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感想
なぜ自分はダメなのか。責める必要はない。脳がそのようにできているから。習慣を変化させた人が特別。それを理解した上で人間を眺める。
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すべての教育で重要なことは、神経系を敵ではなく味方にすること=習慣にする。
赤色で書いた青い札=とまどうのは文字を読む習慣があるから。
ドーパミンは快感よりも、動機付けの役割が大きい。
過去の習慣は簡単によみがえる。道具を見ただけでも習慣がよみがえる。
習慣的行動を止めるには、意志力ではなく誘惑をなくすほうがいい。
発表されているデータは都合がいいものしかない。マインドフルネスが有効でない、というデータは世に出ない=出版バイアス。
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◆なぜ人間は習慣を持つのか?
・私たちは、「この世界の多くの側面がきわめて安定している」という事実を忘れがちだ。
ex.物理法則や、世界の構造
・しかし、天候や法律など、変化する側面もある。
・そこで脳はジレンマに直面する。私たちは、安定した側面に脳を自動的に対処させることで、考えるという行為をできるだけ減らしたいと思っている。
◆安定性と可塑性のジレンマ
いつもの道が工事中なら、そのことを覚えておかねばならない。しかし工事が終われば再び安定性を取り戻す。どのタイミングで脳は変化しているのか?
◆習慣は経験の痕跡を残さない
→ドアに鍵をかけたかどうか思い出せない
◆行動を変えるために
→コミットメントデバイス
Ex. 目標が達成できなかったら、誓約の金額を寄付する
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本のタイトルに惹かれて図書館で予約。順番待ちして受け取った時、ハードカバーだったことにまず驚いた。
一般読者を惹きつけるタイトルとは裏腹に、内容は徹頭徹尾アカデミック。論文を読んだ感覚。
自己啓発本には習慣が9割、10割などと謳われるタイトルが多いが、そもそも習慣を変えること(特に長く続けた習慣)は、事故や病気で脳の一部が損傷でもしない限り不可能だとさえ感じた。
ただ、人の行動は環境に依存することは間違いないので、「自制心」に頼るのではなく、「自制心が必要とされる環境を回避する」ことで「悪い習慣」に導かれるきっかけを減らす方が、(やめたい習慣を変える)成功率は高いようだ。
同時進行で読んでいた『小さなダイエットの習慣』の内容を後押しする学術的な本を読めて良かった。
税抜3600円。いわゆる自己啓発本が1200円程度なので、学術本ならではのお値段。日頃ビジネス書に慣れ親しんだ一般読者としては読書体力のいる本に間違いない。
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良くない習慣がなかなかやめられないのは、意志が弱いと言うより、むしろ自制心が強いと思われる人が、衝動を抑えるのが上手いのでは無く、そもそも自制心を働かせる必要性を感じない、というのは目から鱗でした。
読んで良かった。
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「習慣」とは何か?どうして私たちはそれを変えられないのか?と科学的に説明しようとする(しきれないのが脳科学の難しさだ)大著。
行動に報酬を与えるドーパミンという一般の理解を裏切るが、実はドーパミンは動機づけの役割の方が中心らしい。いや、役割が多すぎて正確にはわかっていない、というのが実情だそうなのだけど。
「習慣」とはつまり「選択肢を狭めようとする脳の作用」と言って差し支えないかな。選択肢が無限にあっても動けなくなるので、脳はある程度のすることを勝手に決めてしまう。それが意識しなければ実行されるような「習慣」になるわけだな。
それを意志の力でやめようとしても無理なので、環境から変えたり他の習慣で上書きするしかない…という、まぁそりゃあそうですよねみたいな…。
本筋とは関係ないのだけど、科学世界の持つ不完全さをポルドラック氏が誠実に語ってくれる部分も好印象。みんな思ってたけど、それをここまでの人が言ってくれるのはマジで凄いな…。
あとカール・ダイセロス教授が言っていた「光遺伝子学」が至る所で使われていて結構燃えた。fMRIのような主流技術になりそうで期待ですね。
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習慣化は条件反射からやめたいものまで多種多様。これを脳神経科学だけで説明できれば良いがそれも難儀。まだまだ実像には遠いのかもしれません。
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この本は、習慣と脳の関係性を、科学的エビデンスを下に整理し、習慣がどのようにして形成されるか、そして習慣を変える事が如何に難しいかを、これでもかも言うぐらい説明してくれる。
だが、良い習慣(例えば早寝早起き)などを身に付けたい、という方が読んだ場合、肩透かしをくらうかもしれない。本書の主は「悪い習慣が何故止められないのか」を軸として、感覚や精神論には一切触れず、科学事実だけを述べていく。読者はタイトルなどをキッカケとして本選びをするが、タイトルが幅広い問いかけを促しているので、間口は広いが、結果として読者を選ぶ内容になっている。
だからこそ、読解というよりむしろ、「誤読」とも言うべき、内容を取り込み、変換解釈する読書法が必要な本となっている。何度も言うが、本書は科学的エビデンスを述べ、最前線の状況を教えてくれる。過去のセンセーショナルな習慣に関する知識をアップデートしてくれる。ひたすら俯瞰された視点であり、個人に寄り添うための、心地よいフレーズなどは存在しない。「明日からはこうしなさい」という押し付けもない。あるのは「習慣がどのように形成され、止められなくなるか」であり、習慣が形成される脳の仕組みのみだ。
だが、習慣というものが、精神論や自制心などに結び付けられ論じられがちだが、それは脳の仕組みとは関係のないことであり、一歩引いた視点での科学本として、本書はとても骨太である。
悪い習慣を止めたい、良い習慣を身に付けたい、子どもや部下に良い習慣を身に付けさせたい、といった場合に、主観的精神論に陥る事なく俯瞰できるきっかけが欲しい方にオススメの1冊である。