短編と中編が三話
2023/11/23 22:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作より他の話のほうが面白かった。特に「本」は人を発狂させる呪いの本の話で、三話の中で最も長く、どんでん返しありのミステリー仕立てでおすすめ
投稿元:
レビューを見る
あらすじを見て興味を持ちました。
面白かった、が。グロい描写やなんとも言えない読後感……他者にお薦めはできないかな、と思いますね。
表題の人獣細工は、近い将来本当にありそうな設定で……。「自分」とは何か。何を以って、何処からどこまでが「私」であるのか。
思わず一緒に考えてしまう作品でした。
個人的には「本」も興味深い内容でした。
いつか、『相応しき者』は現れるのでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
どの作品も凄いなぁ!
個人的には吸血狩りが好きですね。あえて答えを出していないところが素敵♪
本もすごいし、どうして、こうした作家がどうして早逝されてしまうんだろうなぁ。
投稿元:
レビューを見る
『玩具修理者』が非常に良かったので、続いて新装版が刊行された本書も手に取ってみた。表題作の『人獣細工』と、『吸血狩り』、『本』の3編が収録されている。
『人獣細工』
先天性の病気でほとんどの臓器に欠陥があったことにより、医師である父親によって、遺伝子操作されたブタの臓器を身体の隅々まで移植された一人の少女。亡くなった父親が遺した"記録"に記されていたおぞましい真相とは―――。
真相自体は容易に予想出来るもので意外性はなかったが、テキストから滲み出てくるエグさは流石の・・・と言いたいところだが、こちらもぼちぼち。物語の完成度としては綺麗にまとまっていて良いが、衝撃度はイマイチだったか。
『吸血狩り』
毎年、夏休みの間、田舎の祖父母の家で過ごしていた"僕"。8歳の夏休み、今年も祖父母の住む田舎で過ごしていた"僕"は、従姉と従弟の3人で毎日野山を駆けて遊んでいた。しかし、ある日を境に、従姉の優ちゃんが2人とは別行動を取るようになる。その陰には、全身真っ黒は服を着込んだ、身長が2m近くもある"男"の存在があった―――。
個人的に、収録3編の中でNo.1。ラストの展開が全く予想出来ず、気になって気になって一気に読み進めてしまった。そして辿り着く、おぞましき驚愕の真相。心地の良い「ぞくり」、頂きました。なかなかに秀逸なホラー・ミステリー。
『本』
小学校の元同級生から突然届いた、奇妙奇天烈な内容が書かれた汚れ古びた一冊の本。小学校からの友人である未香に連絡すると、彼女の元にも同じ本が届いていた。他の元同級生にも届いているか確認するため、もう一人の友人で、未香の恋人の妹である密見子を訪ねるが―――。
コズミックホラーを彷彿とさせる不可思議な物語。この作品については、<人差し指があった部分にコンパスぶっ刺し→「指やー!今日から、これがわたしの指やー!」→血塗れピアノ演奏→紙面を埋め尽くす意味不明な文字の羅列>、これが鮮烈過ぎて、他が全部霞んでしまった感。ありがとう、密見子!
さすがに『玩具修理者』(と、『酔歩する男』)には及ばなかったが、それぞれに異なった"おぞましさ"を孕んだ良い中短篇集だった。角川ホラー文庫から引き続き著者の作品の新装版が出るようなので、当たっていきたいところ。次は『AΩ 超空想科学怪奇譚』かな。
投稿元:
レビューを見る
短編が3作品収録されている。
表題の人獣細工が一番好みだった。
史記の人彘(ひとぶた)とは違う人彘。
しかし、人の手によって細工されて歪な存在にされてしまった事は同じ。つくり手はそれに愉しみを感じていた事も。
この冒涜的で気味の悪い雰囲気が、ゾクッとして良い。
自分の愉しみの為に、他人の尊厳を踏み潰す事を厭わない、否むしろそれさえも歓びなのかもしれない。
汚いもの、悪いもの、残酷なものに何故か惹かれる人は読んでみるのも良いかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
※
『アリス殺し』〜関連は面白く読んだんですが、
この『人獣細工』と『本』はわたしにはエグさと
グロさのハードルがかなり高かった。
一口にホラーで括るには歪み方が違うというか、
何といったら良いのか…。
好きな人はハマるんでしょうかね。
心身の具合が良い時に再トライできればいいかな。
投稿元:
レビューを見る
3話収録の短編集。どれも面白かったが、グロい、エグいと聞いて覚悟しすぎていたのか、どれも思っていたほどのグロさではなかった。
話としては「本」が面白かった。
投稿元:
レビューを見る
・気味が悪くゾッとする雰囲気だが、ただ読者を怖がらせるのではなく、どこか"教訓"めいたものを訴えるような内容だった。
・どの話も分かりやすい結末はなく、匂わせて終わるところが、読者の想像力を掻き立てる。
・「吸血狩り」が個人的に一番のお気に入りだった。
・最後の解説も含めて良い本だったと思う。
投稿元:
レビューを見る
短編小説が3話入っている
人獣細工しか読んでないけど
今の技術だと実際に有り得ない話でも無い所が
妙に現実味があって ゾクッとした。
豚の身体で人間の脳なら 人間の身体で豚の脳なら
その物体は豚なのか人間なのか答えは様々別れそう
少し言葉が難しくて調べながらだったけど
新しい言葉を覚えられて良かった
投稿元:
レビューを見る
大丈夫かな、この作者の頭の中…と思わせるところが好き。
タイトルになっている作品は、残酷だよね。下手なグロ系よりも残酷。
投稿元:
レビューを見る
先天性の病気が理由で、生後まもなくからブタの臓器を全身に移植され続けてきた少女・夕霞。読む者を恐怖の底へ突き落とす、『玩具修理者』に続く第2作品集。
投稿元:
レビューを見る
実際に今の現代において豚の心臓を人間に移植しているので、人獣細工はホラー小説じゃなくなるかもしれないなと思った。全身に豚の臓器になったらそれは自分なのか豚なのか考えたこともなかったので主人公の葛藤が面白かった。
3話の中で『本』が一番好みでした。不気味でした。表現がグロいのもあるが、人の狂い具合がなんとも言えない。個人的には1話目の人獣細工より3話目の本の方がホラー小説って感じがしました。
投稿元:
レビューを見る
3つの短編が収録されています。グロテスクな表現はありますが、それよりも読んだ後の後味の悪さを感じました。
最初の人獣細工は、臓器移植といった現実にある事が含まれていますが…。主人公の私はいったい何者なのか?という哲学的な考えの揺らぎを感じました。あとは主人公の父親の倫理観を疑ってしまいます。
2つ目の吸血狩りは、いとこのお姉さんを吸血鬼から救おうとする少年の話です。が、少年が倒したのは本当に吸血鬼なのでしょうか?結末はどちらでも捉えられます。吸血鬼ではなかった場合だと少年はこの後さらに何人か倒していることが冒頭で示唆されていますので… 後味が悪いです。
3つ目の本については、同級生から送られてきた本がきっかけで展開されていく物語です。読んだものを支配し奇怪な行動に走らせるのは、クトゥルフ要素を感じられます。果たしてこの同級生は実際に存在するのでしょうか?
投稿元:
レビューを見る
狂っている。最高に狂っている。二話目の吸血狩りも一般的に読んだら陰鬱な読後感が襲ってくる一遍だと思うんだけど、それすらも箸休め要員。シュールで最早ホラーコメディの様な気もしてしまうのにしっかり気色の悪い「本」が、この中では一番好きでした。グロいのに爆笑してしまう。
呂太后が威夫人を人豚にするというあの話を背景に置いた表題にもなっている「人獣細工」は、外見に拘る思春期女子の心を見事なまでに握り潰す、自分大好きパパの暴走が身勝手且つ痛々しい。
二話目「吸血狩り」の、結末はご想像にお任せします…な終わり方が、個人的にツボ過ぎてどうしようもなかった。
投稿元:
レビューを見る
怖いというより、不安になるお話ばかりでした。
何をもって人間か彘か判断するのか、途中哲学みたいに感じました。
今後主人公はどう生きていくんでしょうか…。
それにしても継ぎ接ぎだらけにしては、表紙の女の子美人すぎやしませんか。
吸血鬼狩りは…多分人間ですかね?
一方の視点のみでは、真実は語れないと思います。
本は…洗脳や思い込みの怖さでしょうか。
芸術センスなど皆無なので、自分は絶対に洗脳される側でしょうね。
本当にお手本の様に(笑)
「現実」という言葉は汎用なのに、何故か良い意味を持たないですね。