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●良い点
・記載のある曼荼羅によるDX関連の失敗要因の羅列は勉強になる。ただし要因はかなり多いので、失敗を未然に防ぐためのツールと言うよりは、失敗事例を後で整理するためのもの
●残念な点
・前述の曼荼羅ツールがこの本の肝なのですが、失敗を未然に防ぐためのツールではない。この本を読みたい人は失敗学を勉強したい人よりも、DXプロジェクトの失敗を抑えたい人と思う(どうやったらうまく失敗の真因をつかめるか?という観点ではなく、どうやったら失敗しないでプロジェクトを進められるか?を読みたい)が、そういう人の要望に適う内容には残念ながら全く届いていない。
・そのうえで、失敗事例の整理も曼荼羅を使ったことによる革新性が感じられない。
−例えばセブンペイの事例では、セブンによる公式発表された要因と、曼荼羅を使った分析がそれほど変わらない
−事例分析をしようにも、著者いわく『当事者複数人でやるべき分析なので、できないことや制約が多い』そうです。ではなぜこの本にこの事例を選ぶのか、、、?
失敗学自体は必要な考え方だと思います。DXは注目度の高い分野なので、この本が失敗学の入口になって、失敗学自体の重要性まで軽視されることは残念かなぁ、と思います。
ぜひ他の失敗学の本も読んでいただくことをおすすめします。