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岬洋介シリーズ8作目。
今回の舞台はアメリカ。
2016年、大統領選挙の影響で人種差別が激化する中、ピアニストのエドワードは、音楽家として演奏で人々の心を融和させることができないかと考え、岬との共演でガーシュウィンの「ラプソディ•イン•ブルー」を引くことを思い立ちます。
このシリーズの最大の魅力はやっぱり卓越した音楽描写で、過去作にも増して素晴らしいと感じました。
演奏者の高揚や緊張感、会場の雰囲気等を含め、音楽がものすごい臨場感をもって伝わってきます。
また、音楽を愛していながらも暗殺者としてコンサートに潜入することになる「愛国者」のパートは、後半に進むにつれて葛藤と苦悩が大きくなっていく様子が読んでいてすごくヒリヒリしました。ラストは切なかったです。
ミステリ要素はかなり薄めですが、「愛国者」の葛藤を描いた人間ドラマの部分と臨場感溢れる「ラプソディ・イン・ブルー」の演奏シーンが本当に素晴らしく、個人的には大満足の1冊でした。
あと、岬がエドワードに作った朝食のメニューがとても美味しそうで、ここを読んだ時すごく心が躍りました笑
次の『とどけチャイコフスキー』も楽しみです(^^)
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中山七里のデビュー作「さよならドビュッシー」から続く、
岬洋介シリーズの第8弾。
アメリカでは、白人警察官により黒人を死に至らしめてしまったことを
きっかけにして、全米でBMLデモが激化していった。
そのさなかで、ショパンコンクールに入賞した経歴を持つ、
エドワード・オルソンは、ピアノの練習に勤しんでいた。
エドワードは、同期のショパンコンクールで話題を博した岬洋介と
入賞していた榊場隆平とのセッションを知り、動画を検索し観たことで、
感化され、岬洋介とセッションしたいと思うようになる。
マネージャーに岬洋介とコンタクトを取るように指示した。
そんな中、大統領選でヘイトスピーチを行う実業家が当選し、
雲行きが怪しくなっていく・・・。
今作では、ショパンコンクールと言うのがきっかけとなっていて、
エドワードと岬洋介がどう絡んでいくかってのが見どころではあるが、
他にもいろいろ語りたいところがあってもネタバレになるため言えない。
作中は特に感動とかそこまでなく読みやすいからスラスラ読めるし、
これってミステリーなのかどうかも疑わしくもあったが、
最終的にはちゃんとミステリーであったし、しかも涙もろく
なったのかもしれないが、涙が・・・ってな感じになった。
最後の1行で、リアルな今の状況下で考えると、危険じゃないかと
思ったり思わなかったり。
作中で出てくる、ショパンコンクールに関しては、
第3弾のいつまでもショパンを、岬洋介と榊場隆平の話は第7弾の
おわかれはモーツァルトを読んでください。
と言っても、実はシリーズ通して全部読むのが、流れとして一番良いかな。
第4弾のどこかでベートーヴェンと第5弾のもういちどベートーヴェンは、
岬洋介の過去の話で、岬洋介というピアニストが誕生するまでが書かれているし、
第6弾の合唱では・・・あまり言わないほうが良いかな(笑)。
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継続して読んでいるシリーズ最新作!
アメリカ大統領選・人種のるつぼといったテーマと、ガーシュイン作曲のラプソディ・イン・ブルーという組み合わせは良い( ´∀`)bグッ!
ラプソディ・イン・ブルーがお披露目された初演が1924年2月らしく、今年は100年目という節目が感じられて嬉しかったです。些かミステリー要素が薄かったように思いましたが、次作も楽しみです。
『音楽で暴力に立ち向かおうとするのかい。それはファンタジーだよ。』
『音楽には暴力に比肩する力があります。』
2024.4
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中に謎があったので期待して読み進めたが、なんだ前巻があったのか。読まねば。
ちなみにガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルーのアレンジがそれほど多くあるとは知らなかった。
改めてピアノ2台のバージョンを聞いてみたくなった。
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岬洋介シリーズはハズレはないが、本作は当たりとまではいかないか。少し設定もストーリも安易な感じ(驚異的な上梓スピードからすればこれでもスゴイが)。題材が「ラプソディー・イン・ブルー」なので、演奏の細部まで手に取るようにわかるところはうれしい限り。次はチャイコフスキーですか。。
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音楽×ミステリー×政治など、何十層も物語に楽しい要素を掛け合わせてくる、岬洋介シリーズ。
パーフェクトフューマンの岬先生にガチ恋勢のひとりです。(御子柴先生も同様)
アメリカであの大統領が当選した時のお話です。
もはやこれはフィクションではない。
ニュースを見聞し理解していたつもりでしたが、この本を読んで、関心の域を超え、心が動きました。
音楽、政治、経済、いろんなことを学びと気付きを与えてくれる中山先生…いつもありがとうございます…
先生の知識の幅は無限大!どれも専門家レベルの描写で圧巻です。
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待ちに待った『岬洋介』シリーズ!
人種差別が激化したアメリカでショパンコンクールでファイナリストとなったエドワードが岬洋介を召喚し、音楽での抵抗をガーシュウィンの曲で表そうと企画した。この二人の邂逅もこの小説の一つの見せ場。
並行して、大統領を暗殺しようと企てる組織の一員も描かれる。なるほど興味深い。
人種差別や政治の闇、様々な力関係が見え隠れする中、岬とエドワードの一途な音楽への思いが清々しい。そして結果的には暗殺者は誰かというミステリ要素も楽しめる。
目次の表現と音楽への知的好奇心をも満たしてくれるのでこのシリーズの続きがますます楽しみ。
褒めすぎかな?
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BLM運動の盛んなアメリカに人種差別に肯定的な大統領がたち国は割れた。
そんな中ショパンコンクールの入賞者のエドワードは音楽で政治にもの申そうとする。相棒に岬洋介を招いて。
大統領暗殺を依頼された愛国者が誰なのか、手に汗握ってページをめくった。
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軍人一家に生まれたピアニスト
エドワードオルソン
ショパンコンクールに初入賞したアメリカ人
黒人女性マネージャーの活躍で有名になる
コンサートで、ガーシュインのラプソディインブルーを演奏を希望している
ブラックリブズマター、白人主義者がコンサートにがなくなる
共演するピアニストに日本人ピアニスト岬を希望
トランプ大統領が観覧希望
オケがはいる。暗殺者、愛国者がまぎれこむことに成功
毒吹き矢をクラリネットに仕込み、最前列の大統領暗殺を依頼された暗殺者、コードネーム愛国者
岬に気が付かれ譜面を投げつけられ失敗
毒を飲み自害
二人のピアノ共演を見ていた為、死顔が満足そうにわらっていた
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岬洋介 シリーズ8
ショパンコンクールで入賞した、ピアニスト・エドワードは、3ヶ月後に予定している、カーネギーホールでのコンサートで、黒人音楽を愛した作曲家、ジョージ・ガーシュウィンの名曲「ラプソディ・イン・ブルー」を弾くことを思いつくが、やり手マネージャーは、ガーシュウィンでは客を呼べない。と反対する。
そこで、白羽の矢を当てたのが、我らが岬洋介様。
一方、新大統領の暗殺を引き受けた〈愛国者〉は、ある計画を立て、洋介たちの前に現れる。
昔のダイナミックな表現は、影を落としたかも知れないが、それでも、安定の内容。
次回は『とどけチャイコフスキー』だそうだ。
待ち遠しい。
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ちょっと失速してきた気はしますが、さすがの岬さん。
次はモスクワのようです。
以前ドーピング問題でロシア国歌演奏できなかったときの代わりのチャイコフスキー演奏めっちゃ素敵やったんですが・・・今時事入るならまた奇跡並みになりそうなんですが、どうなるでしょうか。
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どうした中山七里。謎解きがないなんて…こんなのミステリーじゃないじゃないか…。犯人の「愛国者」が女っていうのも、話し方とかからして男と思わせておき実は女…ってのも中山七里がよくやるパターンで読めてしまったし。書きすぎて疲れてネタ切れなのかしら。岬洋介は楽しそうでよかったです。
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レイシストの大統領を狙う暗殺者とショパンコンクールファイナリストのエドワードがどう絡むのか。これが徐々に分かるのが楽しい。
岬洋介の雰囲気、言葉は相変わらずかっこいい。曲の描写もまるでその曲を聞いているような気分になれるところはいつも通りワクワクする。
次はモスクワなのかな。
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中山七里さんといえば音楽シリーズ!
……といっても私は本作が初読み。
なんと岬洋介シリーズの第8弾だそう!?
舞台はアメリカ。
現実とリンクしていて、黒人などへの人種差別抗議運動(BLM運動)が激化するなか、アメリカ・ファーストを掲げるあの大統領が誕生した。
それに異議をとなえるピアニスト エドワード。
音楽で主張したいと考えて、「ラプソディ・イン・ブルー」を弾くことを切望する。しかも岬洋介との共演。ショパンコンクール ファイナリストの二人がそろう!となれば注目度は高い。
町の暴動は激化していき、アメリカが二分されていく。
不満をもつ者のなかには大統領を狙う者もあらわれる。暗殺者の〈愛国者〉も楽団のなかに潜り込み……
ストーリー的には音楽と暗殺とドキドキハラハラ、登場人物の心情に気持ちを重ねることもできた。
ただし、個人的にはあまりに現実(いまは過去のことだが)のアメリカの政治的な実情が書かれていて気分のよいものではない。
それにつけ加えて、音楽に疎い自分にはガーシュウィンの楽曲がわからず(YouTubeで聞くには聞いたけど)ピアノ2台の演奏の高揚感が自分のところまで届かなかった。
ラストのくくりもあっさりし過ぎていて、あれだけ愛国者の心境をたどってきたのにコメントもなしで終わる??
その後どうなったのかもなくフラストレーションが残る形になった。
いままで音楽モノもいくつか読んだが、今回は高揚感がなかった、、なぜ??
テクニックとか解釈とかを超えて「心が躍る」表現が私には物足りなかったからなのかな〜?
(音楽素人なので、文章からイメージを膨らますにはもっと要素が必要だったのかも??)
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岬洋介シリーズ9作目。
人種差別が激化したアメリカで多様性をテーマにピアノコンサートを開く話。
アメリカって自由の国のイメージあったけど、人種差別が激しく悲しいニュースもいまだに聞くし、といった国際問題にも触れていてアメリカに想いを馳せる。
さて、ミステリは最早ないんやけど、岬洋介のファンと化してる私にとっては面白かった。岬さん凄いやろ?皆好きになるやろ?ってなるし音楽の世界にちゃんと帰ってきてくれて安心した。岬さんがピアノ弾いてるだけで嬉しいし、楽しそうなのも周りの音楽家達が尊敬してるのも嬉しい。
妬みとかありそうな業界やのに岬さんの影響かギスギスした感じがないのも読んでて気持ち良い。
病気大丈夫かな?と毎度心配するけど、軽やかに楽しげに嬉しそうに演奏する様に杞憂だと笑みが漏れる。音楽が聞こえてくる。