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パラダイムとかパラダイムシフトという言葉はクーンの名前と一緒に知ってはいたけれど、
実際この本を読んでみて、思っていた内容とけっこう違った。
教科書で習うような古典を読んでみる良さはこういうところにもあると思う。
通常科学は、理論や価値観、模範例など(パラダイム)を共有する科学コミュニティにおいて、パズルを解くように、理論の確認を行っていて、本質的に新しい発見を目指すものではないが、
理論に合わないことが発見され、危機におちいることがある。
そうした中で革命のように、世界観を変えるような新たなアイデアが打ち出され、パラダイムの変化がおこる。
そうして、科学は累積的でない形で進歩していく。
科学ときくとだんだんに進歩してきたものというイメージがあるが、実際には、とびとびにというか、連続的でない形で進化してきたものといえるのかもしれない。
また時間をおいて読み返してみると発見のありそうな本だと思った。
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《目次》
・ 序説――五十周年記念版に寄せて(イアン・ハッキング)
・ はしがき
第I節 序論――歴史に与えうるひとつの役割
第II節 通常科学への道筋
第III節 通常科学の性質
第IV節 パズル解きとしての通常科学
第V節 パラダイムの優位性
第VI節 アノマリーと科学的発見の出現
第VII節 危機と科学理論の出現
第VIII節 危機への応答
第IX節 科学革命の性質と必要性
第X節 世界観の変化としての革命
第XI節 革命の不可視性
第XII節 革命の終わり方
第XIII節 革命を通しての進歩
・ 追記――1969年
・ 訳者あとがき
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科学は連続的・累積的に進歩するのではない。革命と呼べるような世界観の変化が、不連続に発生することで、未解決のまま残されていた問題の捉え方が変わる。パラダイム変換で進歩するのである。
自然を教師として自分の信念をも変えることができる、科学者という人たちは偉いと改めて思いました。
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パラダイムに関して科学の進歩を解説しながらの洞見
古典的名著だが、レベルの低い自分には、文章がまどろっこしく難しく感じた。
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有名なパラダイムシフトについて書かれたものの新訳。とはいえ、原文なので、中身を理解するのはなかなか骨が折れた。科学の歴史は単線的な発展ではないこと、パラダイムの入れ替えによって進化してきたことが分かった。捨てられたパラダイムも科学的でないかと言われれば決してそうではないというのは興味深い点だった。