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宇野さんのクセのある(?)考え方、共感できるできない共にあるが、とても興味がある。目次には「あっ、これについてはどんな考え?」と思うものがチラホラと。読んでみたい
#2020年代の想像力
#宇野常寛
23/8/22出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3YLhsLG
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久しぶりにこの手の文化批評を読んだが、理解に時間がかかった。
最近の文化作品の批評集であり、各作品の抱える問題点や作品から見える現代の想像力について数ページで解説される
個人的には『SPY×FAMILY』、『カムカムエヴリバディ』あたりはおもしろく、気付きのある形で読めた
感情的に作品を楽しむだけでなく批評的な目線を持つことで自分の世界がひろがると再認識
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ブーム。何故それがブームになっているのか。人々が求めているから。なぜ人々はそれを求めるのか。
この作品が描いていることは何か。表現のされ方、方法は適切か。過去や他の作品の比べて、どうか。
ただ受け取るだけでなく、さまざまな角度から検証してみる必要がある。
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「他人の物語」から「自分の物語」への移行は虚構の現実に対する相対的な敗北を意味しているとの指摘だが、両者は移行して敗北というよりも、循環して共存しているのではないかと思えるのだが。
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__しかし、もはや読者/観客の多くは、作品そのもの(虚構)ではなく、作品についてのコミニュケーション(現実)に関心の重心がある。作品の表現よりも、作家の人生に関心があるし、他のみんなが褒めている/貶しているものに、自分がのるかそるか、どちらにすればポイントが稼げるかという現実に興味がある。
__私たちは、虚構だからこそ描き出せるものに触れることで、はじめて現実に対して適切に対抗(対応)し得る。その確信がなければ、虚構とはただのサプリメントに過ぎない。しかしそうではない、と信じる力が虚構の側に立ち、ものを書くことを可能にしているのだ。
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虚構をサプリメントで終わらせないために、虚構に乗り切りたい。それは結果的に現実に立ち向かうことでもある。
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ドライブマイカー評における「直子でも鼠でもない特異点」の話、ドンブラザーズ評における井上敏樹論の話は良かった。
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批評を読む快楽って、「なんとなくもやもやした気持ち」が言語化されることにあるのだと思う。
日頃、映画、ドラマ、マンガなど様々なコンテンツを楽しみその恩恵を受けている私にとって、本書が取り上げる作品はどれも馴染み深いもので楽しく読んだ。
(取り上げられてる作品はだいたい自分も視聴のもの、タイトルの名前は知っててこれから視聴しようとしていたもの、気になっていたもののいずれかなのである。ちなみに29作品が紹介されていたが視聴(読了)済み作品は19あった。)
ザファの物語面の物足りなさ、「すずめの戸締まり」をはじめ最近の新海誠監督楽しめなかった理由、「仮面ライダーBLACK SUN」を見た時の困惑など、特に自分の作品を見た時の「楽しみきれない気持ち」の理由の解像度を上げてもらったと思う。
作品の「ここが良かった」の理由は割と見つけやすい、というか言語化しやすい。
ただ、「なんかいまいちだったよね」「いい話ではあるんだけどなんか面白くはなかったよね」の「なんか」の部分は言語化しにくい。
その理由は複合的であったり、作品をさまざまなな要素に分解したときに決定的にうまくいっていない要素があったことに起因していたりする。
その作品の様々な分解をするための補助線を引く作業、そして補助線を引いた中から原因となるものを正しく認識、言語化する作業は訓練が必要というか、教養を必要とするものなのだと思う。
正直本書を読みながら著者に対し「そこまで言わなくても」とか「揚げ足取りじゃん」と思いながら読んだ部分もある(著者の宇野さんも再三本文中でことわっておられたが)。
でも作品の批評とは言語化すること、しかもなるべく具体的に言語化することが大切なのだと思う。
そういう意味で本書は良い文化批評であったのだと思う。
私も日々言語化(批評)のための教養とフラットな視点を持って素晴らしい作品たちと向き合いたい。