紙の本
、「負ける建築」とは?
2022/04/09 21:40
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「20世紀」は勝つ建設の時代、コンクリートという固く、強く、重たい素材を使って、環境に勝つことを目的として、「勝つ建築」が大量生産されてきたと隈氏は言う、では、「21世紀」はというと、「負ける建築」の時代とも言う、それはどのような建築なのか、と面白く読むことができた
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ヴォリュームの建築ではなく点・線・面の建築へ。隈研吾さんがずっと挑戦し続けてきた概念が、近作も交えて更に深化する。建築を小さな部材の連なりでつくることで、人間の身体スケールに近づいたやさしく軽やかで、民主的で、持続可能な、動的平衡=生命的な建築が生まれる。
コンピュータの発展がこの微細なデザインを補助しているという記載も興味深い。もし時代が異なれば実現できなかったものもあるのだろう。運という流れを味方にしている点も面白い
この本のデザインにも感動した。読み終わった後、線である文字が粒子化し、点になった。かと思いきや粒子化が進むと背景であった白が際立ちはじめ、面にも見えてくる。まさにこの本自体が点・線・面を振動するブックデザインであると思うのは深読みだろうか。
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点・線・面
著作者:隈研吾
岩波書店
建築に未来 人間に未来
人と人と人と物、人と環境をつなぐ思想と実践を語った新しい方法。
タイムライン
https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
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20世紀、ヴォリュームの拡大を至上主義
コンクリート空間の中に閉じ込める
木造、線の建築
カディンスキーとジェームズ・ギブソン
石の基本は点だが
積み上げると重たいボリュームになってしまう
自然素材が表面の薄い石や木の化粧や記号に堕ちてしまった20世紀
石の美術館
石に隙間
ビアンコ・カラーラ
大理石を6mmにして嵌め、光を通す
ビエトラ・セレナ
apple storeの床
点の積み上げでは経験が基準
19世紀後半に
コンクリートや鉄のフレームの線になって計算可能に
コンクリート
点を面にジャンプさせる
バラツキ
きらめきとリズムに
市松模様
一枚ずつの小さな絵で済む、半分で済む倹約
接点ずらし
丹下健三、線が面にならず線のままに、屋根の線
線の放棄
コルビュジエ ヴォリューム
磯崎 キューブ、象徴的な記念碑
黒川 円錐でヴォリュームにアイデンティティ
日本の伝統木造 14世紀完成
自由に移動、可動間仕切りシステム、軽量で洗練
広重美術館
広重の「夕立」のような建築
線で構成されたグラデーション
自然と人工の中間
CASA Umbrella 傘の家
フラーのドーム建築
テンセグリティ構造、
ワイヤ(テンション)と棒の統合(インテグリティ)
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あまり時間がなくてしっかり読めず。第一線で仕事してる人がこういう他の建築から学ぶ、資料を読み込んだ物を出すのってとても得難い。テンセグリティも取り上げてて笑っちゃった。ありがとうまーくー(隈さん)
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筆者が建築を通じて表現する際に得ている着想、考え方、アイデアの源が、さまざまな建築物とその背後にある思想、概念、また、それだけにとどまらず、身近な生き物、事物が幾重にも織り込まれて成り立っていて、とても刺激的でした。
読んでいて、豊富な知識、経験を土台に、体験から得ている肌触り、感覚と、観察し、ひらめく着想とが繋ぎ合わさって、人と共にある建築物が生まれていく感じがとても面白かったです。
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建築家は風通しのよい物のあり方を求め続けて、木や石、そして土などさまざまな物質との会話を繰り返し、ついに新しい世界の扉を開いた。未来を考えるすべての人のための方法序説。待望の書き下ろし。図版200点収載。(e-honより)
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綺麗で、整然としすぎた建築は、汚れを許容しない。現代の日本建築は、その不寛容な方向に向かって進化し、その結果、日本の都市は汚れを許容しない、居心地の悪い環境となってしまった。
日本の伝統木造の線は、担任、細井だけではなく、自由に移動できるものでもあった
日本の瓦屋根は、屋根を灰色に塗っただけに見え、点のリズム、点の躍動感はどこにも存在しないのでさある