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電子書籍
☆地獄変☆
2024/04/05 22:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは、平安時代の話である。
絵仏師の良秀は、天下一の腕前として都で評判だったが、その一方で、恥知らずで高慢な性格であった。その上、怪しい噂にもこと欠かなかった。
この良秀には娘がいた。可愛らしい容貌と優しい性格の持ち主で、当時権勢を誇っていた堀川の大殿に見初められ、女御として屋敷に上がった。
娘を溺愛していた良秀は、事あるごとに娘を返すよう大殿に言上していたため、彼の才能を買っていた大殿の心象を悪くしていく。
一方、良秀の娘も、大殿の心を受け入れない。
そんなある時、良秀は、大殿から「地獄変」の屏風絵を描くよう命じられる。
話を受け入れた良秀だが、「実際に見たものしか描けない」と頭を抱える。
彼は、地獄絵図を描くため、狂人さながらの行動をとる。
こうして、絵はあらかた出来上がったが、どうしても仕上がらない。燃え上がる牛車の中で焼け死ぬ女房の姿を描き加えたいが、どうしても描けない。
そこで、良秀は、「実際に車の中で女が焼け死ぬ光景を見たい」と大殿に訴えた。
数日後、良秀は大殿に都から離れた荒れ屋敷に呼び出される。恐ろしいことに、火にかけられる牛車には良秀の娘が乗せられていた。牛車に火がかけられ、燃え盛る炎の中に縛り上げられた娘は身悶えしながら、焼け焦がれて行く。
その姿を、良秀は驚きや悲しみを超越した、厳かな表情でただ眺め、軈て良秀は見事な「地獄変」の屏風を描き終える。
そして、屏風を献上した翌日、良秀は部屋で自殺する・・・
良秀をそこまで駆り立てたものは何だったのか?
屏風絵に潜む悪魔・地獄に見初められてしまったのだろうか?
凄い執念だ。
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