価証券報告書に開示することが義務付けられた
という経緯から分かる通り、この議論は、日本の企業にとっては比較的新しい議論であり、最近になって対応を迫られている議論である。
一方で、特に米国で学術的研究の歴史は長い。日本での研究は、上記の政府・企業を巻き込んだ動きが出てきてからと歴史が浅いと理解している。
本書を読んだ感想は雑駁なものではあるが、下記のようなことを漠然と思った。
1)人的資本経営に関しての「個別項目に関しての情報開示」の前に、その定義なり、目的が、例えば人材版伊藤レポートの中で議論され、共有されているのか不明。「情報開示」が目的化して、もともと何のためにやっていた(日本企業の企業価値、収益性や成長性を高めるため)か、との関係が曖昧になりそう
2)人的資本の活用のためには、それをどういうストーリーで活用し、企業価値、収益性、成長性の向上につなげていくかのストーリー(普通、それを「戦略」という)設定がまず必要であるが、今の議論は、それとは関係なく、人的資本の個別項目の開示等の議論になっている(ただし、RBVという考え方があり、そこでは企業の有している従業員の能力の有能さやユニークさが戦略を導くという考え方もある)
しばらく、「人的資本経営」については勉強を続けていく予定