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昭和の少女雑誌に掲載された絵物語「王女アンナ」。元子は奇妙な物語の世界に引き込まれていく(「王女アンナ」)女優・紫さぎりは長きにわたり人気女優として活躍しているが、彼女には大きなコンプレックスが……。(「女優さぎり」)昭和・平成・令和と続く家族のあり方とルッキズムの問題を描く、姫野カオルコの真骨頂となる小説集。
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かつて女の子、女子だったすべての人たちが思っていたモヤモヤやら、ジメジメやら、そして今に至るまで抱えてきたウツウツやサバサバ、ドキドキなどちゃんと言葉にしてくれたような、そんな胸のすく、腑に落ちる小説でした。
私はこの通り語彙の非常に少ないただの読者の一人でしかありませんが、カオルコさんの描く女性のようにいろんな思いを日々重ねているので共感出来ること、あります。
『悪口』『幸せ』
肯くほかありません。
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最初の出だしの子どもの頃の少女雑誌と姉妹の話までは面白いかなと思ったけど、あとはさっぱり
何もわからず、面白くなかった。
理解しようとしたのがいけなかったのかな?
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姫野さんの新刊。
発売前からチェックしていたので、図書館で扱うようになって即予約、比較的早く読むことができました。
久しぶりに触れる姫野さん独特の文体と切り口。
とても具体的な描写なのに、肝心なところが曖昧に描かれているような感じ。
日本に生まれ育った多くの女性が一度は感じたことのある、けれど何となくそっと蓋をしてきた、モヤモヤしたザワザワ。
そういうのをテーマにしたら姫野さんの右に出る方はなかなかいないと個人的に思っています。
本作も然り。
章ごとに異なる女性を主役としたストーリーが描かれています。生きる時代は異なるものの、その時代を象徴するような女性を暗に縛る日本特有の文化、日本人女性が抱えざるを得ないコンプレックスなどが巧みに描かれ、自分が生きた時代ではなくても共感できてしまいます。
最後まで姫野さんらしい、こねくりまわした文体なので(誉めています)私が感じ取った以下の感想は姫野さんが意図したものとは違うかもしれませんが、要するに、
「最近、太ってたり顔が大きかったりその他色々を素敵で美しいって言って誉め合う流れがあるけど、それって変じゃない?美しくはないけど、それでもよい。でいいんじゃない?それを可能にするのは、自分と自分の周りのごく僅かな人に認められて支えられて生きることであり、それがあれば人は幸せ」
ということなのかなと。
姫野さんとブレイディみかこさん、対談してほしいなと改めて思います。
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先に書いた「王女アンナ」「王妃グレース」に書き下ろしの2篇を加えて昭和〜令和そして近未来にかけての家族の物語に仕立てた連作集。
なんだけど、まあ読みにくいったらありゃしない。以前に読んだこの作家の作品の感想にも文体が合わないと書いていたから、嫌なら読まなきゃよかったんだけど、間違って手に取ってしまった。
それでもルッキズムについての女の子(この表現もポリコレ違反?)の心理を、なんとなくモヤっと感じているところまでしっかりと言葉で言い表しているところはすごい。
一番頷けたのは自己肯定感の部分。
ルックスそのものじゃなくて“籠の中にいるあいだにもらった自信の強度”がその後の人生を左右するということ。これには激しく同意。
余談ですが、冒頭の作中作『王女アンナ』の物語は某宮家の姉妹を、「女優さぎり」の中のニーカイ一家の話は某アイドル夫妻の娘を思い起こさせ笑ってしまいました。
もちろん巻末には“この作品はフィクションであり云々‥‥”の一文がしっかり入っていますが。
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4編から成る小説。それぞれの登場人物が微妙に絡み合っていて文体もあって、なかなか読み込めず。でも妹が可愛くてそれがコンプレックスの私からすると色々な意味で刺さる本であった。はい、そんな私もそれなりに暮らしています。
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様々な立場(女優から一般人まで)の4人の人生観が現れたエッセイ集。「彼女は頭が悪いから」を読んですぐに見つけた姫野カオルコさんの作品なので購入。帯にルッキズムと書いていた通り自分の容姿やその受け取り方、容姿によって経験した思いなども書かれていた。4人の人々は絶妙に絡み合っていて、その関係性を把握しきるのが困難で割と読みづらかった。
ここに出てくるメインの女性達は自分の容姿が美しくなくても、多少不満があってもそれでいいのだと考え自分の人生を生きられていた。しかし若い登場人物のaは美容整形を受けるなど現代のルッキズム事情が書かれリアルだと思った。4人のように容姿を受け入れて生きられたらいいが、現代は受け入れたくても受け入れられず精神を止んだり医療に頼る人がかなり多いだろう。現に街中で一重の若い女性など以前と比較して滅多に見かけない。
ルッキズムは現代のように顕著にならずとも昭和時代から存在していたこと、しかし人々のルッキズムの受け取り方は変わったことを認識した。
そして登場人物皆家族に恵まれていることに気づいた。姉妹の扱いの差など多少気になる点があったとしても、家族間での関わりが強く自己肯定感を高めるような教育があったと思う。だからこそ皆自身の容姿を受け入れ自身の人生を歩めていたのだろう。王妃グレースの話であった教育における自信→目標→達成のサイクルの影響は人格を形作ると、私の周囲の人達と照らし合わせても感じた。
2章で出てきた「足入れ婚」はかなり気持ちが悪かった。
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バービーの映画公開とリンクしてたのか?と思うほどのタイミング。そしていつもながらなかなかに一筋縄ではいかない小説。
四章だての構成だが、章ごとの登場人物や小説内物語の主人公たちが微妙に絡み合いながら、それぞれの葛藤を通してテーマが浮かび上がってくる仕掛けが見事。
当然のように社会が押し付けてくるもの、その押し付けに対して声高に抵抗する力、でも現実にはそれらとは別の世界があって、本書はその豊かさに気づかせてくれる。
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面白かったのは最初のアンナのところだけ
楽しみにして読んだのに最後まで
言いたいことがわからなかった。
ただ昔の話の思い出話、女性のルックスに
ついても中途半端な感じで終わっている。
一言つまらなかった