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恋愛がしたいからと言う理由で離婚させられたまりえ。浮気を疑ったがそんな影もなく、2年話し合って円満離婚。おひとりさまを満喫していたが、何となくの流れで結婚相談所へ登録してみるが…
アラフォーである程度の地位もあり、自活できるまりえにとって、結婚とはパートナーを求める物だけど、結婚相談所は女性は男性を立てなくてはいけない風習があり、まりえには合わない気がしました。
そして、7歳年下の由井と恋人関係になるも、お見合いは止めない。何かブレブレだなぁと思っていましたが、まりえは型にはめるのを無意識にしてるのが裏目に出ていた様に感じました。
自分から別れを告げたのは森崎なのに、まりえが恋人が出来たのが許せないのがちょっと引きました。
ようやく自分の立ち位置が見えて前を向き始めたまりえと由井がうまくいってくれるのを願っています。
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すごく心地よい話だった。結婚、離婚からの喪失の物語っていうの?冷めてるような、抜け落ちてるような中で出逢ったほんの少しのあたたかさが育っていく感じがすごく好きだった
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終わってしまった。。まだまだ続くと思っていた。。。
もっと読みたい。。。たいへん面白かったです。
最初は強い女の人生録みたいなお話になるのかな、とぼんやり思っていたのだけれど全然そんなことなくて。
お話の序盤で主人公が↓をモノローグで語ってたの。
「森崎といたときのほうが、不安定で弱かった気すらする。」
これ、心に残った言葉だからメモしてたんだけれど、読み終わってから思う。ほんとうにそう。主人公は由井くんに出会って恋をして、序盤に滲ませていたひとりの強さ、万能感、充実感、無敵感みたいなものを後半ではなくしていて、由井くんの態度や言葉で揺れるぐらい不安定で弱くなっていた。
読者は森崎さんと別れた主人公しか読めないから知らないけれど、森崎さんと付き合った時もこんなふうに不安定になった経験があるんだろうな。だからこそのこの言葉なんだろうな、と納得しました。
お話が進むにつれて、わたしの中でかっこいい、さばさばした、自立したイメージのある主人公が、どんどん身に覚えのある、恋をして相手の態度や言葉で一喜一憂する主人公になっていって、わかるわかる!と後半はとても共感しながら読みました。
序盤の感じでたけやんと主人公が付き合うのかな、と思っていたので、中盤の思わぬ赤い糸の繋がり方にページをめくる手が止まりませんでした。。予想してた読者さんいるかな。。みんなたけやんだと思わなかった??みなさんの感想を読むのが楽しみです。
もうここからは心に残った言葉を上げていくだけの感想になってしまうのだけれど、他にもこんなモノローグに心動かされました。
「人は役割に流されて欲しいものや本当の気持ちを忘れていく。」
これは今後判断を下した後に都度思い出したい言葉だなと思ってメモしてました。
「ずうっと先まで見渡せるのってしんどいときもあるよね。」
こちらは共感のメモ。千早茜さんも同じようにずっと先まで想像して気負ったり落ち込んだりした経験があるのかな、と考えました。
「この体はどこまで私の自由になるのだろう。ほんとうはなにひとつ自由ではないような気もした。」
判断したり、行動したり、は自分の考えている通りに出来るのに、病気や怪我などの体のことは考えているようには出来ない。最近わたしも同じようなことを考えたので、こちらも共感してメモに残していました。
「由井くんは、はらはらと思いがけず降ってきた花だった。」
恋のことをこんなロマンチックに喩えられる人いる!?!?いいな!のメモでした。心の辞書に太字で書き記しておきたい…素敵な表現でした。
マキさんをどうしても夏木マリさんで想像しちゃうの止められなかったです。これまたみなさんの感想読んで同じく思い浮かべた人いるかな??って探すのを楽しみにしています。
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読了
40手前で離婚されたマリエ
*離婚半年も経たないのに結婚相談所へ
*7歳年下の恋人が出来るも婚活続ける
*年下の恋人に対する駆け引き
*ブレにブレまくる感情
何ひとつマリエに共感出来なくてイライラしながら読んだ
結末にはマリエの冒険だったと書かれていて40で冒険か…と感覚の違いに唖然とした
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大好きな千早茜さんの新刊!
千早さんの描く、しんと静かで繊細な世界観が大好き。朝の描写が瑞々しくて印象的だった。
「恋愛がしたい」と離婚を切り出された40代のマリエ。なんやその理由。元旦那は最後の最後まで好きになれなかった。
グサグサ刺さる台詞や文章がたくさん。
マリエが婦人科関係の悩みを抱えている部分には自分と重なる部分があった。
私はそもそも恋愛に気持ちが向きにくいので、女の幸せってなんなんだろうか、と考えてしまう。自由な選択が出来るからこその不安定さというか。何だかんだ由井君と恋人関係になったマリエの切り替えの早さに女やなぁ、すごいなぁと羨ましく思ったり。
飲み友達のマキさんが格好よくてとても好きだった。私の中のイメージは夏木マリさん。
千早さんの描く食事シーンが大好き。今回も美味しそうなものばかり…!実際に自分が点心を頬張っているような心地になる。
「松山揚げ」は気になって検索。通販ないのかな…食べたいな…。
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現代の女性の生き方は多様化していて、結婚して子どもを育てるのだけがあたりまえではない。好きなように生きていいと寄り添ってくれているように感じた。恋愛なんて興味がないように振る舞うマリエも結局、恋愛がやめられない。気づいたらハマってて夢中になってしまっている。彼のいる生活に慣れてしまって、連絡がないことにもやもやしている姿に共感した。辛くなってやめたくても、好きという感情はなかったことにはできないから時が過ぎるのを待つしかない。恋愛感情なんてなくなればいいのにと苦しい恋愛をしている時は思ってしまう。
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•私の幸も不幸も、私が決める。そう、決めた。
•知っている関係におきかえなくてもいいのよ。どんな人との関係も初めてのものなんだから。かたちなんてないの。
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頭が知っていることは言語化できるものだが、五感は言語化できるものより多くのことを知っている。だから、結婚相手の候補として出会った本田さんの手を、「安心感のある手だった。でも、違った。この手は違う、と体が言」うのだろうし、年下の恋人である由井くんとの食事は「鮮やかで生き生きとしている」んだろうなと思った。
「私がパートナーに望むのは世界を共有することなのかもしれない。色や匂いを記憶に刻んで、また季節が巡っても思いだしたい。そして思いだしてもらいたい。この金木犀が甘く香る夜も、あの桜が発光していた夜道も。」
主人公のまりえが、最終的に辿り着いたこの答えが、不幸にならないためではなく、自分の考える幸せを実現するための選択だという感じがして、すごく好きだなと思った。一方で、それは「職をもち余裕のある者だけができる恵まれた選択」で、「結婚は自分にとって人生の就活」だと冷たく言い放ち、まりえの元から去っていく香織の姿も、あまりにも苦しく印象的だった。
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千種さんの描く女性は強いなぁと思う。脆い部分もあるけれどやっぱり強くて好き。自分とはかけ離れているけれど。
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【あらすじ】
「離婚って失敗なの?」「恋愛と結婚って別物?」
新直木賞作家が描く、おとなの女性の結婚と幸福をめぐる物語。
桐原まりえは40歳を手前に離婚した。夫の森崎に「恋愛がしたい」と切り出され、2年近い話し合いの時期を経て、7年半の結婚生活に終止符を打ったのだ。理由にはいまも納得がいかないまりえだったが、自分はもう誰にも属していない、そう思うと心は軽やかだった。離婚届を提出する朝、寂しさよりも、手放して一人になることの清々しさをこそ感じたのだ。
「あんたもこれから恋愛できるわね」、行きつけのワインバーでよく遭う年かさのかっこいいマキさんはそう言うが、まりえにはその気はない。駆け引きも探り合いも億劫だし、今のからだを見せる羞恥が性欲を上回る。なにより、すべて自分の自由にできる生活が一番大事でそれを危うくする欲望に呑み込まれたくはないのだ。でも、なにか不安で、なにか取りこぼしている気がする……。
ひょんなことで懐いてきた由井君が粉料理を教わりに訪ねてくるのを好ましくは思うが、物事の受け止め方に7つの歳の差を感じるばかりだ。そんな折、些細なきっかけと少しの興味から、まりえは結婚相談所に登録をした。そこで見聞きする世界は、思いもよらないものだった。マリッジコンサルタントに、紹介された男たちに、婚活仲間に、切実な「現実」や結婚に対する価値観を次々と突きつけられ、まりえは考え続ける。自分が人生に求める幸せとは何なのか。
若い頃のように無邪気に恋愛に飛び込んでいけなくなった眼にだからこそ捉えられる、おとなの女の幸せをめぐる長篇。
「あなたが自由で自立しているから相手を尊重できたのよ。」
【個人的な感想】
まだ私には読むのが早かったかな?
30後半、40代になってから再読したい。
でも、由井くんがかっこよかった...!
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感想
自分の幸せを自分で決める。他人に押し付けられて決められるなんてまっぴらごめん。誰かを巻き込むことになっても。自分の幸福を鷲掴み。
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主人公は39歳で離婚したけれど、経済的に自立していたので、何も困らないと思った。
やっぱり女性も結婚しても経済的に自立していたいなと思った。
結婚相談所で知り合った女性(介護が必要な母親との同居を条件にしている)が、結婚は女の身売りと言っていたのが悲しかった。
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素敵。最高だった。
この人の文章は青い炎のような
静かに、でも確かに熱いものがある。
淡々と、でもしっかりと心がチクチクしながら進んでいく。
香りも料理もふわっと浮かんできて
どっぷりとその世界に浸りたくなる。
由井くんいいなぁ。
雨が降り始める中紫陽花に見惚れてる
そんな人、なかなかいないよなぁ。
読み終わった瞬間
はぁーーー。と心から満足した息が漏れた。
読んで良かった。
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しろがねの葉の次だと、ちょっと世界が違い過ぎてびっくりした。自由っていいなと思う。実行する勇気はないけど。
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あ〜最高だった。賛否両論あると思うけど、わたしにはとてもハマった。まりえさんの心情、迷い、疑問、とてもよくわかったし、こんなにも鮮明にそれを描ける千早さんが素晴らしいこともよくわかった。マリエさんの気持ちを掬い上げるような作品で、他者の気持ちは一切書かれていないが、それがまた良い。気持ちは書かれていないが、価値観にはたくさん触れられるのが最高。益田ミリさんの日常に希望を見出すような世界観も大好きだが、千早茜さんの日常を淡々と、でも美しく描く世界観も大好きだ。いつかきっとまた読み返したい。
p.97 けれど、森崎のお母さんは「気が利く人は、1人よりたくさん見える人だろうから。見すぎる人は、人の嫌なところも見えて、しんどいだろうね」とおっとりした口調で言った。
p.117 明るく言われて、笑が漏れた。結婚相談所もヘアスタイルを変えることと同じ、選択の1つだと思うと楽な気持ちになった。美容師と言う客と言う、月に1度会って近況を話す。関係性はちょっとカウンセリングっぽいと思う。お互いプライベートで会うこともないし、特別興味があるわけでもないから、よそよそしくない程度の安全な距離感で好きにしゃべれる。重い出来事を軽く流してもらったり、身近で起きたことを整理したりするための会話。
p.122 20センチくらいに丸と四角に生地を伸ばす。平たい長方形になった生地に粗塩を振り、たらりと太白胡麻油油を垂らす。まんべんなく油を伸ばし、先に伸ばしておいたネギを散らした。これをロールケーキみたいに巻いて、ひねって潰すの。綿棒で丸く伸ばしてフライパンで焼いたら、ツォンホアピン(葱花餅)は完成。
p.128 初めて知る痛みは減り、いろいろなことがぼんやりした。その淡さに安心している。小さな満足で十分に満たされ、自分自身が飲み込まれそうな欲望からは反射的に身を引く。生活が1番大事で、自分だけの巣を守りたい。だから、いちいち傷ついていられない。歳の差ってこういうことか、と思った。由井くんと私は同じ場所には立っていない。同じ言葉を使っていても、経験によって含まれる意味や微妙に違う。
p.186
「すぐ疑似家族作ろうとするのよね。私のことも、母親だったらよかったのにとか言ってたもんね。家族の役割に当てはめる方がつながりを実感できる?安心したい?」「まさか。うちの家族なんて形だけで、安心できるようなつながりなんてありませんでしたよ」「だからじゃないの。あんたはどっかで家族の幻想を捨てきれないのかもしれないわね。それか、案外家族と言う概念に縛られているか。知っている関係に置き換えなくてもいいのよ。どんな人との関係も初めてなものなんだから。形なんてないの」
桃もモッツァレラを食べられないマキさんが息を吐くように言った。あぁ、そういう意味かとふに落ちる。ざらざらと掠れているのに、言う事は極端なのに、どうしてこの人の声を深いところで優しいんだろう。
p.199 「そうですね、恋愛とか苦手で。なんかドーピングみたいじゃないですか。一瞬、盛り上がって、無敵みたいな気分になるけど、後からネガティブなものが反動みたいにどーんとくる。あれ、無敵じゃなくて、無痛になってるんでし���うね。怪我していても気づけない。怖いですよ。恋愛は海外ならまで充分って感じですね。あ、恋愛気分が高まる。お勧めの熱愛ドラマ、いっぱいありますよ」
p.210 「自分では選ばない道を行く。ここには7つほど道がありますが、どの道を選んでも山頂には着くんです。楽な道もあれば、山を大回りする時間のかかる道もあります。険しい道も、眺めの良い道もある。でも、道を恐れずに、一歩一歩進めば、必ず目的は達成します」「でも、結婚の頂上って…夫婦2人で目指す目標って何でしょう」「こんなふうに開けていて、わかりやすいものは無いかもしれませんね。ただ、どんな苦しい道を選んでしまったとしても、道中の楽しさを見つけられる相手だったらいいと思いました」
p.218 「誰といても決めつけてはいけないのだと思います。その人の幸も不幸も。それぞれで努力するしかない。結婚していても。だから、別れた旦那様を桐原さんが不幸にしたわけではないです。それも彼の問題で、桐原さんには関係ないことです」
p.239 「前に話したでしょう。あたしは離婚したくないから結婚しないって。うちの男にはね、安心なんかしないで、ずっとこっちを見ていて欲しいの。つながらないことでつながりを感じていたいのよ。そんなわがままを通せることがあたしの矜持につながっているのだから。(意外と乙女なんですねに対して)そんなかわいいもんでもないけどね。昔、すごく悲しいことが起きたのよ。今でも思い出すと辛いわ。何十年たっても忘れない。忘れたいけれど、その痛みを手放したくない。あんたに話そうとは思わない。あんただけじゃない、古い付き合いのマスターにも、誰にも、話したくないの。その悲しさをね、共有できる相手は、あの男しかいないのよ。あの男にとってもあたししかいないの。それが、あたしたちのつながり。現実的な関係じゃないのはわかってる。この関係に対してあんたがどう思うと、それを私に伝える必要はないの」「私はどこかで、自分の未来の姿をマキさんに重ねていました」「まさか。あんたはつながりを切っていく子よ。だから好きなのよ、あたしは」