読み応え再度思う!
2023/05/25 16:29
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投稿者:沖田圭介 - この投稿者のレビュー一覧を見る
不可触領域・軍艦の響き改めて再感動をしました。
短編も半村文学の凄さを再度認識させられました。
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50年前の小説。書店にキャッチーな装丁で平積みにされているのを見かけるまで、半村良というSF作家を知らなかった。
表題作長編2作と、ショートショートレベルの短編3編。エッセイ1編。
メインはもちろん長編。
SFなのかなと思っていたら、「不可触領域」の方がかろうじてSFテイストを残しているものの政治をからめたエンタメ小説。
とりわけ「軍靴の響き」は、戦後における再軍備をめぐる社会シミュレーションのような感じ。
重苦しいテーマだけれども、会話を使って飽きさせず、わかりやすく伝えてくる筆力は見事。さすが直木賞作家。
戦争の記憶が我々よりも強く世の中に残っている頃の作品を、戦争が完全に対岸の火事になってしまった現代、そしてその対岸ではリアルタイムで派手に火事が起こってしまっている現代に読むことの意味。考えさせられた。
私のように、装丁のかわいい女の子に惹かれて軽い気持ちで手に取って、しっかりと考えさせられる人がもっと増えたらいい。
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ポリティカルフィクションを集めたの作品集なのでSFっぽいのは「不可触領域」かな。ナマケモノを扱うアイデアが好き。共通して言えるのは市井の人を描くのがうまいですよね。
PART1 黒い陰謀
フィックス
不可触領域
賄賂のききめ
PART2 闇の中の戦争
Essay 凡人五衰
軍靴の響き
怪談桜橋
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軍靴の響きが、中々真に迫る話で、実際のところ、日本の軍国化はこうやって水面化で徐々に面に出るように進められるのだろう。
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『怪談桜橋』が素晴らしい。千鳥足で桜橋を歩く主人公はもんぺ姿の女とすれ違う。突然周りは火の海となり、1945年3月9日の空襲だと気づく。幼い頃の記憶を頼りに女を安全な場所へ避難させようとするが…。