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IWGPシリーズ第19弾。世情を映し出した読了感ある4部作。
時代は変わっても、変わってほしくない人間の姿や生き方というものを改めて考えさせられる。
20年以上続くマコトやタカシの物語がこれからも長く続いてほしい。
【大塚ウヰスキーバブル】
ウイスキーバブルで思わぬ恩恵を受けた老バーテンダー。不憫な孫の将来を第一に考え、自身はまた明日からは普通のお酒を一杯ずつ売る生活に戻ると宣言した格好良さに敬意。
【私生流出】
推し活につけこみ、アイドルの個人情報を売り物にする輩。個人情報は金銭的な価値あるデータであるが、元を辿れば1人の人間を構成するそのものに他ならない。
推しを苦しめるのはアンチよりも過激なファンなのかもしれない。
【フェイスタトゥーの男】
気の弱い好青年が犯罪に加担させられる悲しい物語。道を踏み外した青年を責任を持って面倒を見ると宣言したコウシ、当然のようにピンチに駆けつけるキングの義理堅さ。
【神の呪われた子】
元首相の暗殺事件で一気に批判が噴出した宗教2世問題。今で言う親ガチャの大ハズレを引いてしまった子供の悲惨な境遇。
「神様を信じる自由も、信じない自由も、子供だって好きなように選べる」世界であってほしい。
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シリーズものかな?
圧倒的に強いパートナーを持つ主人公の活躍って構図と理解。最近の世間の話題を載せていくリズム感が良いね。
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安定の面白さでした。世相を取り入れたトラブルの解決面白く読めました。
宗教2世のおぞましい話、親の幸せと子供の幸せ、線引きが難しいと改めて考えさせられました。
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またもや文庫派の自分が我慢できず、図書館でフライングしました。(といっても半年間以上予約待ちでようやく…)
自分は年を重ねても、マコトやタカシの行動をかっこよく尊敬すらします。
・大塚ウヰスキーバブル
マコトがバーのマスター(訳あり娘家族あり)が所有するお宝ウィスキーを巡る話。
現実では既にバブルも崩壊しているようですが、それでも、作中と同じように8000万円で落札されたウイスキーもあるようです。
マコトみたくバーで物思いにふけってマスターと話しながら、ウィスキー飲むのって憧れ…。
・<私生>流出
アイドルグループの個人情報流出の根源をたどり撲滅する話。
実際でも過激な推しがアイドル本人たちを苦しめるのは明るみに出ないだけで、発生してそうですね。名簿屋とかもいるんだろうな…。
・フェイスタトゥーの男
マコトとタカシの旧友が働く古着屋のバイトを、加担した強盗団から救い出す話。
強盗団のボスはブレイキングダウンの参加者をイメージしたキャラ設定なんですかね?
最後はお決まりのタカシの拳でK.O.
・神の呪われた子
この話のテーマになる宗教2世の苦悩は、この話が書かれた1年前にも元首相狙撃という凶悪事件という形で表面化しました。
これまでも宗教が絡んだ事件は明るみに出ないだけで幾多あったと思います。
興味あって、この国にある宗教団体のことを調べてみましたが、なんかどれも闇を抱えている様子でした。
思想は自由ですが、それは2世となる子どもにも与えて然るべきこと。
親の思想で子どもの人生を振り回すのは、絶対にあってはならないこと。
この国にもこの話で出ててきたルカやアズのように、苦しめられている2世はまだまだいると思います。
他人・家族の人生を糧に、甘い汁を吸う。
そのロジックがこの国にある宗教なんでしょう。
話としては、毎度の勧善懲悪で一件落着。
タカシが珍しく、ダメージを受けた描写がありましたが、それでもキングは冷ややかに相手を指してました。(論理構築力っていう言葉のセンスよ。)