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麗一と蓮司のクスッとくる掛け合いがあるおかげで、話が重くなりすぎず読みやすかった。
いじめる側の人間はどれくらいの制裁を受けるべきなんだろう。
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Amazonの紹介より
美麗の変人&超絶お人好し、ふたりの高校生探偵が、“怪物”に迫る。ボイルドエッグズ新人賞受賞作『ドールハウスの惨劇』から続く、衝撃の連鎖!
探偵たちが目にしたのは、男子高校生が自分自身を傷つける衝撃の動画だった。“呪いの動画”の中で、血塗れの少年は加害者たちを告発していた。動画に隠された真意を追うと、禍々しい事件の幕が開く!爽やかで凄惨な心ゆさぶるミステリー!
鎌倉にある名門・冬江高校2年の滝蓮司は、眉目秀麗だが変人の卯月麗一とともに生徒や教師からの様々な依頼を解決する”学内便利屋”活動にいそしむ。
よく晴れた秋の日、“凄惨な動画”がSNSで注目を集める。
蓮司と麗一は、動画内で自殺を図り何者かを告発した男子高校生・円城寺蒼と交際していた少女・田崎菜月から、ある依頼を受ける。
――蒼は何者かに脅迫されていたのではないか。
真実を知ろうと調査を進めるふたりは、“人の闇”と直面する。
良妻賢母と評判の、蒼の母親・貴子、お嬢様学校に通っているはずの菜月、同級生から慕われていたという蒼自身にさえも、仄暗い噂が……。
さらに事件は過去へもその業火を広げてゆく!
コミカルな所もありましたが、前作よりもスケールが大きく、よりおどろおどろしい凄惨なミステリーでした。
前作では「惨劇」という言葉だったので、どんな作品なのか読んでみると、思ったよりも・・という印象でした。
期待値が高かったためか、ちょっと拍子抜けした印象だったので、今度は正直期待はしていませんでした。
読んでみると、予想を上回っていました。学園ミステリーのような雰囲気として読むと、痛い目に遭うのでご注意ください。
凄惨なシーンや目を背けたくなるような表現があるだけでなく、それぞれの登場人物の裏の顔には驚きと共に、もう最初の印象には戻れないなと思ってしまいました。
一つの告発動画から始まって、みるみる話が広がっていくので、意外と本格的なミステリーで面白かったです。
まさかここまで話が広がるとは。読めば読むほど、怪しい一面を持っているのでは・・と思う登場人物が現れるばかりで、色んな考察が広がりました。
事件の内容としては、暗めで陰湿な空気感なのですが、二人の高校生のコミカルなやり取りで中和されて、あまり沈みすぎない気持ちで読めました。
意外な展開、登場人物の意外な「裏」の顔など、シリーズ本ですが、これだけでも充分に楽しめました。
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ある日公開された、高校生の自殺未遂動画。
いじめを告発し、ある人を呼び出す内容の動画は世間に拡散されて話題を呼ぶ。
命をかけてまで動画を公開したかった高校生の思惑とは?
依頼を受けたたこいと研究会の高校生コンビの2人が、真相に迫るミステリーです。
まず、前作の『ドールハウスの惨劇』よりも増した主人公2人のコミカルな会話が面白く、シリアスな事件を追っているのか?と思うほどに、電車で読んでいて笑いました。
そして、このミステリーのテーマは「いじめ」で、過去のいじめ事件がどうも発端になっているらしいのですが、そのいじめ事件の詳細がわかればわかるほど謎だらけに。
それでも、最後の答えでなるほどと思えると同時に、まさに怪物のゆりかごという、タイトルにピッタリな内容だったなと思いました。
作者のあとがきで、いじめる奴は妖怪みたいなものだというニュアンスが特に秀逸だなと。
確かに、いじめのターゲットが嫌がることなら、なんでもするようなのがいじめる奴やもんなぁと思い出しました。
それは、確かに妖怪で、関わらないこと、逃げることが1番大事だというのは納得してしまいました。
そして、そんな人1人の人生を台無しにしたようないじめっ子(妖怪)がのうのうと生きている。いじめられた人が苦しい思いをしているのに。
何なら、幸せな家庭をきずいて生活してたりするんですから。
勿論完璧な人間なんていないし、いじめっ子だって改心もするだろうし、そのままの人間だというわけでは無いでしょうが…
いじめられた経験がある私も、私をいじめた奴が不幸だったら良いなとも今でも思うので、いじめって本当に誰も幸せにしないよなと改めて感じた作品です。
あれ?これ、ちゃんとミステリーの感想になってすかね?って思いながら。
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子どもの頃のいじめは被害者の心に大きな傷痕を残すばかりではなく加害者の方にも傷痕を残しているものである。高校生の2人が探偵になり問題解決に---なかなか良く出来ている話だ。文脈の中にホッとする思わずニヤッとする文脈もあって心安らむ時があって良かった。
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「たこ焼きブラザーズ」に吹きそうになりました。
グロテスクな表現と彼らの軽快なやり取りがバランスを取っている感じです。作者の尊敬する作家に「ヘルマン・ヘッセ」とあり、なるほど。中学の教科書に出てきたあの物語。うろ覚えだけど、青春感が共通。
親子の関わりで、何がどう子供に影響を与えてしまうものなのか。
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なんと自分でびっくり。
同志少女〜の、逢坂冬馬さんと間違えたまま読了。
面白いけど、随分作風が違うなぁ、と。
いやはや大変失礼いたしました。
二作目ということも混同の原因のひとつだったけど、本作はどうやらシリーズ二作目らしい。
これは遡って読まないと。
犯人はわかりやすいかもしれないけど、それを差し引いても十分楽しめる。
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鎌倉にある名門・冬江高校2年の滝蓮司は、眉目秀麗だが変人の卯月麗一とともに生徒や教師からの様々な依頼を解決する”学内便利屋”活動にいそしむ。
よく晴れた秋の日、“凄惨な動画”がSNSで注目を集める。
蓮司と麗一は、動画内で自殺を図り何者かを告発した男子高校生・円城寺蒼と交際していた少女・田崎菜月から、ある依頼を受ける。
――蒼は何者かに脅迫されていたのではないか。
真実を知ろうと調査を進めるふたりは、“人の闇”と直面する。
良妻賢母と評判の、蒼の母親・貴子、お嬢様学校に通っているはずの菜月、同級生から慕われていたという蒼自身にさえも、仄暗い噂が……。
さらに事件は過去へもその業火を広げてゆく!
今回もすごく面白かった!!前回同様に、あっという間に読んでしまった。蓮司くんと麗一くんのコンビは最高だ。そして、今回は学校内の事件ではなく、違う学校で起こった事件を違う学校の生徒から依頼されて調査を始めていく2人。
SNSを通してネットで大炎上した映像を流した蒼くん。この蒼くんの母親はなんだかすごい人だったな。麗一くんのことを一目で判断し、一緒に働いていたときは可愛がっていたバイトの子も派手な見た目になると無視するってすごいなぁ。
蒼くんもだいぶヤバい子だったな。目の前からいなくなってしまった好きな人を探すためにいろんなところに出歩いて、そこで迷子や徘徊老人を助けて「いい子」を演じていた。ストーカーって言葉知ってる?ってなんとなく言いたくなったし、最後まで読んだ私からしたら、「この父親と母親の子供らしいなぁ」と薄っすら思ってしまった。菜月ちゃんと一緒に過ごす上で更生してほしいが。
しかし、なんだか前回より凄惨な事件ではなかったか。心優しい蓮司くんのトラウマにならなければいいけど。でも、麗一くんと一緒だからなんとか平気か。麗一くんが言っていた
「友達のことを考えるとき、その背後に彼らの親御さんの顔が浮かぶんだ」
って、なんか深いっていうか麗一くんらしいというかって思った。なんとなく家族に恵まれなかった麗一くんが、蓮司くんの家族や今回の多胡くんの母親とかいろんな家族に触れて、それも含めて守らないといけない、悲しませてはいけないって思ったんだろうな。
2023.11.15 読了
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麗一と蓮司の掛け合いを楽しみながら読める作品でした。
また、将来起こるかもしれないリスクを回避するために今生じる犠牲を許容すべきかどうかという難しい議題を読了後に考えています。
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文章はすごく読みやすかった。この作品は何というジャンルなのか…青春小説じゃなかろうか。
推理小説と思って読んだせいで少し肩透かし。
色々癖のある小説なので合う人には合いそう。
こういうタイプの話だとすんごい猟奇的にしてくれた方が私は好み。でも青春小説なら猟奇的はありえないね。
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いじめ、ダメ絶対
やはりいじめは更なるいじめ・犯罪しか生まない、と心底思わされた話。
いじめもダメだし、報復もしちゃいけないけど、物語の中では、主人公の麗一は元々ネジの飛んでる人柄だし、「あいつらは死んで当然」と言う意見にもあっさり同意したりして、きれいごとじゃなく率直な気持ちを話すから、読み手がとても考えさせられる。
緻密なトリックの推理というより、少しずつ真実が麗一と蓮司によって明かされていき、そのときのやり取りが軽妙で前作から、このノリは好きだなぁ。正反対の境遇の二人が信頼しあってるバディ感が良かった。
普通の顔をした壊れた人たちがたくさん出てくる話なので、現実に自分の周りにも実は潜んでいるのかも、いや、そもそも私も壊れてる人じゃないって断言できないと怖くなった。
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前作も面白かったので、こちらも読みました。
前作の続きの時系列だったので、読む人は前作『ドールハウスの惨劇』から読むと、登場人物がよりわかって良いかと思います。
今回のテーマはいじめ。
そして今回は誰が犯人なのか怪しい人が多すぎて…誰が誰だかわからなくなりながらも(途中で前のページを戻ったりしながら)読み終えました。
以下犯人のネタバレ。
まさか、蒼くんのお父さんが快楽殺人鬼だったとは。途中に自称彼女の菜月、蒼くんのお母さん貴子も怪しいと思ったし、最早出てくる人みんな怪しく見えてしまった。300ページ超えですが、ページを捲る手が止まらず最後まで読みました。
最後は蒼くんと菜月ちゃんが楽しそうに会話していて、ほんとよかったなぁと思った。菜月ちゃんは最初怪しいと思っていたけど、サバサバしていて格好いい女の子で好き。完全なるハッピーエンドではないけど、二人が前を向いて過ごしていけていたらいいな。
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学園ミステリにしては事件性やテーマが少し重いのではと思わせられるような展開。前作同様、息苦しくおぞましい展開、そして事件の背景も暗く深い。天才的な推理と行動的な麗一、あくまでも普通の高校生の蓮司のコンビの掛け合いが唯一の救いか。若干ではあるが蓮司の心の中に自分への保守より、事件への興味に心が動くような描写が見受けられた。この先、この二人の物語りが続くのであれば、ホームズとワトソンのような関係が築かれることを期待してしまいます。
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前回に続き拝読。やはり2人の何気無い会話が楽しい
前作を超える緊張感、怒涛の展開にまたも翻弄された。
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高校二年生の滝蓮司と卯月麗一の学内便利屋シリーズ第2作。
何ものかを告発し、自殺を図るかのような凄惨な動画を拡散させた円城寺蒼。その恋人を名乗る少女・田崎菜月から依頼を受けて、二人は事件を調べ始める。
いじめの描写だけでも気持ちが悪くなるが、真相はもっと救いがない。
妙に達観している麗一の抱えている闇もなかなか深そう。
二人の、ときに同級生や菜月をはさんだ軽妙な掛け合いに助けられて読めるが、それにしても蒼たちの今後の人生を思うとしんどい。
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シリーズとして売られていたらそれは読むしかない、ということで前作『ドールハウスの惨劇』を読んですぐこちらも図書館で借りて読みました。
前作、高校で便利屋程度の働きをしていた高校生探偵のふたりでしたが、初めての大きな事件、そしてその事件では中心人物と深く関わる立ち回りだったため心の優しい蓮司くんの負った精神的な傷が今作では効いていて、弱った少年という図もまた良しです。(下衆…
一方で今作の方はミステリの部分が前作よりもパワーアップしていて勢いはそのまま、だがきちんと作者自身が向き合った救済のかたちまで見せてくれる、大変好感の持てる作品でした。
大人ではない彼らが考え、導くことのできるラストという意味ではとてもよいストーリー展開だったように思いましたが、真相部分の核となるところは人間のもっともっと深層深くまで潜り、抉ってほしいという思いは前作同様生まれてしまいました。
もう手元にないのでお気に入りの細かい部分を正しく書き記せないのが残念ですが、麗一くんがいつも万能すぎるわけではない、まだ高校生な未熟さがあるところもいいし、だがときに大変スマートに頭の中で道筋を立ててしまっているところも良かったです。
遠坂先生が今後もミステリを書かれるのかはわかりませんが、きっとこれから何作も書かれていく中でもっと洗練された遠坂先生だけのミステリが完成されていくのだと思うとまた読書の楽しみが増えます。
次回作も楽しみにしていますー。
特にいよいよ麗一くんにフォーカスするという展開を楽しみにしてしまいます(下衆…