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◯◯は××ないシリーズ5作目です。
一作目から読んでいますが、過去作の登場人物たちも出てくるので、すごく懐かしくなったり、もう一度過去作を読み直したくなったり…
今回も最後まで息をつかせぬ展開といいますか、話が二転三転していくので、どうなってしまうの?と思いながら一気読みしました。
途中、なんとなくこの人が怪しいのでは…と思うところもあるけれど、どうしてもトリックなどが思い浮かばない!結末で、そういうことか…!してやられたり…!毎回この驚きをくださる、作品シリーズです。
ただ、今回は力技というか、よく読んでいれば確かに伏線でそう語られているのですが、なんか「そういう設定」にしてしまえばなんでもありなのでは?と少し思ってしまったのでちょっとだけ評価下げてます。
しかしながら、謎が謎を呼び、続きが気になる話の運び方はさすがですね。
とても面白い作品でした!
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まず、絶対に過去作を読んでからの方がいいです!
特にシリーズ4作目『ボーンヤードは語らない』内の「レッドデビルは知らない」を読んでからだとヴィンセント・ナイセルかどういう男か分かるのでおすすめです!
良かったところ
・デレクとヘスターの関係性と真実
・ヴィンセント・ナイセルが黒幕(ラスボス)確定?
・これまでのシリーズの主要キャラが総登場
(特にアイリーンとマリアが良い友達になってるのが◎)
・チャプター毎に変わる緊張感
ここが難しい!
・今回はDNAと狂犬病ウィルスの話
(結構調べながら読み進めた…マリアの存在に感謝)
このシリーズは本当に題材がいつも難しい!けど、マリアの役回りのおかげで簡単で理解しやすいものに変換されているから助かる。
ヴィンセントが最後に言った「シカーダ」という名前も気になる。
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発売前、ゲラ版を読ませていただきました。
終始、ヴァンプドッグは何処にいるのか?その正体は?を追い続けていました。
本シリーズは、どんでん返しが見ものですが、今回は敢えて書かないという手法で…。読み終えた後の?も読み返すと、成程。
今まで以上に奇想天外なSFシーン展開も、この世界の出来事のように化学の視点から論理展開がなされます。
登場人物もシリーズならではの楽しみが今作からグッと高まっています。おすすめです。
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待ってました!
この設定ヤバないっすか。
しかもラストに近づくに連れての怒涛の展開はジェフリーディーヴァーか、と思うようなジェットコースター的で楽しかった〜
今までの世界観を更に上いく本作、大満足でした。
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中山七里ばりの大どんでん返し。家事の合間にしか読み進められないのがもどかしかった。
マリアと蓮のバディ、最高です。
続きがありそうなエンディング、期待していいの?
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犯人も二点三点し騙された。吸血鬼と強盗犯の同時進行で殺人が起き、誰が殺したのかわからないスリリングさと、死体が復活する吸血鬼要素が謎を深くしておりかなり面白かった。
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一読して感じたのは、《マリア&漣》シリーズが新たなステージに入り、今まで以上にワクワクとする昂揚感だった。
今までこのシリーズでは、AサイドとBサイドの二軸で物語を展開する時に、叙述トリックを忍ばせていた。しかし、今回のインサイドとアウトサイドにそのような点はほぼなく、ひっくり返す驚きよりも、事実を積み上げて示す衝撃に舌を巻いた。
これがまずシリーズが新たな展開に進んだと感じた、一つ目である。
二つ目は、事件のスケールが飛躍的に拡大した点。
今まで、事件関係者はどちらかと言えばクローズした、限られた人間関係の中に納まっていたが、今回は市内のすべての人間が被害者と成り得る状況で、何処に殺人鬼が潜んでいるのか分からない広大さが、サスペンス性を一層高めていた。
そして最後に、宿敵の登場である。シャーロック・ホームズのモリアーティ教授よろしく、魅力的な探偵小説には宿敵は欠かせない。今回、マリアと漣の前にその宿敵が登場し、今後の展開に胸を膨らませてページを閉じた。
もちろん、変わらない安心感もあった。個性的なレギュラーキャラクターに、明かされる犯人の哀愁。それらはこのシリーズのある醍醐味だろう。しかし、個人的には作者の社会問題への視座も作品の楽しみと感じている。昨今の情勢を考えれば、新型コロナを想起するかもしれないが、時代は80年代、医療機関でのウイルス感染と続けば、何を提起されていたのかは瞭然である。
赤い十字が印された医療箱が出てくる場面があるが、犬(ドッグ)は色盲である。赤い十字なのか緑の十字なのか判別はむつかしい点も、傍証として深読みしてしまう。
様々な感想を抱きながら本を閉じ、タイトルへと視線を落とした時、読者は最後にもう一度胸を締め付けられる。身を隠した犯罪者は己の罪を悟られないために、苦しみや悲しみを叫ばない。しかし、すべてを知った私たちは、犯人の悲痛な叫びを確かに聞いた。
秀逸なタイトルに外れはない。
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マリアの推理、ちょっと無理がありすぎだろう…とおもっていたら、最後にしっかりと納得。
シリーズ5作目。個人的にマリアより、漣のほうが好み。
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事件があっちでもこっちでもと畳みかけるだけでなく、あっと驚く展開もありの構成がお見事でした。第1作を思い出す衝撃を再び味わいました。
また、今作でも過去作のキャラクターが随時登場するためシリーズ1作目から全て読んでおく方がより楽しめるため、おすすめしにくいですが、SFと本格が見事マッチしたシリーズとしておすすめなので本格好きな方はぜひ手に取って欲しいです。
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久しぶりのマリアと漣シリーズの長編であり心待ちにしていたがよもやこれ程のボリューム感と世界観とは考えておらず、表紙を巡り、1ページ目で覚悟を決めると期待感が溢れてきた。冒頭から面白く、読み進め島田荘司の傑作「アトポス」と比較しながらもページを捲る指はとまらずに一気に読み進めてしまった。「非現実的」な自称を題材に置きながらも昔から用いられる「狂犬病」と「ヴァンパイア」の組み合わせだが新鮮に映り、新しい恐怖感を僕達読者に示してくれた。
マリアと漣シリーズも短編長編含め五作目になり世界観がより壮大に構築されてきている。今作では四作までの登場人物達が大勢登場し、作中を盛り上げ、更には「ボーンヤードは語らない」で登場したマリア学生時代の因縁の相手が今後の巨悪として認定された様に思う。シリーズが壮大な世界観に成長している。
市川憂人の作品は「ブルーフィッシュは凍らない」からシリーズ問わず読破しておりとても好きな作家であるが、今作「ヴァンプドッグは叫ばない」はここまでで最大の傑作だと思うし筆者が別次元の作者に到達した印象を受ける。デビューからリアルタイムで追っている作品というのは実は中々少ないものだが、飽きもせず今か今かと楽しみにしているし、今作では期待を超え、そして新しい展開に至る集大成に思た。
勿論、今作のみでも最高に面白くサスペンス、ホラー色もある今作は読み応え充分だ。悲しいかな、帯の紹介文に 「密室殺人」や「殺人鬼が仕掛けた想像を絶するトリックとは?」といった投げかけがあり、これによって単純な吸血鬼によるサスペンスホラーがベースのミステリーでは無いという事がわかってしまい、犯人は誰なのか、フーダニットに着眼してしまった事が残念だ(デリクヴァンプドッグの強行を解決していく作品では無いと匂わされている事で、真相に対して突飛な考えを持ちながら・・・になってしまった)
しかし満足感のある作品だった。僕の中ででは今年一番であり、今後、買うべき作品は幾つかあるが、今作の完成度や衝撃を超えうる作品があるのだろうか。ヴァンプドッグの数十年に及ぶ物語はあまりにも悲しくて切なくて狂気じみていて、間違いなく心に刻まれた。
シリーズはまだ五作目なので是非未読の方には読んで欲しい。もう一つ星を追加したい程面白いミステリーだ。
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※
マリアと漣が他州から応援要請を受けた事件は、
今回も一筋縄では解き明かせない謎に繋がる。
強盗犯と連続殺人鬼の二つの事件が絡み合い、
20年前に世間を震撼させたヴァンプドックの
真相に迫る。
二転三転して敵も味方も欺くマリアの推理に
翻弄されるので、最後まで気が抜けません。
マリアのハイスクール時代の知人が、
不穏な気配とキーマンになりそうな様子を
醸しているので次回の展開が待ち遠しい。
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コロナ禍を経てウイルスものが増えているけれど「狂犬病」と「吸血鬼」とこのシリーズの作品の世界観がうまく合わさっていたように思います。個人的に終わり方から次作が気になって仕方ないです。
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マリア&漣シリーズ5作目。
独特な外国の世界観とマリア&漣の軽快な掛け合いはシリーズを通じて素晴らしい。
今作は変異した狂犬病でゾンビ化する被害者という特殊設定とその被害者のグループである現金輸送車襲撃犯視点という設定でとても面白かった。
被害者の数の多さとギミックの難しさで少し中盤読みづらかったが、その読みづらさを補って余りある後半の謎解きだった。
犯人の追い詰めを二重で行うのはユニークでなかなか面白かった。
※読み方が雑すぎてずっと漣は女性だと思っていたが、途中で「青年」と記載あったがもしかして男だった……?
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過去作に出てきた登場人物のオンパレード。特に、前作の短編のマリアの過去と根深い。寧ろ、マリアの過去ありきで、記憶があやふやな私には不完全燃焼。
今回は内容量に対してやや説明くさく、冗長。
次作への布石としてのモリアーティ的なライバル(金に物言わせるだけの下衆で足元にも及ばないが…)登場といったところか。だが、恣意的に起こす犯罪はアンフェアで、今作以降、これは純粋な犯罪ではなく、プロモーションされた犯罪ではと素直に事件と動機を楽しめなくなるではないかと懸念。
実際に今回は犯人の小物感が半端なく残念。
さらに閉ざされた街、閉ざされた館のダブルでビッグなクローズドサークル設定なのに、吸血鬼(どちらかというと屍鬼)という力技で捩じ伏せられて私的にはアンフェア。
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超推し★5 マリア&漣が最怖の殺人鬼に挑む! 読み応え抜群のミステリー #ヴァンプドッグは叫ばない
■あらすじ
現金輸送車を襲って逃走中の犯罪者たちが、休憩のため隠れ家に逃げ込んでくる。同じ頃に街中では、20年前に逮捕されていた連続殺人鬼が脱走をしてしまい、検問や巡回が行われることになってしまった。街が厳重な警戒態勢になってしまったことにより、犯罪者たちは隠れ家なら逃げだすことができなくなってしまう。
そして翌朝、犯罪者のひとりが喉がえぐり取られた状態で見つかる。さらに街中でも、次々と同様の死体が発見されて…
■きっと読みたくなるレビュー
超大好きな待望のマリア&漣シリーズ第五弾。
面白かったぁ~ いやー今回も堪能させていただきました。
いつもの通り、我々の世界とは少しだけ科学文明が違った世界線。ジェリーフィッシュ、青バラ、グラスバードときて、今回はヴァンプドックですか。何だかよくわかんないけど、もうこの意味不な単語だけでワクワクなんすよね。
まず本作のエグイところは、犯罪者たちの隠れ家で発生する連続殺人と、街での連続殺人のダブルで描かれてるところ。隠れ家での事件は、ガチ本格テイストで次々迫りくる死の恐怖を味わえるし、これが想像以上の展開になっていって、結末は驚愕過ぎて鼻水がでましたよ。
さらに街で次々と繰り広げられる連続殺人は、もう情報が追い付かずに、お腹いっぱいです。でもマリア&漣の混乱ぶりに手に汗を握り、もう読み進めるしかないの。怒涛のミステリーフルコースって感じでしたね。
そしていつものメンツがキュートなのよ。ガサツで天才的発想のマリアと、利発でクールな漣の凸凹コンビは最高だし、軍人ジョンは相変わらず男前で可愛いし、他にもニヤリとするキャラたちも登場して大歓喜。
今回特にビビったのは、この圧倒的な筆致ですよ。読み応えがヤバい。辛く悲しい過去のエピソード、死に直面する閉ざされた空間描写、難解事件に対する必死な捜査網と大量の情報整理、そして綿密な謎解きと想定外の真相。キャラ小説っぽさもあるし、SFっぽさもある。でもあくまで重厚な謎解きがメインなミステリー。
ひとつの小説なのに、こんなにも盛りだくさんな構成要素やうまみ成分を入れてきて、しかも完成度も高い作品なんて他にないのよ。ほんと今の国内ミステリーにおいて、トップレベルだと確信できる一冊ですね。
そして肝心の謎解きも、十重二十重に楽しませてくれます。怪しい人や動機は想像できるんですが、ただアリバイを解き明かすには天才的な発想力が必要なの。でも、思いつかなくはない。情報は確かにあった、ここが肝だったよなぁ~。くやしい。
間違いなく今年のランキングを賑わす出来ですね、大変素晴らしかったです。シリーズを読んできた皆さんは必読ですし、初めての方はシリーズ最初から読んじゃいましょう!(もちろん本作から入っても十分楽しめますよ)
■ぜっさん推しポイント
NEVER FREEZES, NEVER SLEEPS, NEVER RETURN, NEVER SPEAKS…
否定形のタイトルが面白い本シリーズですが、今回は「叫ばない(NEVER CRY)」でしたね。
いつも読み終わった後にタイトルを眺めてみると、実は複雑な意味や想いが込められていることが分かり、胸に熱情がこみ上げてくるんです。
ヴァンプドックは叫ばない… あまりに純粋さ故の美しさと危うさを感じて、私はただ、抱きしめたくなったのでした。