紙の本
見当たり捜査
2023/07/27 10:04
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
指名手配犯を見付け出す「見当たり捜査班」所属となった新米刑事。IT・AI化されていく捜査の中で、昔ながらの足で稼ぐ地道なスタイルを貫いていく、ハイテク化への問題提起も兼ねた警察小説。
記憶した指名手配犯たちを探し、街頭に立ち通行人の顔をひたすら見る。成果も乏しい、骨の折れる作業を繰り返す見当たり捜査班。片や、事件が起こったらすぐ周辺の映像を解析して着実に犯人を追うハイテク班。
Nシステム、監視カメラ、顔認証カメラ、プライバシーの観点はあるけれど、これで犯罪者が一掃されるなら問題ない。その価値観は最後まで読んでも変わらなかったけれど、犯罪を未然に防ぐ事は出来ないというウィークポイントに気付かされた。毎日のように見ている景色の些細な違い、人の眼だからこそ引っ掛かる違和感をリアルに描いていて、絶妙な緩急にドキドキした。
何事も良い面だけとはいかず、それを補うために異なる種が必要で、尊重し協力し合う事が大事だとつくづく思い知らされた。
ちょっとイラつく主人公の成長と、見当たりの捜査をもっと見たいので、シリーズ化希望。
紙の本
アナログvsハイテク
2023/09/21 12:25
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投稿者:ぽんぽん岩 - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前テレビで大阪の見当たり捜査を見たときは、犯罪者にならなければ関係ない世界って思ってました、でも見当たり捜査じゃなくてもあらゆる所で監視記録され足跡をたどられる。安全な生活とプライバシーは両立しなくなってきているのか考えさせられました。権力をもつ組織が正しくそれを使うとは限らないし。
新人見当たり捜査員片桐は成長したのか微妙、警察内部のパワーゲーム的な部分もさらっとしてた。
片桐が捜査一課への異動を決意してたけど、この一冊は導入部なのかなって読後です。
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相場さんの作品にしては物足りない様な気がしたんだけど、いろいろ思うところもあって、じんわり効いてくる。
ところで、見当たり捜査というのは、もの凄い特殊な能力がないと無理!と思っていたんだけど、フツーに配属されちゃったりするのか!?
そして、意外と検挙率が高くて驚く…ホントかなぁ?
こんな人達が活躍してるなら、逃亡中の犯罪者は戦々恐々で、神経すり減らすでしょうな。
それにしても、犯人逮捕に役立つのは良いんだけど、防犯カメラとかNシステムとか顔認証とか…妙な使われ方をすると、ホント怖いな…。
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主人公が個性も無く質問ばかりで2歳児のモブすぎる
やたら都内の描写だけ鮮明で作者の書きたいこと別にあるんじゃないかと心配した
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2023.07.04
この本を楽しめるかどうかは2人の主人公に共感できるからどうかだ。
私は2人ともちょっとありえないかなと思うため評価低め
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相場作品にしては出来が今一つ。監視社会を警告しつつ、見当たり捜査の実際を書いているが、主人公の片桐にあまりにも魅力が無さすぎるのと、見当たり捜査といいつつ、結局証拠からのヨミで成立する捜査で、少し肩透かし気味。全体的にプロットも薄い。著者には失礼かもしれないが、あまり力の入った作品には思えなかった。
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社会派の熱い作品が多い作家さんだと勝手に思っていたが、今作は警察小説。
しかも花形的な部署ではなく見当たり捜査班に焦点をあてた物語である。
街頭に立ち、道ゆく人の顔をひたすら見続けて指名手配犯を炙り出すのが見当たり捜査班。
新米刑事の片桐は、先輩の検挙に立ち会うことがあっても自分ではなかなか犯人を見つけられないでいた。
その中で、ベテラン刑事・稲本は常に単独行動で圧倒的な結果を残す。
彼の動きを探り、教えを乞うが素気無くされる片桐。
心眼で物事や人を観察しろ。と聞いたのだが…
そんな中、新たに就任した捜査一課長は、ハイテク捜査を実施し、立て続けに指名手配犯を逮捕する。
前時代的な捜査手法は必要ないと、見当たり捜査班不要論をぶち上げる。
これに対抗するかのように稲本が、班をひとつに纏めて力を発揮する。
片桐は、心の眼で見逃さずにピンチを脱することができたのか…。
その人しかできない仕事ってあるのだろうか?とふと思った。
この見当たり捜査も記憶力、洞察力がなければ無理だろうと…
忍耐力、集中力も必要だと。
コロナ禍でマスクをしているとほとんど目だけなので一段と難しいだろう。
地味な仕事だが過酷な仕事である。
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主人公、片桐の悩み、心の動揺、そして成長が面白く読めました。なかなか引き込まれました。ただし、ほかの方の感想にもあるとおり稲本の感情は理解できません。組織人として川勝係長も。
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警視庁刑事部捜査共助課第二捜査共助係2班の活躍を描く警察小説。
いわゆる見当り捜査の活動を配属新人の成長を通して描いています。
自分が見当り捜査を知ったのは今野敏さんの「機捜235」で、直近の東野圭吾さんの「魔女と過ごした七日間」でも取り上げられていましたが、共に間接的でした。
本作は見当り捜査そのものを描いているので勉強になりました。
ただ、見当り捜査の王道である地道な捜査はメインではないこと、三つの班があるのに係長の川勝が二班にばかり関わっていること、p78で稲本の約束も間違えていることなどから、著者にしては深堀が足りないのが不満です。
「ナンバー」のように、一つの課もしくは一つの係をしっかり描いてほしかったです。
また、東野さんもそうですが、管理社会に対する警鐘的な話になっているのも自分としては感心できませんでした。
デジタル社会における管理の正しいあり方とアナログ的な捜査とのシナジー効果が出るような前向きな話が欲しいです。
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見当たり捜査は初めて知りました。
捜査というより警察の内部抗争かな。
中途半端な気がします。
どちらかにシフトして欲しいですね。
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稲本さんの言葉も片桐のストーカーまがいの行動も理解出来ず。もういいかなと思い始めたところで、さすが社会派の相場さん。「正義の定義は時代や環境によって変わる。昨日まで一般人でも、今日から法律が変われば被疑者になることだってある。自分の組織の身勝手さと社会の常識とのギャップをわきまえないと、どこかでおかしくなる」Nシステム運用の闇、諸刃の刃。
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みなさん書いているように片桐の行動や言動にはイライラさせられたけど、逃亡犯を追いつめていく様子はドキドキして楽しめた
警察小説はたくさん読んでいるけど、こういう部署もあるんだな〜と新鮮な読み心地で良かった
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著者の作品は、現代の社会問題を色濃く反映させた内容で、毎回新たな視点で見つめ直すことや危機感や身を守る術を考えたりする。
今回は「見当たり捜査班」を元に新旧、アナログとデジタルの様々な視点を盛り込んでいる。が、ちょっと前半は地味すぎていささか辛抱が必要だったかな。
監視社会、犯罪には有効化もしれないが、この網の目をくぐる技術も上をいくだろうから、それでも犯罪者は巧みに逃れていく。その時、正直者だけが馬鹿をみる世の中にはなって欲しくないものである。
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多くの人々が行き交う駅や歓楽街で、指名手配犯や行方不明者を探す警視庁見当たり捜査班。配属された新人刑事片桐はベテラン稲本のように実績を上げられずベテラン稲本の技を盗もうとする…。答えは「心眼」。Nシステムや街の監視カメラを使ったハイテク捜査に一石を投じる作品。
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見当たり係という指名手配犯を地道な捜査で検挙する班の話ですが、そこに所属する若手刑事を主人公に、捜査1課から流れてきた凄腕の刑事が次々と指名手配犯を検挙していき、どうしたら自分も検挙できるのか?ともがきながらも主人公が試行錯誤の末、一人前の見当たり班刑事になっていく姿を描いた作品ですが、まさにタイトルの心眼という心理が大事だということを描いでいるのですが、刑事という職業だけでなく、他の職業でも大事な考え方であると考えさせられる作品でした。