紙の本
帰ってきた!
2023/04/21 07:31
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投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
古き良き時代のスペースオペラが帰ってきた。
道具や筋立ては現代社会やツールを反映させているが、お話の内容は在りし日のノースウェスト・スミスやキャプテン・フューチャーそのもの。
一匹狼の主人公が、頼りになる仲間を得て困難な任務に立ち向かい、ボロボロにされながらも、最後には何とか勝利をもぎ取る。悪の帝王は報いを受けて滅びていく。
そんな分かりやすい構図がなぜか心地よい。
物語の序盤で、キモである宇宙船を奪還したので、もうこれで終わりでいいんじゃね?と思ったが、その後の展開はまた昔の冒険活劇みたいでよかった。
しかし、ファーガソンがアシイグ人に改造されている間の回想シーンは要らんかったと思う。テンポが悪くなったので。
長い話の割にはなんにも残らないが、それがスペースオペラの醍醐味である。
サクッと読み飛ばしてスキッとしようぜ!
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スペースオペラを久々に読んだこともあるかもしれないが、これはめちゃくちゃ面白かった。
凄腕の捜し屋ファーガス・ファーガソンが、盗まれた巡航船〈ヴェネチアの剣〉の捜索中に、星間の勢力争いに巻き込まれていくという話。
スペースオペラだけあってさまざまな出自の人物たちが出てくる。その誰もが魅力的で面白いのだが、特に主人公がめちゃくちゃ可愛い。
凄腕で、めちゃくちゃな作戦も成功させてしまうような運の強さも持っているのだが、時折ネガティブスイッチが入ってしまう。そうなると俺なんて……みたいな面倒な性格になる。周りも大丈夫! と叱咤してくれることもあるが、次第にまーた始まったよ……と適当にあしらうこともあって、そのやり取りを見てるだけでも面白い。
700ページ近くある大作ではあるのだが、リーダビリティが高くあっという間に読めてしまった。
このシリーズは3部作の1作目のよう。本国では2022年に3作目の刊行もされたよう。
今後の展開が楽しみだ。
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辺境星域に盗まれた巡洋艦を追いかけてきた捜索者。行動不明の異星人影響化世界での権力闘争に巻き込まれる。次々と場面が切り替わり、明らかになる人間関係と世界観。そして大団円。宇宙を舞台にした冒険活劇。いろいろな設定が当初読み取れないところが残念。スペースコロニーや宇宙船の描写が少ないので読者の想像有無力が作品への興味に影響する。昔のハヤカワSFのように文中イラストが入るとまた違うと思う。
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ちょっと変わったヒーローがやってきた。
アニメ番組の知識でキーワードを解き、無重力の部屋でガラクタを組み立てる。
“探し屋”稼業の主人公、望んでもいないのに、関わった周りはどんどん悪い方へ向かう。
連続して振りかかるピンチに対し、主人公ファーガスの考える作戦はどこか笑えるところがあり、そんなところが楽しくなる。
“トラブルメーカー”と、うさんくさそうに疑いの眼差しを向ける周辺の人のなか、本人も“ヒーローなんてめんどくさいものにはなりたくない”のに、けっきょく関わってる。
「正義の味方、世界を救う、ヒーロー」じゃあないところが面白く、難波花月劇場的笑いと人情をちゃんと持っているので、安心して楽しめる。
謎の宇宙人〈アシイグ人〉が、主人公に言う……「興味深い存在であれ」
宇宙は広く、いくらでも物語がある。