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2023年82冊目
原田ひ香さん/「喫茶おじさん」
一見【喫茶店好きおじさんのほっこり話】に思えますが、実際はほっこりだけでなく、主人公が抱える切なさ&苦しさも垣間見えるお話です。
喫茶店でコーヒーと軽食を楽しむ描写に、
お腹が鳴りそうでした(笑)
#読了
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良かったー!
エピローグで星ひとつ格上げになった。
「孤独のグルメ」が好きな人なら夢中になる作品。
そこにおじさんの哀愁と暢気さが加わったおすすめセットメニューです。
ーー
松尾純一郎がおいしい珈琲をもとめて純喫茶をめぐる一年。
一部上場企業を早期退職して、悠々自適な生活をしている……?
家族は妻と大学生のひとり娘……だが、進学で家を出た娘、そのあと妻も娘と暮らすように。マイホームにひとり。
人の良さそうな温和なタイプで、会社のなかでも出世とは無縁だった。
そんな彼はまわりの人間に、
「あなたって何もわかっていない」
と謗り(そしり)を受ける…が、なんのことやらピンとこない。
これでいて、最初の結婚では不倫して離婚。すぐに再婚して、いまの家庭がある。
五十も過ぎたころに早期退職するが、退職金の多くを喫茶店開業で溶かしてしまう……
娘にはつっけんどんにされ、妻には愛想つかされ、年下の知り合いからも呆れられ、それでもまぁ〜と喫茶店をさがして芳しい香りとあの味わいを感じれば、多幸感に包まれる。
けっこうなシリアスな場面でも悲壮感がなく、淡々としていて心のなかで呟く小言にクスッとさせられる。
このおじさんの哀愁と多幸感が、まるであんバターの味わいのような絶妙なさじ加減なのだ。
いっしょにふわぁ〜と喜びに浸っていると、もう一件、と街をふらつく。満足したよね?無職だよね?なんて読者のツッコミは彼には届かない。
「孤独のグルメ」のように店名は書かれていないが、出てくる店やメニューはおそらく実在する純喫茶をモデルにかかれているのだろう。
珈琲の香りが漂ってきて、トーストのサクッという軽い音、ナポリタンのケチャップの焦げた匂い、、
文章でここまで美味しいなら、本物は……!!
探して巡りたくなる。
こうして松尾純一郎の一年が巡るころには、ようやく彼も家族の関係や気持ちの変化を悟るようになり、人生を考え直すようになる。
おじさんには分からなかったあのセリフも冒頭からずっと垣間見えていて、分かってないのは本人だけ、という仕掛けもあっぱれ!
人生80年。五十を過ぎたところならまだあと30年もある。
おじさん一人、これからが楽しみ。
ひ香さんのダントツ1位になりました!
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店名は出ないが、実在するお店も出てきた。
きっとあのお店だな。って思いながら読むのも楽しい。
話としては平坦な感じだから、何か盛り上がりを期待する人には物足りないかも。
個人的には、ストーリーそのものよりお店の様子や食べ物の描写がおもしろかった。
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ゼネコンを辞め無職57歳松尾、妻と別居中。あちこちの喫茶店を毎日めぐる日々。
店名は出てこないけれど、たぶん実在する店が沢山登場する。大学生の娘が誰と旅行に行ってるか確認しに行くのには、キモッとつぶやいてしまった。喫茶店や食べ物の好みには同意できるけれど、その辺のオジサン的行為には同意できない。
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楽しんだ。
これは、読む「孤独のグルメ」だ。
「何もわかっていない」の部分が五郎さんの「腹が、減った」にリンクしている。
早期退職した、冴えないおじさん主人公(外見はまあまあらしい)。
あまり深く物事を考えず、上記の台詞を吐かれ、そのあと喫茶店で至福の時間を過ごす。
歳の割にたくさん食べるのも五郎っぽい。
その喫茶店も孤独のグルメと同様に実在の店のようで、読みながら検索してしまった。
そんな意味でも楽しめる小説だ。
抜けているけどいい人、おじさんにサチアレ。
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喫茶店に行きたくなった。自分を甘やかしながら、やりたいことをやって、ゆるく生きる選択もあるんだなと思った。人生何回失敗してもいいと思うし、何歳からでも自由に好きなことをする人生も素敵だと思った。
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Kindleで読んだ。
松尾純一郎、57歳。早期退職し、現在無職。妻子はあるが現在は別居中。純喫茶巡りを趣味にしようと、コーヒーとその店の看板の味を楽しみながら各地を巡るが…。
経営していた喫茶店を半年で潰して就職活動中、妻には出ていかれ…でもなんだかのんびりしている。
“まあ、いいか。考えたって、人の気持ちなんてよくわからないしな。 未だに娘が怒っていた理由もわからないし、現妻が出て行った理由もわからない。”
“ ──あまり、気にしていてもしかたないな。自分の力ではどうにもならないこともあるし。”
近くで見てたらちょっとイライラするかもしれないけど、ストレス耐性高そうで羨ましいかも。
“ いつか、別のことをしたくなる日も来るかもしれない。
だけど。
今は、これでいい。”
最後にそう決めた純一郎はすごいな。
自分一人の生活でも、決心はつかないと思うから。
『ランチ酒』同様、実在のお店が出てくるところがいい。
自分のためのおぼえがき。
東銀座「アメリカン」「カフェーパウリスタ」
新橋「喫茶フジ」「カトレア」「カフェテラス ポンヌフ」「パーラー キムラヤ」
学芸大学「平均律」「マッターホーン」
東京駅「イノダコーヒ」「トラヤ トウキョウ」
アメ横「喫茶 王城」「ダンケ珈琲店」
渋谷「茶亭 羽當」
谷中「カヤバ珈琲」「イングリッシュティーハウス ペコ」
赤羽「純喫茶 デア」「梅の木」「プチモンド」
池袋「珈琲専門館 伯爵」
新宿三丁目「珈琲貴族 エジンバラ」
京都「築地」「イノダコーヒ」「喫茶マドラグ」
淡路町「珈琲ショパン」
行ってみたいお店がたくさんあったけど、特に珈琲ショパンの「アンプレス」(あんバターホットサンド)を食べてみたい!
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何だか悲しい話だった。元妻が二人とも冷たすぎてこんな可哀想なおじさんの姿読んでられない!となりました。コーヒーはいいけれど家庭が冷め切っている。円満で終わってほしかった。
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おじさんの悲哀を純喫茶の美味しい珈琲と看板メニューで包み込んでくれるようなグルメ小説。
主人公は松尾純一郎・57歳。
早期退職し、現在無職。
妻子はあるが現在別居中。
それほど悪いおじさんとは思わないけれど、計画性がなく、のほほんとした性格は難ありかも。
周囲に「あなたは何もわかってない」と言われても深く突き詰める事もなく、呑気に純喫茶のはしごを続けるおじさん。
なんだかんだ幸せそうじゃないか。
このおじさんの動向より、そそられるのは次々に登場する看板メニュー。
あれもこれも全部食したくなる。
空腹時に読むと堪らない一冊。
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なんの情熱もなくチンタラ老後?年金も出ない年でこんなに贅沢に喫茶店梯子できる行動力あるオジさんが“何も分かってない”は、ありえない。でも「もう自分のために生きよう。自分のために時間を使うんだ」なんて戯言言ってる時点で終わってるか⁈
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カバー部分の可愛らしいおじさまのイラストに惹かれて購入しました。
バツイチワケアリおじさんの松尾純一郎が、純喫茶を巡りながら人生のこれからについて考えていく物語です。
描かれているのは「ありがちな」おじさんの人生で、現実的に想像が及ぶ範囲の出来事ばかりではありますが、それがかえって身近に感じられ、感情移入しやすい作品となっています。
松尾純一郎の苦々しい心情を負と表すのであれば、美味しいコーヒーの苦みは正であり、対比になっているのが面白いと感じました。
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絵に書いたような駄目なお父さん、純一郎。口癖なんだろう語尾に「~なあ」と付けるところがいかにもおっとり、ぼんやりした感、人の良さが伝わる。
そんな純一郎さんが東京の各地の喫茶店巡りをしていくのが主な流れだけど、始めはメニュー解説的な感じで淡々として中々読むペースが捗らなかった。
しかし会う人達みんなに、あなたはわかってない、と言われ続け段々純一郎さん自身に興味が湧いてくる。全然カッコよくもないのだけどその人間味が気になってくる。
離婚の際では、おっとりしていながらも責任はしっかり取り、亜希子と亜里沙のことを想っていたのが伝わってきた。そんなところが亜里沙にあんなことを言わせたのじゃないかな。
最後に器に合わせた店を持ち、欲を持たずやりたい事出来る事を少しずつ始め再スタートを切った純一郎さん。周りのみんながそんな彼を応援しているようにも。やっぱりなんだかんだと愛されるキャラなんだ。よくわからない気持ちだけど応援したくはなる。
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みんなに、何もわかってない。と言われるオジさん。早期退職をして家族の反対を押し切り喫茶店を開いたが、半年で潰れた過去を持つ。無職の間にあちこちの喫茶店巡りを趣味にして、最後にもう一度小さな喫茶店を開業した。何をやるにも必死にならなきゃダメなことを彼は知ったようだ。
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今まで読んだ原田ひ香さんの作品のイメージが
なんとなく芯のある女性とかかっこいい女性
が出てきてまわりの男性陣は基本的には
ダメな人ばかりって感じだったんですが、
今回はそのまさかなちょっと微妙な感じの
おじさんと喫茶店の話でおやっと思って
手に取って読んだのですが面白かった。
1年を通して早期退職して起業に失敗し
再就職を目指しつつ喫茶店をめぐる
お話でしたが松尾純一郎の周りの女性陣が
思いのほか辛辣wwまぁその通りなんですが
読んでて少しつらかった・・・その女性達に
言われる「あなたはわかっていない」、
どういう意味なんだと思いながら読んでいると
あぁ~たしかにこのおじさんはわかっていない。
人より恵まれていることを・・・
でもこの松尾純一郎のばか正直でお人好しな
性格がすごくいい感じで周りの人にも
影響していくのが読んでてよかったですね。
あと個人的には松尾純一郎が喫茶店で
頼んだものを飲み食いして自然と漏らす
「うまいなぁ」ってひと言がほんとに
美味しそうでお店に行ってみたくなりました。
近くない将来の話で老後の家族の在り方
なんかを考えさせられる内容でした。
とりあえず私も喫茶店巡りをしてみようかな。
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バツイチ、57歳の松尾純一郎。大手ゼネコンを早期退職し念願の喫茶店経営に挑戦するがあえなく玉砕、再婚した妻からも離婚を迫られる。再就職先で仕事をしながら趣味の喫茶店巡りで毎日を過ごすが、彼が本当にしたかったのは...。現実的ではないし共感も出来ないがが面白く読めるおじさん譚。