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警視庁「特殊共助係」通称「香港警察東京分室」。香港警察と日本警察の個性的な面々国際的な凶悪事件を追う。ど派手な戦闘シーンは健在。現実版(十分現実離れしているが)「機龍警察」といったところ。
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鬼★5 日本と香港の警察官たちの乱舞! 知力・腕力・政治力・連携力で解決せよ! #香港警察東京分室
■きっと読みたくなるレビュー
こりゃ面白い!★5
エンタメ性が素晴らしく、次々迫りくるバラエティ豊富なアクション、中国VS日本、人間性と人間性のぶつかり合い、そしてザ・警察小説です。
どれも推せる要素ばっかりなのですが、私がイチ推ししたいのは登場人物たちですね。熱意と過去の思いが強く、知的だけど単純で、やたら警察官としての正義感に溢れている。見た目も中身も超派手で、わかりやすいんですよね。
誰がそうなの?って、全員ですよ、全員。
メインの中国、日本の警察官メンバーは10人いますが、全員ド派手です。昔のTVドラマだったら、あぶない刑事、太陽にほえろに出てきた刑事みたい。刑事同士のやり取りや会話も面白いし、このメンバーだけで何話でも読めちゃいそう。
ちなみに私の推しメンは水越管理官です。利発な女性は大好きなんですよ~、しかも見た目と中身のギャップ萌えですよ。完全に惚れた。
そんな彼らが国も揺るしかねない事件で大暴れするんですが、これがまた鬼スゴなアクションで魅了してくれる。めっっっっちゃ、カッコイイの!
文字でアクションなんて、伝わるの?と、思っているのであれば、それは間違いです。迫りくる敵と命を差し違えるギリギリの戦い。ぜひ文字の世界で体験してほしい。しかもアクションの場面もメンバーも戦い方もバラエティに富んでるし、プロットもよくできてるのよ。
そして警察小説としても読み手の面白どころがわかってらっしゃる。
日本の官僚体質や中国の隠蔽体質のツボをついた展開で、どんどんハイテンションになってきて読む手が止まらなくなる。ストーリーとしても胃にドスンとくるほど重厚感もたっぷりで、読み応えも真相も強烈。
問題提起もいいなぁ~ 平和ボケの日本人に、しっかりと命題を突きつけてきます。政治的にも社会的にも、今の自分がどれだけ安寧な生活が日々暮らせているのか。よくよく考えさせられましたね。
機龍警察シリーズで有名な月村先生ですが、本作も代表作になるようなバッチシな出来です。ぜひシリーズ化してほしい、期待しています!
■ぜっさん推しポイント
本作は素晴らしいセンテンスがめっちゃ多くて、何度も何度もナイフで胸を刺されました。文章が圧倒的に「強い」んです。これだけハッキリ言ってくれると気持ちいいですね。
以下本文引用:
・今の若者は「損をする」ということを本能的に避けたがる
めっちゃわかる、自分自身もそうです。
短期的や局所的には正解なことも多いですが、人生すべてをトータルで考えると、果てしてそうでしょうか。
・日本の偉い人は一度決めたことは変更しない。間違ってると分かっていても変更しない。人が死んでも変更しない。
間違った結果がでたら、すぐ原因調べて、次の行動を起こせばいいじゃねーか。間違うことより遅いことのほうが悪手ってことに、いつ気が付くのでしょうか。
他にも痺れるフレーズがいっぱいありますよ。いやー面白い作品でした!
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第169回直木賞候補作。文章と仲良くなるまでに少し時間がかかりましたが、後半は一気でした。キャラ立ちの良いハードボイルド小説で、楽しめました。シリーズ化するのかな?
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中国共産党に牛耳られた香港を要素にしてこんな話が書けるとは。
警官という存在の矜持に賭けたか。
作者特有の乾いたユーモアが心地よい。
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警察ものが得意そうな月村さんの作品を始めて読みました。主たる登場人物が日香合わせて10人もいてついていけるかなあと思いましたが、全然オッケーでサクサク読めました。活劇部分はビジュアルがイメージされ、アクション映画を見ているような感覚。
なるほどの直木賞候補作品でした。
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いやーすごい夢中になった!
感じとしては龍騎兵の出てこない『機龍警察』と言えなくもないんだけど
とにかくメンバーが良い!
香港警察東京分室のメンバーがみんな良い!みんなカッコイイ!みんな好き!
日中政府の思惑により表向きは国際犯罪に対して協力するために警視庁に設立された「特殊共助係」集められたの日本側5名、香港側5名
この10名に余さず見せ場を作ってこのページ数、すごい
そして、最初はバラバラだったメンバーがくせ者指揮官にのせられながら、国は違えど共通する警察官の矜持と覚悟をもとにちょっとづつ結束していく
うーん、これぞ月村了衛!
さらに、まだまだ深みも裏もありそうで続編にも超期待
そしてそして有無を言わさぬアクションシーンですよ!
月村了衛さんのアクションシーンは三次元いや四次元に展開されるのが大きな特徴
分かるでしょ!四次元言うたらもう伝わるでしょ!普通は二次元なのよ、平面的なのよ
あー面白かった
6月のベストのブックリストに追加しないと!
(間違えて昨日つくっちゃった)
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ノミネート作品でなければ読まないようなジャンルで苦戦しつつも読破…
ユーモアとか続きがある感じは好きだった。
いかんせん、カタカナの名前が覚えられない…!
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アクションにつぐアクション。脳内で映像に変換されて勝手にハリエットはどの女優が良いかしらと妄想させられる。こんな月村氏の作風は初めて。
読み終わってトライアスロンした位に疲れた(やった事ないけど苦笑)
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久しぶりに熱い警察小説を楽しんだ…という感じである。
香港でデモを扇動し、助手殺害で日本に逃亡したキャサリン・ユー元教授を逮捕する目的で捜査にあたるのが[分室メンバー]である。
日本警察5名と香港警察5名が動き出す。
とにかく[分室メンバー]いわゆる組対部特殊共助係が、素晴らしい。
だれが、というよりみんな個性豊かで独特であるが、管理官の水越には好感度が加速してゆくほど。
いちいち言うことに無駄を感じず的確であり、ちょっとおとぼけ具合が実に良い。
仲間たちを信頼しているのは一目瞭然だが、香港警察のメンバーにおいても嫌味なことを言うわけでもなく、各々のことをしっかり見ている。
頭脳戦、心理戦において日本警察か香港警察どちらが上手なのか…と思ってしまうような滑りだしのなか最終的には上手く協力しつつ、強固となっていく過程も見どころがあり、続編を期待してしまう。
最後に頷いてしまうほどの水越のことば〜
「この国の偉い人というのは、一回決めたことは何がなんでも変更しない、間違いだと分かってても変更しない、国民が何人死んでも変更しないという呪いにかかってるわけですね。これがゲームなら魔法の名は『思考停止』とか『責任放棄』とか『集団自決』といったネーミングになるでしょうね」
さらりとすごいことを言う。
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香港警察と警視庁のチームが犯罪の捜査をする。中国の犯罪組織が出てくると、暴力シーンが激しくなる。アクション中心の小説。
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1997年までイギリスの植民地だった香港での民主化運動を牽引したキャサリン・ユー元教授が日本に潜伏している。ユー元教授は2021年に大衆を扇動してデモをした際、警察機動部隊と衝突し多数の死者がでた上、逃亡の時に協力者の助手も殺害した罪で手配されている。そこで、日本の警察に特殊共助係という、日本香港から各5名のチームが作られた。全員広東語、北京語、日本語、英語ができる。
一人に対する呼称がコロコロと変わり、誰?と思いながら読むと話が入って来ないので、早めに登場人物紹介と対応させながら頭に入れた方が良いです。そのうちわかるかなーって、どんどん読んでいたら結局覚えられなくて途中から覚え始めてちょっと損した気持ち。
月村さんの話の世界観の広さと、正義感、そして何よりもアクション描写の素晴らしさはこのお話でも十分に発揮されています。直木賞候補…そぐわない気もするけど、ファンとしては、話題になってこれまで読まなかった人たちも面白さに気付いてくれればいいな。魅力的なチームなので、続編期待します。
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香港国家安全維持法成立以来、日本に流入する犯罪者は増加傾向にある。国際犯罪に対応すべく日本と中国の警察が協力する――インターポールの仲介で締結された「継続的捜査協力に関する覚書」のもと警視庁に設立されたのが「特殊共助係」だ。だが警察内部では各署の厄介者を集め香港側の接待役をさせるものとされ、「香港警察東京分室」と揶揄されていた。メンバーは日本側の水越真希枝警視ら5名、香港側のグレアム・ウォン警司ら5名である。
初の共助事案は香港でデモを扇動、多数の死者を出した上、助手を殺害し日本に逃亡したキャサリン・ユー元教授を逮捕すること。元教授の足跡を追い密輸業者のアジトに潜入すると、そこへ香港系の犯罪グループ・黒指安が襲撃してくる。対立グループとの抗争に巻き込まれつつもユー元教授の捜索を進める分室メンバー。やがて新たな謎が湧き上がる。なぜ穏健派のユー教授はデモを起こしたのか、彼女の周囲で目撃された謎の男とは。疑問は分室設立に隠された真実を手繰り寄せる。そこにあったのは思いもよらぬ国家の謀略だった――。
機龍警察よりもライトな筆致。アクションシーンは読ませます。
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それぞれの心情の複雑さと人物どうしの絡み合いを含め、登場人物の息遣いまで聞こえてきそうなリアルさがあった。
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日本・香港警察間での捜査協力関係構築の一環として、神田神保町に設置された特殊共助係。ただ警察内部では香港関係者の接待役程度にしか見られておらず「香港警察東京分室」と揶揄されていた。
その分室に持ち込まれた捜査事案は、香港でデモを扇動したうえに助手を殺害した容疑をかけられている元教授の逮捕。しかし捜査を進めていくうちに、香港系の犯罪グループの襲撃に巻き込まれる分室メンバー。
次第に明らかになっていく国家の謀略とは―――。
スピード感があり、アクションシーンも迫力がある。と思ったら脱力系のやり取りなんかもあったりして、そのギャップが読んでいて面白かった。
日本国内で他国の警察組織が公然と活動するというストーリー展開は相当無理があるけど、B級アクション小説に徹するという著者の開き直りのようなものを感じたので、まあこれはこれでアリかなと思った。
10名の主要登場人物はほぼ平等に描き分けされており、曲者揃いのメンツの個性がちゃんと浮かび上がってくる点もよくできている。ただ全てを見通す神のような存在として描かれている水越管理官の設定だけは、ミステリーとして読むとマイナスになっている気がしなくもない。
また、恐らくシリーズ化を見据えているせいなんだろうけど、主要登場人物について誰か死んでくれとは言わないまでも、最終的に何となく落ち着くところに落ち着いてしまった感はあり、読後やや物足りなさは残った。
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これぞエンタメ警察小説!
映像化ができそうなスピード感・アクション場面&登場人物の多彩なキャラクター
香港の複雑な問題を絡みつつ、派手な銃撃戦もあり、疾走感のある文章で爽快だった
ただ話が進む際に、場面場面で視点が10人いる主要人物の視点が次々と切り替わるので、やや混乱しやすかった
映画化するならこの人に、と俳優と当てはめながら読み進めたら、映像がより鮮明になり読みやすかった