投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
正確には星6です(やや誇張)。
斑目機関シリーズは好きだけど、最近のはなんかな、と思っていたところ、この作品がなかなかの評判だったので後方彼氏面で読み始めたら知らぬ間に最前列でサイリウムをブン回していた、という感じですね(?)。
小学生3人組が従姉妹の遺した七不思議の謎を解き明かすうちにえらい事になったって筋ですが、七不思議の記述にトリックが仕掛けられていたり、3人の議論だけでなく、世間話の中に黒幕の意図を解く鍵があった、といったところには『屍人荘の殺人』を思わせる技巧が感じられたし、主人公の小6男子の学校以外の世間へ意識の向け方や問題への目線が、青よりもまだ淡い色合いなのが大変リアルに思えたり、そして上記を踏まえての最終盤の「知ったら死んでしまう七つ目の不思議」と幕引きが、某キング・オブ・モダンホラーの映画化もされた代表作を思わせるスケールの大きなもので思わず変な声を上げてしまいました。
田舎の小6にしちゃ賢すぎん?とか、怪異の存在が作品の中で肯定的か否かが終盤まで明らかにされてないから気持ちが落ち着かなかった点はあるものの、それでも良い小説だと思いました。
ミステリー好き、ホラー好きどちらにも薦められる傑作かと思います。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
小学6年生3人が、亡くなった従姉妹の死の謎に迫るミステリー。
果たして、彼女の死は殺人か、事故か、オカルトなのか。
亡くなった従姉妹が残した七不思議を現実視点、オカルト視点、その2つを受けての第三者視点で推理し、真相に迫っていくというものです。
フーダニットというよりも、ホワイダニットかな?と思います。
終始、現実的な殺人事件なのか、オカルトによる殺人なのかがわからない内容。
はじめは、小学生らしくない小学生たちが主人公、ヒロイン?だったので、読み進められるのか?と不安ではありましたが、気がつけば、最後の方はページを巡る手が止まらなかったです。
私の浅いミステリー歴でも、本作品は意欲作だなぁと思います。
探偵役が小学生ということもあり、調査の制約が多い(自由にお金使ったり、車で遠方にはいけない)し、そもそも、本当にオカルトなのか?という視点を取り入れていることで、それだけでミステリーが成立しているというのが凄いなと思いました。
ひかりあるところに闇はあって、その闇を暴くというのもミステリーだと思いますが、本作みたいな闇の作り方も面白いなと。
そして、タイトルのように「でぃすぺる」な内容となっています。
小学生が探偵だからと言って甘く見るなよと伝わってきた作品です。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
この作者恐るべし。
1つの事件をきっかけに結託する3人の小学生。
果たしてただの殺人事件なのか、幽霊の仕業なのか。
様々な陰謀が交錯しあい、次第に真実が明かされていく。
と、ここまではよくある展開なのだが他の作品にはない要素が1つ。
それはズバリ作者が今村昌弘氏であるということ。
きっとこの作品を読んでいる人のほとんどが剣崎比留子シリーズを読んでいることと思う。
であればこの作者が書くミステリといえば、きっと前作品のような非現実的な要素が散りばめているに違いない、と思うだろう。(少なくとも自分はそうでした)
読了後、思えば自分はこの気持ちすら作者に想定されていたのだろうと酷く悔しい気持ちになった。
本当に最後の最後まで展開がわからない、ミステリを超越した作品だと思う。
伏線も随所に散りばめられていてミステリとしても完成度も高い。
ぜひ実際手にとって作者に翻弄されてほしい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
後半は一気読み!
でもまさかミステリーではなくホラーだったとは!しかも砂でやっつけられるとは!!
なんだかんだで井戸の水が汚染されてて、それを隠蔽しててっていうストーリーを想像してたので
まさかの展開。
七不思議の謎を解いていくのはすごく面白かった。
山姥村の終わらない葬式の話、
「こんばんは。なずてからきました」
というゾッとするセリフ
魔女がなずての会のメンバーだった!!?
などすごく惹き付けられる場面がたくさんあり、読むのが止められなかった。
小学生3人のキャラクターも際立っていて素敵。
中学生になったらどうなっていくのかな。
また違う謎にも3人で立ち向かって欲しい!!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
小学生3人組が、殺人事件の真相を追う。手掛かりは被害者女性が残した6つの怪談のみ。
怪談を読み解く過程で事件の真相が徐々に明らかになるという凝った展開で、本格と怪異のバランスが見事で、そういう意味では三津田信三の作品や、綾辻行人の「Another」などに近いテイスト。
ただ、主人公を小学校6年生としたことで、全体的に明るくさっぱりとしたトーンになっている。
あちこに伏線があり、ラストで余すことなく回収されていく展開は見事だが、この真相には好みが分かれるかもしれない。
それにしてもこの作者の作品は、デビュー作から全くハズレがなくどれもレベルが高い!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
小学六年生二学期、壁新聞係のキュートな三人組が街の七不思議と不可能事件に挑む! #でぃすぺる
■あらすじ
夏休み明けの小学校、六年生の二学期が始まった。オカルトな話が大好きだった少年ユースケは、掲示係に立候補し、壁新聞に怪奇現象の記事を書こうとしていた。しかし元委員長のしっかり者の少女サツキと、謎めいた転校生の少女ミナも掲示係に入ることになる。
怪奇現象の記事が書けなくなると残念がるユースケだったが、サツキからは街の七不思議について記事作成の提案を受けるのだった。
■きっと読みたくなるレビュー
小学生といえども高学年にもなれば、ただ経験が少ないだけで、ほぼ大人と同じ思考回路を持って判断ができるそうです。そんな彼らの大冒険が繰り広げられる本作、もうーー可愛すぎるんです。
街の七不思議と雪密室の謎を解くため、個々の力を合わせて知恵をしぼり、チャレンジングに行動していく。性別も性格も環境も違った彼ら、最初はケンカや言い合いもするけど、少しずつ変化していき… 幼いながらも懸命に生きている姿を見ると、自分の小学生時代を思い出してしまいますね。
特に終盤では、今までの経験から個性の強みが大爆発! カッコイイ小学生たちに思わず目に涙ですよ…
本作、ストーリーは街の七不思議なるオカルト的なお話を中心に進行していく。ちょっとありがちだし、幼稚なんじゃない?と思われるかもですが、むしろ強固で厚みのあるミステリーでぶっ飛びます。
そしていつもの今村先生とおり、本作でもセンスのある文章を書いてくれるんですよね。優れたバランス感覚は流石です。
場面を説明する地の文とボケとツッコミみたいな気の利いた会話、この中間あたりの文章で面白く表現していくんです。読みやすいし、楽しいし、濃厚度も丁寧さもしっかりある。感心しながら読ませてもらいました。
謎解きは思っていた以上に情報量が多く、実はどこに帰結するのか想像がしづらい。犯人も動機も良くわからず煙に巻かれるんですが、解決パートでは本作の魅力をすべて包み込むような真相が明かされる。この緻密さと想像力も、今村先生ならではの作品だと思いました。これからも期待しちゃいます。
■きっと共感できる書評
私が小学六年生の時は放送係に所属していました。給食の時間にラジオみたいなのをやってましたね。たしか毎週金曜日を担当していて、小学生には珍しく何でもありバラエティー番組でした。全校児童の間で大ウケすることもあったし、逆に先生にこっぴどく怒られたこともありましたね。
それでも何が楽しかったって、どんなことをお話するか先生や仲間と相談しながら、台本を決めていくところ。今までどんな内容が評判がよかったか調べたり、どうすればさらに面白くなるか議論していく。大人になってからの仕事ともそんなに遠くないことを既にやってましたね。幼い頃の成長体験は貴重なものです。
少年時代を思い出させてくれる素敵な一冊でした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ジュブナイル✕オカルトミステリ
小学生の男女3人が掲示係になり、壁新聞を作る為に町の七不思議を追っていくという内容で、このプロットを聞いてワクワクした人には間違いなくオススメできる。
小学生だけで捜査するのがいかに難しいかというのが伝わって来るし、それを打開する為に色々工夫しているのがとても面白かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ラストにいくに従って尻すぼみで決して納得できる結末ではないが、ミステリー・オカルト・ホラーのミックス具合が抜群で、しかもユースケ・サツキ・ミナの3人の個性と関係性があますところなく描かれており、かつ小学6年生という活動に制限をかけたところが成功している。「屍人荘の殺人」より人物が確り描けており、小説としてはこちらの方が面白かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
青春も混じりつつのオカルトミステリー。
七不思議の謎を追っていく小6の3人組。
展開が早くて面白かった。
シリーズ化しないかなあ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
Amazonの紹介より
『屍人荘の殺人』の著者が仕掛ける
ジュブナイル×オカルト×本格ミステリ
小学校最後の夏休みが終わった。小学校卒業まであと半年。
ユースケは、自分のオカルト趣味を壁新聞作りに注ぎ込むため、〝掲示係〟に立候補する。この地味で面倒だと思われている掲示係の人気は低い。これで思う存分怖い話を壁新聞に書ける!……はずだったが、なぜか学級委員長をやると思われたサツキも立候補する。優等生のサツキが掲示係を選んだ理由は、去年亡くなった従姉のマリ姉にあった。
マリ姉は一年前の奥神祭りの前日、グラウンドの真ん中で死んでいた。現場に凶器はなく、うっすらと積もった雪には第一発見者以外の足跡は残されていなかった。つまり、自殺の可能性はなく、マリ姉を殺した犯人が雪が積もる前に凶器を持ち去ったはず。犯人はまだ捕まっていない。
捜査が進展しない中、サツキはマリ姉の遺品のパソコンの中に『奥郷町の七不思議』のファイルを見つける。それは一見地元に伝わる怪談話を集めたもののようだったが、どれも微妙に変更が加えられている。しかも、『七不思議』のはずなのに六つしかない。警察がこの怪談に注目することはなかった。そして、マリ姉に怪談を集める趣味がなかったことをサツキはよく知っている。
マリ姉がわざわざ『七不思議』を残したからには、そこに意味があるはず。
そう思ったサツキは掲示係になり『七不思議』の謎を解こうとする。ユースケはオカルト好きの観点から謎を推理するが、サツキはあくまで現実的にマリ姉の意図を察しようとする。その二人の推理を聞いて、三人目の掲示係であるミナが冷静にジャッジを下す……。
死の謎は『奥郷町の七不思議』に隠されているのか? 三人の〝掲示係〟が挑む小学校生活最後の謎。
こんな小学6年生でありたかった、という思いを掻き立てる傑作推理長編の誕生です。
題名の「でぃすぺる」ですが、「霧を散らす、払いのける」といった意味の英語です。ということは・・もしかしたらこれだけでどういった要素があるか想像できるかもしれません。
小学生達の推理力は大人顔負けで圧巻でした。
最初の段階では、七不思議を解き明かすということで、ひと夏の経験的な爽快感のあるミステリーかと思っていました。
活躍している姿は、ズッコケ三人組や少年探偵団を想像させるようで、ワクワクドキドキの連続でした。
実際に現場に行ったり、しっかりと話の裏に隠された矛盾を探ったりと次第に本格的なミステリー⁉︎と思いながら読んでいました。
時折小学生といいましょうか、大人があまり考えないような柔軟な発想もあって面白かったです。
そもそも発端となった七不思議の話のクオリティがとても高かったです。後々、色々と紐解いていくにつれて、明らかになっていくのですが、すげぇと一言では片づけられないくらい色んな仕掛けがあって、面白かったです。
そして、小学生達の推理は「大人」をも巻き込む事態に。
色んなものを巻き込んでの展開はミステリーとしての面白さがありました。このまま「本格的」に展開⁉︎と思ったのですが、事態はオカルトな要素へ。
てっきり正統派なのかなと思っていたので、個人的にはちょっと残念感が頭をかすめました。
ただ、この作品が今村さんの小説だったことに改めて気づきました。今までの作品が、突拍子のない設定や摩訶不思議な世界観を多く手掛けているので、この展開は納得感がありました。
結末としては、今後も「伝統」は続くのでは⁉︎といった含みのある展開だったこともあり、もしかしたら続編があるのかなとも思いました。小学生達が中学生へ。ちょっと期待してます。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
小学6年生。掲示係の3人。
波多野沙月、木島悠介、畑美奈。
はじめは壁新聞のための調査だった。
しかし、調べてたり、聞き込みをしたりしているうちに、様々なことが明らかになり繋がっていく。
波多野沙月の従姉妹が死んだ。
七不思議は、6つまで知られていて、7つ目を知ると死ぬと言われている。
それが理由なのか?
死の真相を探る3人。
dis・Pel →追い散らす、〈心配などを〉払い去る、〈闇などを〉晴らす、一掃する。
奥郷町の七不思議。
なずての会とは?
なずて→泥子手神、かつて海の向こうからやってきて、この地を救った神様。
死が電話によって伝染?
作間さん、人でない?
何十年も昔からあの姿のまま。
尾埜上町長が戦う。
なずての会は、怪異と敵対する組織。
作間の正体は、豊木輝彦。
魔女の家の、魔女の兄。傀儡。
怪異の正体は泥子手神。この地に封印された古い邪神。
鉱業によって開発された山から、封印が解け、鉱山の事故後にも葬式が続いた。
呪い?怖い。
簡単に人が死にすぎる。
なぜ小学生だったのかな。
よく謎が解けたと思う。
アニメ化してほしい。
オカルト。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
オカルトミステリーとはいえ最終的には人為的なトリックが明かされるはず…塩が黒く変色したのも、動画に異常が写っていたのも、何か科学的な説明がつくものと思っていたら、予想外のオチに拍子抜け。 今村昌弘さんならそれでもアリなのかな。
探偵たちが小学6年生という、子供ならではの視点や、行動がままならない歯痒さ、学校生活や友人との関係性も新鮮で良かった。この3人組が中学生になった続編が出たら読んでみたいなと思った。
ただ、この子供たちが出しゃばったおかげで、怪異に巻き込まれて亡くなった方々もいて気の毒…
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
今村昌弘さんの新作。待ちに待ってました。
七不思議を解く、
小学生たちのひと夏を描いた青春ミステリ。
と思いきや、かなり重いドロドロとした話で、
衝撃のオカルト的な展開でびっくりしました。
というのも、作品に登場する七不思議が緻密に構成されており、
いかにもありそうな怪談話に仕上がっています。
稲川淳二さんが「なんか怖いなーー」と
七不思議を紹介しても問題ないレベルですね。
また、小学生目線の描写が表現豊かに感じました。
六年生最後でたまたま掲示係で主人公3人は仲良くなりますが、
いずれ訪れる別れの切なさ、大人へのあきらめの気持ち、
中学生になる期待、そんな心情も描ききってますね。
少し大人びた考えをしすぎかなとは思いましたが、
作品にする以上は許容範囲だと思います。
ちなみに、タイトルの『でぃすぺる』
意味は「払いのける」、いかにもですね。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
デビュー作『屍人荘の殺人』から4作目。今村昌弘さんは、初めてシリーズ作品ではない作品を刊行した。事件を追うのは3人の小学生だが、ジュブナイルかと思って読み始めると、舐めてかかっていたことに気づかされる。
夏休み明けの2学期初日、主人公のユースケは、優等生のサツキ、転校生のミナと一緒に掲示係になった。取材して壁新聞を作成するのだが、オカルト趣味のユースケは、当然サツキと路線対立するだろうと思っていた。ところが…。
亡くなったサツキの親戚・マリ姉が残していた、六つの怪談。七つ目を知った者は死ぬという。謎めいた援軍も得て、3人は六つの怪談について順に調べ始める。この手の作品のお約束として、3人の行動力、思考力は小学生とは思えない。
小学生の頃、ちょっとした冒険なら誰でも経験があるだろう。そんな懐かしい空気も感じるものの、怪談一つ一つの内容は軽くはないし、町に隠された闇を示唆している。もはや小学生の手には余る気がするが、ますますやる気になる3人。
核心に迫ると、妨害されるのがお約束。中学受験を控えたサツキの両親はいい顔をしないし、先生は壁新聞の掲示禁止を命じる。そんな中で、ユースケがミナの閉ざされた心を解きほぐすのは、数少ないほっとするシーンだ。
はたして本格ミステリかオカルトか? 帯の麻耶雄嵩さんのコメントは、言い得て妙だろう。3人が意見を戦わせて描いてきた構図は、最後にひっくり返る。麻耶さんのように「負けた気分」とまでは言いたくないが、そう来たか。
自分の読後感は『屍人荘の殺人』と極めて近い。あの時感じた老獪なまでのバランス感覚。今回はジュブナイルの要素まで入っているのである。寂れゆく町へ愛着が、物語の根底にあることに注目したい。だからこそ秘匿してきた。
一件落着のような続きがあるような結末だが、聡明な3人には町の外の世界も見てほしい気がする。改めて、マリ姉のご冥福を祈りたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
怪奇ミステリー。小6掲示係は中学並の行動力。全て知ると災厄,奥郷町七不思議。怪異を探り死の真相に近付く。犯人は見抜けなくて当然の存在。半身の懸念残る。