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けっこう努力して辛抱して読破しました。が、あまり報われた気がしない。
題材的にも心惹かれるものがあったのですが、冗長?すぎて。
あぁ、こうやって闇に消えていく本物の遺跡もあれば、
地元住民のメシの種にするため、デッチ上げに近いような遺跡もある。
その遺跡の発掘、保護にそれぞれの思惑で関わる3人の日本人。
出自や歴史もろもろで対立する地元の住民たち。
それぞれ魅力的な設定だし、エピソードなんだけど、なんか散漫なかんじで。
やっぱ主人公のカモヤンに、いまひとつ魅力を覚えないからかな。
スペック高いんだけど、どこか傲慢なカン違い野郎。
もうちょっと魅力的な人物に仕立てても良かったんじゃ、と思います。
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宗教的なことも地質も歴史にも疎い身には難しかった。ただ文明とは思えない風習や信仰にも他所の誰にも評価を下すべきではないこと、誠実であることは人種を超えて通じるのだなぁということは、強く思った
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インドネシア架空の小島の古代遺跡を巡るスペクタクル小説。
主人公以外の日本人の学者は魅力的だったのに、主人公だけは性格も行動も受容れられなかったのが残念。
古代信仰のドキドキ感やイスラム原理主義への嫌悪感はうまく感じさせるのはさすがでした。
自分の知識不足で建築物の説明から情景を思い浮かべられなかったのがもったいなかったかも。
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難しい。
後半までは同じ内容を繰り返していて
読んでも読んでも進まない感覚が辛かった。
何度も、やめようかと思いながらやっと後半になり、
こんなに難しい題材をいくつも秘めていたのか‥‥‥と。
最後はドキュメンタリー映画を見ているようでした。
難しい問題提起をされたような作品でした。
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ある人にとっては重要であっても、そこに住む人たちにとってはさほど重要ではない。生活の中に存在しているだけ。特別なものにしなくても、地元の意向を重視するのがいいのでは。
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ひたすら、一正の性格が好きになれず…。楽観的というか、学ばないというか、懲りないというか…何か事件が起きる度に少しイライラしてしまう。海底の古代遺跡をめぐってテロや宗教対立などがあって話の内容は大作に相応しく盛りだくさんでしたが、なにせ主人公が好きになれなかった分、読後疲れてしまいました。
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加茂川一正は、長年ゼネコンに勤め、インドネシアで現場の折衝にあたってきた。ある種、楽天的で行き当たりばったり、しかし、その性格は意外に「現場」には向いていた。ただ、インドネシア駐在後は本社には戻れず、出世の目がないことはわかりきっていた。彼はえいやっと早期退職して私立大の非常勤講師に転身した。結婚して間もない若い妻には一言の相談もしなかった。三度目の妻である彼女が黙って出て行ったのは無理のないところだろうが、彼にはまったくわけがわからなかった。
退社前、休暇として訪れたインドネシアの小さな島で、彼は「大発見」をしていた。
ボロブドゥールにも似た古代遺跡。しかもそれが海中にある。
この地域にこんな遺跡があるとは。歴史上の大発見ではないのか。
興奮した彼だが、現地住民もインドネシア政府当局も研究者も彼の「発見」には冷たかった。
曰く、そんなに古いものであるはずがない。曰く、観光客を目当てにした捏造建造物である。曰く、以前やってきて同じものを「発見」した研究者たちも誰一人真面目に追求しなかった。
しかし、加茂川は素人ながら自分が見つけたのは価値あるものだと信じていた。
この歴史遺産の発見者として歴史に名を刻みたい。
会社を早期退職したのも、この夢を追うためでもあった。
持ち前の調子のよさから研究者グループの調査の一員に加わり、島への再訪は叶うが、事態は遅々として進まない。
島の人々は町のものからは首狩り族として蔑まれている。島民らはヒンドゥー教を信じ、海のある場所にいたずらに近づくと女神(ドゥルガー)の怒りを買うと信じている。村の女たちは呪術めいた儀式も執り行い、どうやら彼女たちの使う酒や薬には怪しい成分が混じっているようだ。
一方でインドネシアはイスラム大国である。イスラム教徒の中には先祖がアラビアから来たと信じているものもいる。そうした人々が土着宗教に向ける目は冷たい。
金のために開発を進めようとする金持ちのスルタンの思惑もある。
近年ではイスラム過激派の暗躍もあるようだ。
そんな中、島は火山の噴火に見舞われる。加茂川の「夢」の行方は。
出版社による作品紹介ページの「圧巻の」「エンタテインメント!」は若干ミスリードで、これは一般的に「手に汗握る冒険小説」の部類に入る作品ではないだろう。
とにもかくにも、話はなかなか進まない。
さまざまな勢力のさまざまな思惑が絡み合い、一筋縄ではいかない混沌が続く。
加茂川が主人公として魅力的な人物とは言いにくいのだが、しかし、彼のある種、空気が読めない鈍感さが、良くも悪くもこのプロジェクトの推進には必要だったということかもしれない。
先が読めないダラダラとした展開は、実際、インドネシアの複雑な社会状況を反映しているようでもあり、そういう意味では「現実的な」「冒険」小説とはいえるだろう。
物語の終盤には、ややスペクタクルなクライマックスがある。ここでカタルシスが得られるかどうかは読者によるだろうが、着地点としては悪くないのではないか。
登場人物の中では、個人的には、島民のエダがよかった。この逞しさ、こ���生命力。彼女はあるいは、母のマヒシャとともに、「ドゥルガー」の化身なのかもしれない。
バツ3の加茂川には、その後、どうもマドンナは現れないようなのだが、実はこれは結構幸せな人生なのではないだろうか。