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紙の本
語ることとグリーフ・ケア
2023/10/10 16:12
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投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童書だが、どの世代にも響く内容だ。章末に話の類型に関する解説がある。語り手は、自分の体験が誰にも信じてもらえないという不安を抱えて怪談売買所を訪れる。しかし、話し終えてみると、実はよくあることだと聞かされる。話し終えた後、訪問者は抱えていた重荷が下りて安堵する。
語ることがグリーフケアになっているのではないかと感じたのは、著者に登録怪談師の面接をしていただいた時だ。面接のお題となっていた怪談を語った後、過去の喪失や悲嘆経験をどう克服するかという話題になった。信じられないような体験をした後、人は必死になって日常を取り戻そうとする。その過程のひとつに、誰かに話を聞いてもらうという手法が存在するのではないか。
子どもの頃の夏休み、年上のいとこらに半ば強制的に百物語を語らされ、肝試しをし、泳いではいけないといわれるお盆の夜に海水浴をした。今となっては昭和的通過儀礼だ。幼少期の怖いのに体験してみたいという記憶を呼び覚まされる一冊だった。
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