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現在の還暦世代は、今後30年は健康で自立した生活が送れるとのことを、さまざまなデータを元に推測した書。高齢者の概念が変わる。還暦を過ぎても元気で活動できることが実証されているため、計画を立てながらいろいろ頑張ろう!という前向きな気持ちになれる。巻末に膨大な参考文献と図表出典がついているので信用できる。
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健康寿命をすぎてもすぐに日常生活に支障をきたすことはない。
最後の2年間は他人に頼る可能性がある。
がんは80代まで少ない。生存率は年々上昇している。
寿命の中央値は、男性84歳、女性90歳。半数がその年齢に達する。
2030年には、男性88歳、女性94歳程度まで伸びる。
アメリカは労働力人口の薬物、自殺、アルコールなどで死亡が増加し、平均寿命が下がっている。1990年頃のロシアもソ連の崩壊に伴い、低所得者層で死亡が増えた。
二人に一人ががんになる、は高齢化でますます増えるが、生存率も上がっている。
肝臓がん、肺がんは早期発見で生存率を高められる。
60歳の健康余命は約20年。世界トップ。
健康寿命の定義は厳しい。アンケートで、日常生活に影響があるか、が不健康に分類される。
要介護2までを自立寿命と呼ぶと、80代ではまだ少ない。要介護3になってからは平均的に男性1.5年、女性3.5年。
体力年齢は20年で10歳若返った。
二極化ではなく全員が健康になっている。室内環境が進化した。
睡眠時間は70代では長くなっている。
老化の減速がおきている。
腰痛は最大の有訴要因。一方で通院率は増加している。
重篤な認知症患者は多くない。90歳になったといは要介護の認知症は女性3割、男性2割程度。
認知症の数の把握は容易ではない。
結晶性知能は衰えない。
記憶力を試されている、高齢者のほうが記憶力が悪い、という予見が記憶力の成績を悪くしているのではないか。
知能、知恵は、能力と意志の掛け算。
90歳の同窓会は半数が出席可能。
会話があることはやはり重要。
還暦以降の結婚離婚は増えている。
死後離婚=妻が義父母の介護を避けるため。正しくは姻族関係終了。
90歳になった自分が60歳のころを思い出すところを想像する。あのころは、○○をしたいなあと思っていたが、年齢で二の足を踏んでいた。あの時始めていれば。とならないだろうか。
2023/10/26再読
寿命では、平均値は最頻値よりも必ず小さい。中央値を考えるとイメージが湧きやすい。国同士を比較するには適している。日本では中央値は男性84歳女性90歳。女性は半数が90歳を超える。90歳を超えると一気に亡くなる。
がんによる死亡は多くない。
健康寿命の測定はあいまい。80代で自立している人は多い。要介護3以上になってから生きるのは男性1.5年、女性3.3年。
長寿化は、老化が減速しているから。昔と比べて10年以上若い。
通院の最多の理由は高血圧、糖尿病、腰痛、が多い。
アルツハイマーは生活習慣病、肥満、飲酒、糖尿病、脂質異常症、運動不足。
流動性知能=頭の回転の速さ、は衰える。
結晶性知能=語彙、言語理解、洞察力は衰えない。
老化の防止には、想定外の出来事に対応すること。パターン化した日常をおくらない。社会的活動に参加する。
人とのつながりをもつ。他人と話す頻度を増やす。
高齢期は、テレビ視聴時間が増える=視聴爆発。今後はネット活用が増える。
75歳を超えて働く人は1割。起業するシニアが増えてきた。101歳までサラリーマン、78歳で料理本、70歳で弁護士、カーネルサンダースは65歳でケンタッキーを立ち上げた。
大都市部から地方への移住は日本全体で見れば小さな兆候。
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2023年29冊目。満足度★★★★☆
私も5年経つと「還暦」(60歳)
昔、自分が若い頃見た還暦の人はシニアな人だったが、今はとても若い
現在の還暦の人の多くは、健康なままで90歳になると本書は説く
思っていたよりも、将来は明るい様だ
人口動態などの最新データを引用、説得力ある内容
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還暦後の人生は、ほんとうに、そんなに不安に満ちたものなのだろうか?この疑問に、日本を代表するシンクタンク三菱総合研究所が取り組んだ。統計や資料の扱いについて第一人者の研究員が、現実の統計数値を新たに組み合わせて分析し、イメージではなく事実に基づいた還暦後の「ほんとう」を描き出した。そこで分かってきたことは、還暦後も半数以上の人が、病気や寝たきり、認知症と関係なく、それまでの人生とはあまり変わりなく健康に生活し、90歳を迎えることができるということ!
いわば、「還暦後のFACTFULLNESS」【目次】
第一部 還暦後を読み解く七つの視点
疑問1 私たちは平均寿命でこの世を去るのか?
疑問2 2人に1人はがんになるのか?
疑問3 健康寿命を過ぎたら寝たきりの生活が待っているのか?
疑問4 身体は衰える一方なのか?
疑問5 身体の不調を抱えながら生きていくのか?
疑問6 5人に1人が認知症になるのか?
疑問7 知能がどんどん衰えてしまうのではないか?
第一部のまとめ 健康長寿の条件
長寿化の原因/これからの健康長寿の条件/90歳の同窓会にはクラスの半数が出席可能
COLUMN 平均寿命の算出方法
第二部 「還暦後」への新たな視点
1 60歳からの30年を健康面から展望してみる
2 新しい世界への切替えができるか
3 90年の人生を30年で区分してみる
4 今後の30年間で気になるいくつかの事柄
つながりは大切!/時間(使い方)①余暇活動の拡大
②ネットのフル利用③友人知人との交流増加/
お金:収入も支出も減るが、ゆとりは増加‼️/住まい
COLUMN 還暦世代がこれから目撃すること
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平均寿命は、あくまで「平均」であり「最頻値」でも「中央値」でもない。
従い、病気の方や若年で死亡した人を除けば、平均寿命以上に更に生きる事になる。また、その期間は年々延長されており、今より若い世代は、より長生きする様になる。悲観すべき事でもない。健康寿命も延びている。他人に頼っての生活になるのは大体亡くなる前の2年位だという。こうした事をデータを基に解説してくれるので、説得力がある。漫画からの援用だが、サザエさんの波平が54歳とか、手塚治虫の時代の60歳はヨボヨボの高齢者で描かれていたとか。確かに、今の50~60台の人は若い。還暦以降はもはや老後ではない。では、どう生きれば良いのか。
本書の肝は、先ずはデータによって上記の事実に気づかせてくれること。その上で、孤独との向き合い方、時間の使い方。夫婦生活、お金の問題、認知症、がん、健康についてなど、「それから」の生き方について触れる。電子機器の操作方法(流動性知能)では、若い人にはかなわないが、気の利いた言い回しなど(結晶性知能)は若い人よりよく知っている。気を落とさなくて良い。
寿命が延び、若返っているのは、医学、衛生、栄養状態の向上。喫煙率の低下、電化製品の普及によるストレスや負荷の軽減。
全体的にポジティブな内容も多く、前向きになれる本。まだ先、と思っているが、先回りしてこうした事実を認識しておく事ができるというのも読書の良さだと思う。