紙の本
老父よ、帰れ
2023/07/13 10:30
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知症介護についてコミカルに描かれているが、その過酷さを知るにつれ、とてもじゃないが笑えない。
「感謝と敬意の気持ちを持てば、認知症の相手にも伝わる」とあるが、主人公の好太郎は、自分の都合の良いように解釈し過ぎで、前向きすぎる。何年も介護を続ける大変さを思うと、言葉を無くしてしまう。
でも、こんなにお世話しているのに、どうして自分の名前は呼んでくれないんだ、と思う気持ちはよくわかる。それを自分の都合に合わせようとしている、と非難は出来ないなぁ。
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認知症の父を自宅で介護することにした好太郎。介護休業制度を利用してと言うがさてさて、、、
若干思い込んだら一直線な感じがするけど好太郎さんはよく頑張ってる。奥さんや娘さんも大事にしてね。
認知症の人は幼子の相手をするより手ごわいと思うけど…
話が通じないイライラは幼子相手より募る気がする。
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ある医師の講演を聞き、認知症の父親を施設から自宅へ引き取ることにした好太郎。
好太郎は影響を受けやすいタイプだ。
良いと思ったら一直線。
そして、すぐに焦って先走るタイプでもある。
それが介護の中にも出ている。
それにしても、介護はやっぱり大変だと思わざるを得ない。
好太郎の性格や腹が立つけど個性的なマンションの住民たち。
それがまたリアルでユーモアもあるけど、笑えない。
家族だけでなく、地域からの冷たい対応…
これから、高齢化社会になっていき、誰もが向き合うことになる可能性も高い認知症なのに、そんな風に扱われるの?と思わず顔がひきつる場面も。
ただ、介護するだけでなく、その先の最期まで、考えることはたくさんある。
好太郎にイライラしたが、きっと自分も似たようになるだろう…
2023.11.6
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認知症の父親を施設から自宅マンションに引きとると決めた矢部好太郎。家族の協力を得て自宅介護を始めるも、食事に排泄の介助とままならぬことばかり。隣人からは過度に問題視され……。高齢者医療を知る医師でもある著者が介護をめぐる家族の悲喜劇を描く。
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趣旨一貫して,老いや死という人の逃れられない切実な現実を小説という形にして読者に突きつける.現実の受入が早ければ早いほど選択肢は広がるが,最適な答えなどなく,個々の死生観に依存する.医療の発達による長寿命化は,果たして知的生命体としての幸せにつながるのか,という使い古されたテーマに帰結する.
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実体験がないと書けない話しです。
最後にお父さんが死んでおわるなかと思ったら 元気に回復して終わりました。
あらあら
またまだ介護は続くやうです。
痴呆は人それそれ
主人の両親は見送りました。
自分の両親は 弟が主になって見送りました。
今度は私の番です。
どんな痴呆生活が待っているんでしょう?
母は明るく楽観的は人で そのようにボケました。
自分がどうなるかはわかりません。
子供がみるのが 正しいとも言えません。
明るく楽しい施設生活ができるといいですね!
介護は抱え込むと大変です。
この本では あまりふれていませんが 同居をOKした奥さんや娘さんも 大変だったと思います。
みんなが幸せに暮らすのは 難しいけど なんとかなるでしょう。 と思うことにしましょう。
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感謝の気持ちと敬意をもって接すれば、認知症でも穏やかになるということを聞き、自宅介護に踏み切った好太郎。持ち前の楽観主義があるとはいえ、この時点で尊敬に値するとまずは思った。現実はなかなか厳しいものがあり、なかでも排泄の問題は避けては通れないがゆえ、凄まじいと痛感した。一生懸命お世話をしている人に必ずしも見返りがあるわけではないし、メンタル面の持続も大変だと思った。好太郎の家族や弟たちが、介護をする好太郎を、客観的にみて、的確な言葉をかけているのも印象的だった。当事者は懸命になりすぎて見えなくなることもあるということも参考になった。
それぞれの家の中で、介護に奔走する人たちがたくさんいる。きれいごとではすまないし、いつかは自分にも関わる問題なので、とても考えさせられた。