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性や生殖:子孫を残し、種を繁栄させる→生命をつなぐ
生を受けた個体の使命、全力を注ぐべき本能的な行動
シャチ・相手を威嚇するブリーチング←大きな背びれ・身体
ザトウクジラ:繁殖直にオスだけソングを奏でる
アカボウクジラ:傷は漢の勲章
イッカク:牙の長いオスほど生殖のチャンス
ラッコ:噛みつく→交尾の体勢を安定
ゴリラ:シルバーバック、ドラミング→むやみな闘争はしない
テングザル:鼻の大きさと体重・睾丸に正の相関関係
マンドリル・構造色:発色して見れる色
クジャク:目玉模様→性選択・性淘汰
ランナウェイ説
生命の連なりという長い道のりの通過点にすぎない
動物:迷うことなく前を向いて生きている
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前著「海獣学者、クジラを解剖する。」に続く。
前著のお陰で、日本ではクジラの遺体の有効利用への理解が進んだのではないかな。
さて、本著のテーマ 死でなく、生殖である。
全体的な感想として、オスは自分の遺伝子を残すためにひたすらメスを求め、奮闘努力する。メスは自分でオスを選ぶというけど、結局オス同士の戦いの勝者を無条件に受け入れる、という感じですね。
以下、蘊蓄
・シャチは背びれの大きさでオスの優劣が決まる
・ザトウクジラはラブ・ソングを歌い求愛する
・ザトウクジラの歌は毎年流行が変わる
・ザトウクジラの歌は3000キロ先まで届く
・ザトウクジラはシャチに襲われた動物たちのガードをする
・ザトウクジラの歌はCDやYoutubeで聞ける
・イッカクは牙の長さでオスの優劣が決まる
・海底のミステリーサークルは巣で、海水の流れを良くして酸素供給を増えすための形
・ゴリラの白い背中はイケメンの印
・強いオランウータンは顔がでかい
・ニホンカモシカは牛の仲間であり、鹿の仲間ではない
・テングザルは鼻が大きいほどもてる
・孔雀のオスのメスへのアピールは羽根から、鳴き声に変わってきている
・セミクジラの陰茎の長さは3から4メートルで哺乳類最大、著者は鯨類ではセミクジラが一番好き
・セミクジラは交尾の際に大量の精液で、元々あった精液を洗い出す
・ヤギの交尾はほんの一瞬 交尾中は危険なためとあるが、では出産も一瞬なのか?そこには触れられていない
・基本野生動物のメスはワンオペ育児
・ライオンは数頭のオスでハーレムを作る
・ライオンは陰茎のトゲトゲで排卵を促す
・ライオンの交尾は1回20秒、1日50回以上これが1週間つづく、これに応えられないオスはメスに群れを追い出される
・イルカなどは逆子で生まれる、頭から生まれると溺れてしまうおそれがあるから
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前作が面白かったので購入。
今回は海の動物はじめ動物たちの繁殖や求愛がテーマ。
知らないことがたくさんで面白く一気に読めた。動物たちは子孫を残すために生きているんだなと改めて感じた。そのために様々な仕組みを進化の過程で得ていることがこの本を読んで理解できて深い感銘を受けた。
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「クジラの歌を聴け」と命令形?
ナニナニ?
ザトウクジラのジェントルマルの対応には
震えるほど感動しました。
陸から海で生きる事にしたときに、様々なものを陸に捨ててきたの?神に近づいたの?
ラッコがシェパード位あるなんて、もっと小さいと思ってましたそれに交尾の為?鼻に噛みついて死なせてしまうことも。
「ダーウィンが来た」が好きで覚えのある映像も。
面白かった!
動物たちからすれば、「わかってたまるか!
なのかもしれないが、わからないからこそ面白く、さらに突き詰めたい理由にもなる。
・・・・・命を得て生きることの喜びと勇気をもらえる。「生きること」は結構大変だけど、それだけで素晴らしいことなのではないかと。
人間は、「ただ、生きること」に満足せず、
それを楽しむことも忘れがちだ。
そんなとき、動物たちの生きざまからヒントをもらえることがあるのではないだろうか。
と田島先生。
子孫も残したし、あとは楽しむことか!?
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クジラに限らず、動物たちの繁殖行動と育児方法を教えてくれる。
動物園や水族館等で見る動物たちは、こうして命をつないできたのね、と感心。
所詮ヒトも動物の一種。あんまり変わらないんだなってあらためて思う。
やはり生物科学の分野って面白いな。
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安住アナのラジオを聴いて図書館で借りた。人気で予約待ち。
読んでいると動物園に行ったかのような感覚になる。皆が懸命に生きている姿に元気を貰える。世界は上手くできているなぁという神秘。新世界みがある。ただ表紙からは想像できないほどに外で読むには、はばかれる内容かもしれない。
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クジラの歌を聴け
動物が生命をつなぐ驚異のしくみ
著者:田島木綿子
発行:2023年4月20日
山と溪谷社
タイトルに惹かれて借りて読み始めると、一昨年10月に読んだ「海獣学者、クジラを解剖する。」という本と同一著者だったことに気づいた。国立科学博物館に所属し、筑波大准教授を務める海獣学者が、前著では海棲哺乳類(鯨類、鰭脚類、海牛類)の基本的なことを書いていたが、今回は、生殖、繁殖に関する基本事項を説明してくれている。求愛行動、生殖器と交尾、生まれたばかりの子の生存戦略(子育て戦略)について、一部、陸上の哺乳類も交えて解説。なお、著者は、大学院は東大だが、その際の論文は海獣の生殖器がテーマだったようだ。動物行動学+解剖学による考察本。
とても興味深く、かつ、楽しい本だった。素晴らしき1冊。
動物にとっての求愛は、人間のそれとは少し違う。人は愛を求めるものの必ずしも繁殖には繋がらないが、動物にとって一番肝腎なのは繁殖であって、子孫をより多く残すことかがすべてである、としている。なるほど。そのために、海の王者シャチは、武器にするわけでもない背ビレをオスは2メートルの高さにみせびらかし、ザトウクジラのオスはメスへの求愛アピールとして3000キロメートル超もの先まで鳴り響くソング(歌)を奏でるように進化した。
ザトウクジラのソングは、毎年変化する。繁殖期の初め頃には前年と同じようなソングを歌っていた個体も、誰かが新しい歌を奏でるようになるとすぐに覚えて、その繁殖海域のザトウクジラはみんな同じソングを奏で、流行歌が生まれる。
子連れのメスは、基本的に発情しないが、その周りには常に数頭のオスが寄り添い、ソングを歌い続ける。ライオンのように「子殺し」などは行わず、母子クジラが波風の少ない浅瀬や島影などへ行けば、エスコートのオスは大きな胸びれを使って母子に危険が及ばないように注意しながら併走、〝ジェントルマン〟ぶりを発揮するが、交尾のチャンスを虎視眈々と狙う。交尾ができない場合は翌年まで持ち越すことに。
カナダの研究チームが撮影に成功した事例として、母子のクジラを狙ってシャチの群れが猛スピードで襲いかかろうとした瞬間、数頭のザトウクジラが現れ、母子を庇うようにシャチとの間に分け入った、というものがある。
また、氷上にいたアザラシにシャチが複数で突進し、海に落ちたアザラシを食べようとした時に、ザトウクジラがアザラシを体の脇に乗せ、仰向けのまま数十分泳ぎ続けて救出した、という事例もある。
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野生のラッコは北大西洋の北米から千島列島沿岸に生息しているが、近年では、北海道東部の沿岸に生息が改めて確認されるようになった。以前も多くのラッコが生息していたが、毛皮目当ての乱獲で姿を消していた。
オスのゴリラがするドラミングの解釈は、長年定着してこなかったが、2021年ごろ、ドイツの研究チームによる研究成果から、身体の大きなゴリラほど咽頭周辺にある気嚢が大きく、より低い周波数の音を、より遠くまで響かせることが可能であることが明かされた。その音��聞いた他のオスに、競争相手の戦闘能力を見積もらせ、無駄な闘争を避けるよう促す役割をしているという。
キリンはオス、メスともに、2本の可愛い角「オシコーン」があるが、オスは成長すると前頭骨中奥にさらにもう1本のオシコーンを有するようになり、後頭骨や目の上にも生じることがある。繁殖期にはオス同士でハンマーのように重く頑丈になった頭を使い、首をしならせて相手の首や胴体にぶつけるネッキングという闘いをし、場合によっては相手に致命傷を与えることも。
テングザルのオスは、鼻が大きいほどもてる。睾丸サイズと比例していて、繁殖能力が高い。
色の識別は、人間など大型類人猿は3原色(赤・緑・青)、犬など大部分の哺乳類は2原色(赤・青)だが、鳥や昆虫は4原色(赤・緑・青・透明(紫外線))を見分けることが可能。鳥はクジャクの羽根など派手な色使いで気をひく。なお、人は錐体細胞3つの組み合わせにより、合計100万色を識別可能。
セミクジラは哺乳類最大の陰茎を持ち、体長15-20メートルに対し、約3-4メートル。体長の5分の1から4分の1の長さ。精巣の重さは左右合わせて約1トン。自分より先に交尾したオスの精子を洗い流すため、大量の精液を流しこむためだと言われている。セミクジラはなんにつけても要領がよい。なお、地球上最大の動物であるシロナガスクジラは体長26-30メートルで、陰茎は約3メートル。
哺乳類の陰茎は、「弾性線維型」と「筋海綿体型」の2種類。線維質が多いか、筋肉と血管が多いか。鯨類は前者、人は後者。
かつてクジラは日本人にとって貴重なタンパク源であり、水産業は一大産業だった。鯨肉を保管する冷凍庫では、事故など起こさないことを願い、クジラのオスの生殖器(陰茎)とメスの生殖器(生殖孔部分)をセットで祀る習慣があった。クジラが交尾する時のようにスムーズに、安全に冷凍庫の商品を出し入れできるようにとの祈願。筆者は2-3年前、北海道の水産会社の冷凍庫リニューアル時に祀ってあったクジラの生殖器を引き取ってもらえないかと打診された。筆者が実際に実物を目にしたのは初めてだった。想像を超える大きさで、約2メートルの陰茎と、約1メートルの生殖孔部分は圧巻だった。冷凍庫でフレッシュな状態が保たれていたことも奇跡的だった。博物館が近くなら間違いなく前向きに検討したが、断念した。
*本のイラストを見ると、「しで」が下がった注連縄(しめなわ)もあり
ヤギの交尾は一瞬で終わる。パンと手を叩くぐらいの時間で終了。一突き型交尾。メスの発情を察知すると、S字状に折りたたまれた陰茎が瞬時に飛び出す。ちゃんと入らないこともあり、痛みのあまりオスが悲鳴をあげることも。交尾中は無防備なので、身を守るために早くすませる。目的はあくまで繁殖。
馬が歯と歯茎をむき出しにして大笑いしているような表情を見せるのは、「フレーメン反応」という現象。発情したメスに対してオスはこうする。初めて嗅ぐニオイや特有のニオイに接すると、「鋤鼻(じょび)器(ヤコブソン器官)」と呼ばれる嗅覚器官を外気にさらし、もっとそのニオイを嗅ぎ取ろうとする。笑っているわけではない。
犬の陰茎は人間や馬と同じで筋海綿体型で、血液が流入して膨張���効果するが、人にはない工夫がある。根元がさらに膨らんで「亀頭球」とよばれるこぶ状のものが形成される。これにより、膣内で完全にロックがかかり、陰茎が容易には抜けなくなる。
豚の陰茎は弾性線維型で、先端部がらせん状に回転し、亀頭がない。メスの子宮頸管が「頸沈」と呼ばれる粘膜のヒダによりらせん状になっていることから、これにあわせている。
セイウチは、陰茎内に骨がある。どんな哺乳類も交尾はメスが主導し、メスのタイミングにあわせなければならないが、その瞬間が突然来た時に、挿入できるかどうかが重要。骨があれば、たまたま調子が悪くても、それが可能。
ネコ科のオスは、陰茎の表面に「角化乳頭(陰茎棘(きょく))」と呼ばれる無数トゲ状突起があり、交尾中にこのトゲでメスの膣粘膜を刺激し、排卵を誘発する。ライオンは群れのリーダーになると、前のオスの子供を殺し、母ライオンを発情させる。1回の交尾は20秒前後、それを15分に1回、ときには5分に1回のペースで繰り返し、1日50回以上行う。長いとそれが1週間ほど続いて、オスは寝食をする間もない。オスはメスの誘いに応じられなければ群れから追い出されてしまう。
哺乳類の子宮は5タイプに大別される。
1.単一子宮(霊長類、翼手類など)
2.双角子宮(有蹄類、食肉類、小型反芻類、鰭脚類など)
3.両分子類(鯨類、大型反芻類など)
4.重複子宮(齧歯類、ウサギ、ゾウ、アリクイなど)
5.重複子宮で重複膣を持つ(有袋類など)
卵を産むときに流すウミガメの涙は、痛いからではないというのは有名だが、体内の塩分調整(電解質)の処理のため。人間の汗も、その役割を担う。一時、目の乾燥と関係があると言われたこともあったが、違うようだ。
海牛類(ジュゴン1種、マナティ3種のみ)は海草を食べる。海草というと昆布やわかめを連想するが、どちらも胞子で繁殖するため藻類であり、いまだに議論は続いているものの植物には含まれていない場合が多い。
北大西洋や北極海に生息するズキンアザラシの授乳は哺乳類最短と言われ、わずか4日間で終了する。生まれたばかりの子供は強いニオイを発して外敵に狙われやすい。母子が一緒にいると両方襲われて死んでしまう可能性が高まるため、早めに離れて生き残る確率をあげる。
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カモノハシの子どもは卵の殻を割って出てくるけれど、乳で育つので哺乳類。哺乳類の条件を誤って理解していたようです。人間が難産であることは、出産時に助け合い、守り合いができるがゆえ、胎児を密結合による胎盤で安定して育てることを選択していった経緯と知ると、哺乳類の進化は奥深いです。3000km先に自分の存在を知らせるザトウクジラはオーボエ、ビオラに似たソングを歌えることもまた大規模回遊にふさわしい能力の獲得でした。
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その鳴音を聴くと直ぐに涙腺が崩壊してしまう困った事態に陥る メラニン色素を沢山造り出して肌を黒褐色にすることで 群れを乗っ取った雄達から真っ先に行うのは、前の雄の子供を皆殺しにすることである。 雌に同化して自分の子孫を残せるのであれば 妊娠中に新たに妊娠する重複妊娠も可能である 子鯨は先に尾部から体の大半を出し、臍帯の切り離しをぎりぎりまで粘っている。 そこには、全ての動物が生存競争に晒されているのだという自然界の揺るぎない摂理があるだけである。 例えば、アカウミガメの場合、世界各地で雄より雌が沢山生まれていることが最近では明らかになっている。遺伝子因子 環境的因子 つまり、世界の海岸は29℃以上のところが多いという現実を突きつけられる。 ききゃく鰭脚類 国立科学博物館 山と溪谷社
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動物たちの性淘汰の世界、その戦術進化に驚く。その体の発達には意味があり自分の遺伝子を残すことへの執念には頭が下がる。
たくさんの図や絵が掲載されていてわかりやすかった。
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タイトルから、クジラの話だけだと思ったが、様々な動物たちの繁殖活動が紹介されている。
種によって、求愛方法や出産、授乳方法など工夫がみられるのが興味深かった。
印象に残ったのは以下の部分。
チョウチンアンコウのオスが、メスに寄生し、最後は体を失ってメスに吸収されてしまう仕組み
ウミガメやワニは、周囲の温度によって、生まれる子供の性別が違ってくること
クジラの子は全て逆子で生まれてくる
頭から生まれて胴体が出てこなかったら窒息死してしまうリスクを避けるため。
哺乳類の赤ちゃんの口と鼻を結ぶ線は逆正三角形
(かわいい、守らなくてはと思わせることで生きのびる戦略)大人になると逆二等辺三角形となる。
ザトウクジラが歌を歌うのはよく知られているが、どこから発せられているかは謎で、流行歌があることや、オスがメスをエスコートする話、別の種を助ける行動に驚かされた。
筆者が体験した小話や、動物の生態に興味が沸くような話が多いが、個人的には、もっと鯨の話を掘り下げてもらいたいと感じた。
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生き物の求愛行動についての書き出しで、面白さにどんどん惹かれていく。
知らない間に、交尾や子宮、胎盤の形など
専門的な内容になっていったのに、全く嫌にならず知識を取り込むことができる。
知った気になっていた身近な生き物や、全く馴染みのない生き物まで、以前より深く知ることができた。
地球に生きている生き物たちの逞しさ。
そして順応していく賢さ。
人間は、なんてちっぽけな能力しか持ちえなかったのだろうか。
私も、クジラの歌を聴きに行きたいと思った。
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動物の秘密ほどは情報が多くなかったが、本のタイトルにあるように生命をつなぐしくみについては、詳しく載っていて面白かった。ヤギの交尾は一瞬で終わることや、セミクジラの陰茎は大きいなど、中々普段の生活の中では知らないようなことも知れたので良かった。