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「あのバカは荒野をめざす」
2024/05/31 19:47
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投稿者:やさし - この投稿者のレビュー一覧を見る
27年後の自分がバカなことをしたあの日の自分を説得する。でも、荒野を目指す若者はそこへ行くはっきりとした理由と強い意志がある。恵まれた環境を飛び出して苦労している惚れた人を幸せにしたいという人には、やってみろってなっちゃうよな。自分もまたがんばってみようとすら思っちゃう。強い気持ちの力ってある。いい話。
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『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス』4巻。
「ぼくの悪行」「パラレル同窓会」「あいつのタイムマシン」と、本当はこうでなかった自分、こうなりたかった自分という、誰もが持ってしまう現実と理想の隙間。それを憧れや諦めで無理やり埋めて生活しているのですが、大なり小なり。理想だと思う自分に入れ替われるとしたら、どうする?どうなる?と問いかけてくるのは、子供よりも大人に刺さるのではないでしょうか。夢や希望を押しつぶす現実。それでも向き合い生きてゆかなきゃ、という暗さを抱えた希望を提示させられているような気がします。ひとかけらの染みがついてしまったキャンバスに、人生を描くのですよ、という感じかな。
なんかだいぶ黒いなFさん。
違う自分になれたとしても、現実からは逃げられない「超兵器ガ壱號」が一番黒い気がする。ガ壱號のモノローグがないので、彼がなにを思って軍務を全うしているかが不思議なのだけど、ラストで暴露される真実はちょっとなぁ。かわいそうでもあり、気持ち悪くもあり、共感もできるし、憐れむ気持ちもある。あれを陰キャのイキリと断じてしまうのは、しんどいです。
ラストが綺麗な「旅人還る」ですが、道中の絶望感から抜け出せなくてこわい。なまじ話あいてがいるからこそ、実は孤独であるという気づきのせいで怖くなってゆく。
思念体として永遠を生きた「火の鳥」猿田博士や、守護者として存在し続ける「DSJ」タダノヒトナリへの思いと似ている。ラストがあるから救われてはいるけども。
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SF短編コンプリート・ワークスにハマってしまいました。ハッピーエンドで終わる話もあれば、バッドエンドで終わる話もあり、そして、心にモヤモヤを残し考えさせられる話もあります。子どもが読むには難しいですね。
1番気に入った話は、「メフィストの惨歌」。冴えないサラリーマンが、悪魔と3000万円で魂を渡すという契約をする。魂を渡すのは、細胞の最後の一個の死亡が確認された時。主人公は3000万円を手に入れ、悪魔も魂を貰える契約ができ、一見両者が得したようにみえるが・・。最後のオチが気持ちがよかったです。
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『あのバカは荒野をめざす』
昔の自分を説得しに行く設定は「ドラえもん」や、このSF短編集でも何度も見たが、主人公のオジさんがとても好きだった。
結局、ジジイになった自分に説得されても決心した若者が道を変えるには至らないだろうし、逆に若者の意志の強さにあてられてジジイが奮起するというオチはこの設定の作品の中でも一番好きだった。
『並平家の一日』
星真一っぽくてよかった。
『超兵器ガ壱號』
地元の星でイジられてる宇宙人が日本に帰属意識持ってしまうの面白い。
全体主義的な時代の日本が舞台になっているのもよかった。
『クレオパトラだぞ』
デブの前世がクレオパトラな気持ち悪さの時点で好き。
『旅人還る』
これSF真っ向勝負って感じでよかった。三体X?のオチがこんな感じだった気がする
↑
これ、「脈動宇宙説」というらしい。
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あのバカは荒野をめざす
パラレル同窓会
あいつのタイムマシン
メフィスト惨歌
いけにえ
クレオパトラだぞ
テレパ椎
が読んでいて面白かったです。
特に、『あのバカは荒野をめざす』の話が印象に残りました。
昔の自分を見て「俺も昔はあんなに熱かったのか~」と感心し、今の自分を変えようと明日へ向かっていく後姿が好きです。
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やっぱり藤子F不二雄先生のSF短編は面白いなぁ…
勢いにまかせて全巻買ってしまったがじっくり読んでいきたい