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豊かなアフリカの歴史
2024/04/09 21:09
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
マリやソンガイといった有名な古代アフリカの王国だけでなく在地の王権、ズールー人などの興亡、植民地支配への抵抗に独立とアフリカ史の豊かな世界が広がっており面白く読めた。
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アフリカは暗黒大陸で近年まで未開のエリアというようなイメージを描きがちではあるが、ヨーロッパやアジア諸国同様、いろんな王国、帝国が興亡を繰り返し、地域独特の文化を育んできたことがわかる本である。
黒人奴隷というのも、単純にヨーロッパ敵国がアフリカの人々を浚って行ったのではなく、アフリカの列強が商品として奴隷を輸出していたと言う事もよく判る。
著者独特の語り口で読み物として面白い本だが、たんなる読み物ではなく、著者自身が描いたスケッチや詳細な図版が随所に挿入されており、本格的な歴史書になっている。フィールドワークで何度も現地を踏査している文化人類学者だから書けたものであろう。
また、ヨーロッパ史観で、文字に残された資料で歴史を見るのではなく、フィールドワークを積み重ねて構築する文化人類学のアプローチで描かれねばならない歴史があることも本書は教えてくれる。
著者没後10年で、原著は1977年に発刊されたものだそうだが、未だにアフリカの歴史を扱った書籍はあまりないので、その価値は未だに色あせないだろう。
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あの山口さんが、歴史シリーズの一冊として ”アフリカの歴史に関する本” を書いていたとは全く知らなかった。元版刊行は1977年なので50年近く前のこと。今でも日本ではアフリカ史に関する本はあまり刊行されていないが、この当時ではなおさらだっただろう。
著者は、「はじめに」でアフリカの歴史について次のように言う。「アフリカの歴史は、かりに、それがユニークな位置を、人類史の中で持つことができるとしたら、アニムスで固められた、他の諸大陸の文明史に対して、アニマの位置、つまり深層の歴史を垣間みせるところにある。いわば、論理とか、実証とか理性とか、機械的時間で固めて、人間の意識の真の土壌から切り離された精神が、病み疲弊したときに、これに安らぎの闇と恢復のための活力の源泉を提供する「母」の働きをけっして失っていない」
こうした思想的背景を持って著者はアフリカの歴史を綴る。編年体の叙述方法が取られてはいるが、無批判にヨーロッパスタイルをアフリカの歴史に当て嵌めているのではないと言う。それが本書においてどの程度成功しているのか評価するだけの能力はないが、与えられた個々の条件の中で、アフリカの人々が何を成し遂げてきたかにスポットライトを当てた叙述がされていることは理解できたように思う。
そして一口にアフリカと言っても、その地理的条件によって土地土地が隔絶されているため、それぞれ独自の歴史を歩んできたことが良く分かった。
本書では、エジプト、アルジェリア等の地中海アフリカの諸国はほとんど取り上げられておらず、ナイジェリア、ベニン、ダホメ等のギニア湾沿岸に繁栄した国々や、南アフリカの原住民国家、そこに入り混んできたブーア人やイギリスとの関係などが比較的詳しく述べられていて、非常に興味深く読めた。
なじみの少ないアフリカであり、王国名や地名、人名など固有名詞は初見のものがほとんどだったが、地図や絵、写真など豊富な図版が掲載されていて、理解を助けてもらえるのはありがたい。
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詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください。
→ http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1974.html
Netgalleyでは、 1,2,3章、おわりに、解説のみの公開です。
面白かったので、書籍も読みます。
アフリカの歴史? 全然知らない・・・。
これまで知るすべはなかったアフリカの人類史を、やっとこの本で知ることができました。